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幸田文の箪笥の引き出し

2007-06-01 01:49:54 | 朗読あれこれ
実家の箪笥の奥から
10年以上前に知人からいただいていた
ちりめんの反物がでてきた。

帯締め模様の入った白の反物。
染めてつくるものらしい。

着物をつくるにあたって
何色に染めるか、
紋を入れるかどうかを決めねばならなかった。

そんなとき手に取ったのが
青木玉著「幸田文の箪笥の引き出し」。

季節やTPOなどを考慮して
みごとに粋に着物を着こなした母、幸田文の
“着物のある日々”が娘、青木玉によって綴られている。

着物一枚一枚に纏わるさまざまなエピソードも楽しく、
また愛用の着物の写真も豊富に掲載されていて興味深い。
色、模様、布地・・・
見ていて飽きない。

着物好きの方にはもちろんご一読をオススメするし、
露伴はじめ幸田家の人々の日常の姿が目に浮かんでくる文章は
「小石川の家」に通じるものがあり、
その時代の風景をリアルに伝えてくれる。


6月になりました。
夏になると気軽に着られる浴衣姿の人が増えますが
少しでも着物に興味のある人は
「幸田文の箪笥の引き出し」をちょいと覗いてみませんか?