コエトオトからはじまる

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生誕100年、湯川秀樹の残したもの

2007-06-30 15:48:08 | お知らせもの
明日、7月1日(日)夕方6時~7時
BS-iにおいてオンエアされる
『荻野アカデミア』は、
「湯川秀樹の残したもの」という副題がついています。

伊藤惣一が一部ナレーションを担当し、
また湯川秀樹の著書を朗読します。
是非ご覧下さい。


湯川秀樹といえば日本で初めてノーベル賞を受賞した
物理学者。1949年のことでした。
原子核を構成する陽子と中性子をむすびつけるものとして
中間子の存在をあげたものです。
(素人説明です、あしからず)

彼の非凡なるところは、その活動が受賞後ますます
活発化したことです。
そのひとつ、米ソによる水爆実験競争に懸念を表明し
(日本のマグロ漁船・第五福竜丸がビキニ環礁で被爆した
 水爆実験のこともとりあげて)
戦争を続けていくその先にあるものを明言し
核兵器の廃絶を訴えた
『ラッセル・アインシュタイン宣言』が
1955年に11人の世界的科学者らによって謳われましたが
そのメンバーのひとりでもありました。

その宣言のなかでは
“私たちの争いを忘れることができぬからといって、
 その代わりに、私たちは死を選ぶのであろうか?”
といい、核兵器のもたらす人類最悪の悲劇を警告しているのです。 

湯川秀樹は生涯にわたって反核運動をつづけました。
アインシュタインとの出会いが大きかったことでしょう。
原子の威力を知っているものゆえの行動とも考えられます。

イランや北朝鮮の核開発、核保有国が相変わらず唱える核抑止論など
『ラッセル・アインシュタイン宣言』から50年以上経ったいまも
湯川の云う「人類の叡智を結集」はみられない中、
湯川秀樹の残したものを改めて確認したいです。
                         (敬称略)





作家との出会い

2007-06-29 18:30:45 | 朗読あれこれ
久々に、文章と描く世界に惹かれる作家に出会いました。
小川洋子氏です。

世間に比べて遅い出会いでしょう。
'91年には芥川賞もとっています。
映画「博士の愛した数式」が話題になっていたのは
知っていましたが、原作はつい最近読んだばかり。
その「博士の愛した数式」で心が躍ったのです。

そして今読んでいるのは「まぶた」。

この高揚感は高村薫氏以来のような気がします。
そうそうセンセーショナルな出会いはないですもんね。

私が感じる両氏に共通する点は
女性であることを忘れさせる硬軟持ち合わせた文章です。
静かに徹底的に調べることは調べて
そして自分しかできない咀嚼をして書いてゆく。
叙情的な表現を併せもって。

かっこよく云うと、文章の“立ち姿”に
作家のぶれることのない芯を感じるのです。

それでいて嫌味が無く
思い切り話に埋没させてくれますし。

好みの問題かもしれませんが、
そんなワケで小川洋子氏の本をいくつか読んでいきたいと
思ってます。


買い物

2007-06-28 17:09:54 | はしやすめ
何でも手にとって確認しないと
モノを買うことなんてできない!
タイプでした。

でも、いまの時代、インターネットショッピングやオークションで
買い物は当たり前よ~。
・・・と云われてもなかなか現物のイメージは、ネットの写真や説明
だけでは浮かんでこない。
ましてやパソコンから発注して、果たして注文は
本当に正しく受け付けてくれてるのか、なぁんて。

なのに、ここ数ヶ月立て続けに
ネットショッピングとカタログ販売を利用してしまいました。

本、衣装ケース、サンダル、ジャケット、せんべい。

支払い方法は、代金引換とコンビニ振込。
クレジットカード引き落としはしませんでした。
カード引き落とししか受け付けない場合はしょうがないですが
そうでなければ現金の指差し確認!です。

時代遅れな私でさえ、こうした買い物をしてしまうのは
やはり品数が豊富なのとお手頃価格が多いせいでしょうか?
品質も含めて納得の商品が増えてきてるのでしょうね。

不必要なものは冷やかしに眺めて終わり、ですが、
必要なものに関しては、じっくり品定めして比較して
気が付くと買う方向にベクトルは向いてますもん。

ネットの場合、そのお店のサイトの雰囲気が重要です。
安っぽい作りはNO、ごちゃごちゃとしていて要点が分かりづらいのもNO、
シンプルで分かり易く表示して、偽り無く、
お客さんがどこから経由して来ても丁寧に応対してくれる、
そんなサイトに好感がもてます。
そう、そこに自分の売り物に誇りをもった店主がいてくれるような
気働きのする番頭さんがいてくれるようなサイトが良いです。

いやぁ、でもやっぱり基本的に、手にとって触ってよく見て
店員さんにいろいろきいて買うのが私には合ってます。

いいのか悪いのか(^^;


きょう思ったこと

2007-06-26 23:14:52 | 朗読あれこれ
プロは・・・・・

失敗や敗退を経験したときに
血の気がひく思いをし
恥を認めざるを得ず
打ちのめされる。

そしてその屈辱を反芻し
何が足らなかったかを突き詰め
二度とそのようなことを繰り返さないために
できることを徹底的にやる
労力を惜しまない。

一歩前にすすむために。

それがプロ。
お金をもらえる仕事人。

当たり前か・・・

酒を呑みながらそんなこと考えました。


『ふぇみん』(婦人民主新聞)

2007-06-25 22:20:57 | お知らせもの
先日からひょんなきっかけで読者モニターをやることになった
新聞『ふぇみん』。
以前は婦人民主新聞といっていたそうです。

1946年9月20日第三種郵便物認可

と書かれているのにまず驚きました。
歴史の長さは大新聞社にかなわないでしょうが
それでもこの年月。
終戦よりおよそ1年後から現在まで続いてきたのには
それなりの理由があるのでしょう。

ジェンダーの視点で社会を読みとく新聞です

と謳っています。
ひとことではなかなか定義できない「ジェンダー」という考え方が
この新聞の中からどう浮かびあがってくるのか、
そんなところも見ておきたいです。

認め合うこと
補い合うこと
って難しいのでしょうか?
そんなことも考えながら。


ふぇみんホームページ
購読の申し込みもここからできます


漱石のはなし、再び

2007-06-24 12:05:21 | 朗読あれこれ
夏目漱石・・・・・
といえば何を思い浮かべますか?

あまりに有名な作品が多くて
顔も有名で(笑)
その足跡もよく知られているので
逆に何をあげればいいのか悩みます。

漱石研究家、という方々も沢山いらっしゃるでしょうから
漱石の人となり、というのも知る人ぞ知るなのでしょう。
でも私の印象では、人なつっこいのか気むづかしいのか
よく分からない。
楽天家ではない気がする。
酒を呑んだら陽気になるかもしれない。
(これは全くの想像)

たとえば・・・
「坊っちゃん」の、あの小気味の良い文章と
人に対する観察眼は、
私にとって漱石の人間性を伺わせるヒントのひとつです。

むかし、故郷のローカルテレビで
「坊っちゃん」の一節を朗読するCMがあったのを
よく覚えています。


・・・乗り込んでみるとマッチ箱のような汽車だ。
ごろごろと五分ばかり動いたと思ったら、
もう降りなければならない。
道理で切符が安いと思った。たった三銭である。


この部分でした。
あの朗読は役者さんだったのかアナウンサーだったのか。
初めて耳にした「坊ちゃん」の朗読がこれだったので
三つ子の魂、百まで(笑)
私にとってあの声が“坊ちゃん”なのです。

人は、ひとつの朗読とどのようにして出会うか分かりません。
思っている以上に人の耳に残るもの、です。

話は少々ズレましたが、
夏目漱石の「夢十夜」を朗読するイベントが
8月に東京の八重洲で開かれます。
「夢十夜」の十の夢の数々を読んでも
漱石は、人間の心理を読むのに長けていたのだろうと
想像できます。
どんな朗読になるのか楽しみです。

くわしくはこちらをご覧ください。
ぐるーぷ・もある朗読会『夢十夜』

『海へ行く』byソウルフラワーユニオン

2007-06-23 23:50:04 | 朗読あれこれ
ロックバンド、ソウルフラワーユニオンの新曲
『海へ行く』の歌詞のなかで
ひとつのことばにひっかかりました。

“十返りの花”

松の花の雅称。
松は百年に一度、千年に十度花が咲くといわれるため
祝賀の意に用いられる。

こうゆうことばを日常使うかというと
そうそう使わないだろうけれど
こうゆうことばが日本にはあるということを
知っていたい。

歌はときにそんなことを教えてくれて
ハッとさせてくれたりして
面白いです。

中藤毅彦・齋藤亮一 写真展

2007-06-21 20:41:17 | お知らせもの
写真は詩である。
ときに雄弁であり、
ときに静寂のなかで
もの云う。

そう感じさせる写真家・齋藤亮一氏が
写真展を開きます。

中藤毅彦・齋藤亮一 写真展 a just report
2007.6.25mon→7.14sat
場所:エモン・フォトギャラリー03-5793-5437
   (日比谷線・広尾駅から徒歩3分)

齋藤さんの写真展に何度となく足を運び
写真集をながめてきました。
中央アジア、ロシア、バルカン半島、中国・・・
行ったことのない街の
会ったことのない人々と
“会話”ができる写真の数々。
モノクロームの力強さと優しさが共存した
齋藤さんの写真にはいつも惹きつけられてきました。

今回は齋藤さんは東欧を
そして私は初めての中藤氏は南米を
それぞれ旅した記録が紹介されます。
楽しみです。

ご興味のある方、東京近郊の方、
朗読するとき作者の意図を探るように
写真家が作品を通して語る物語に
目を傾けてくださいませ。


齋藤亮一オフィシャルサイト



夏目漱石『夢十夜』を収録する

2007-06-20 20:41:58 | 朗読あれこれ
こんな夢を見た。

というくだりで始まる夏目漱石の『夢十夜』を
インターネット配信しようという企画があがり、
伊藤惣一氏と朗読ぐるーぷ「もある」のみなさんの朗読が
都内某所で収録されました。

まるで夢のような信じられない現実。
おそろしいほどリアリティーのある夢。
夢であって欲しいと願う現実。
覚めて欲しくない夢。
つじつまの合わない夢とうつつ。

・・・などなど、みなさんにも覚えがあると思いますが、
漱石は、人間たちがみるそんな“夢”に
人の抱える様々な深層心理を見出したように思えます。


『夢十夜』の朗読は、CDに収録されているものなど多数ありますが
男性によって朗読されているのが殆どではないでしょうか。

今回は伊藤氏以外はすべて女性の語り。
どんな風に朗読されているか楽しみです。

インターネット配信の準備が整ったら
アドレスなどくわしくお知らせしますね。

舞台『妖怪たち』関西公演のお知らせ

2007-06-19 23:43:54 | お知らせもの
妖怪・・・といっても水木しげる氏が紹介してくれる
アノものたちの話ではありません。

ではどんな妖怪がでてくるのかーーー。
それはみなさんの目で確かめていただきたい。

劇作家で演出家の秋浜悟史氏の遺作となった作品が
満を持して上演されます。
それが『妖怪たち』。

実は私は伊藤惣一氏を通してしか秋浜氏を知りません。
演劇を通して人を育てる方、
演劇を通して人にもの云う方、
そんな印象をもっています。

秋浜氏の盟友、
俳優でドキュメンタリー映画のナレーターとしても知られる
伊藤惣一氏が出演するのですが、
その役名をみてみると

“老け役風”

う~ん、「役」なのか「存在」なのか(笑)。
想像が膨らみます。

劇団民藝と
秋浜氏が育てた兵庫県立ピッコロ劇団と宝塚北高校演劇科
の競演もみどころです。

まずは関西方面のみなさま、観劇ください。
で、首都圏では12月に東京で公演があるそうですから
しばしお待ちを。

特別に公式サイトがあるわけではありませんが
稽古場日誌なるものがあるので
これを読んでまた想像を膨らませてくださいませ。

伊藤氏から台本の一部を読んできかせていただいたのですが、
その印象で云うと・・・これは私の勝手な思いこみですが・・・
演劇に携わる人々、いえ、もっというと
すべての表現者への遺言のようにきこえました。


『妖怪たち』
~鬱屈の劇作家・闊達な演劇教師 秋浜悟史に供える追悼・追善の一会~
ところ:ピッコロシアター (06-6426-1940)
と き: 7月11日(水)19時開演
      12日(木)14時・19時開演
           以上、三回公演

料 金:一般;3000円(当日券は500円増) 子供;2000円(当日券は500円増)

チケットぴあ(Pコード予約:375-719)0570-02-9966
ピッコロシアター 06-6426-1940