コエトオトからはじまる

コエトオトが発信する、発見と創造のブログですコエトオトのパフォーマンスをお見逃しなく!

お茶名のご披露

2008-02-28 23:59:39 | はしやすめ



晴天ながら風のまだ冷たい2月末、
四畳半中板の台目切りの茶室で
大先輩のお茶名披露の茶事がありました。

その心づくしのおもてなしにお茶室の写真を撮ることも忘れるほど(^^;
お床のお花、梅と菜の花の姿は何とかカメラに収めました。

お道具など目に見えるおもてなしだけでなく、
大先輩の緊張と感激と決意が入り交じった“気”が伝わる茶席の空気が新鮮で、
また新たな出発を正客席からあたたかく見守り、折にふれ含蓄あることばをくださる
大先生に、私は、
「やはり先生についていこう」
と決意を新たにするのでした。

季節、日本人の美意識、伝統、しきたり、
理解不十分なこと多々ありながら
茶事を経験することで山ほど学び思い知る私です。

「砂売りが通る」

2008-02-24 10:47:30 | 朗読あれこれ


久しぶりに堀江敏幸 作『熊の敷石』を取り出してみました。
芥川賞を受賞した直後に買った本です。
あまりそうゆうことをしない私ですが(笑)、
そのとき何かピンと来たものがあった記憶があります。

その中の一編、「砂売りが通る」を朗読してみたらどうだろう
と思って声に出してみると、なかなか手強かった・・・。
書き出しはこうです。



大きなひさしのある麦わら帽子をかぶった彼女の細い腕の先には小さな娘の手
が握られていた。鮮やかなピンクに花開いたスポンジの大輪が鼻緒を覆い隠して
いる、ビーチサンダルを履いたまだ足もとのおぼつかない女の子は、母親でも海
でもなく花の砂を舐めるようにずっと下ばかり見て歩いている。めぼしいものが
見つかると手を握ったまま、ふいに体重をかけてぶら下がり気味にしゃがみ込む
ので、後ろへ引っ張られてのけぞらないよう素足の右脚を前につうっと突き出し
てバランスをとる母親の表情は、しかし蔭になって読むことができない。



目で読むのと違って、朗読の場合声で伝えてゆかねばならない。
最小限書かれてあることは伝えなければならないし
朗読はそこから先が勝負。
かっこよくいうと、朗読者の“心の動き”をのせたい。

意識、呼吸、間合い・・・
いろいろ気になります。

この作品のように、劇的ではないけれど
地の文章から登場人物の心情がうかがえたり
独特のリズムがあったりする場合なら尚更。


でも、手にとって読んでみて「あぁ、いいな、朗読したいな」
と思う作品は、必ずしも朗読するに容易くはないけれど
挑戦はしてみたいものです。そう私は思うのです。



エストニアの伝統的な踊りと音楽を!

2008-02-20 02:36:09 | お知らせもの


バルト海がどこにあるか、地図のなかで確認してみてください。
そしてロシアの東端と接し、スウェーデン、フィンランドと向き合う
バルト海に面した小さな国、エストニアをさがしてみてください。

上の旗がエストニアのflagです。(見づらいですが一番下が白です…)
青はエストニアの空・湖・海を表し、エストニア国民を象徴しています。
黒は故郷の大地を示します。
白は人々の幸福の追求を意味するそうです。

このエストニアからプロの民族舞踊・民族音楽グループがやってきます!!!

2月26日(火) 19時開演(18時30分開場)
東京・池袋の「みらい座いけぶくろ」において
エストニアの伝統的な舞踊、そして音楽を上演する
『レイガリト』という民族舞踊団の来日公演があるのです。

エストニアは、1918年2月24日に独立したので今年は独立90周年ーーー。しかし、
何世紀にもわたって、ロシアはじめまわりの国々の支配をうけた
バルト三国の一番北側にあるこの小さな国のことを
日本人のわたしたちはあまりにも知らない。

「車輪の下」のヘルマン・ヘッセのルーツはエストニアだということ。
サッカーの2002年日韓ワールドカップで来日し
日本とも対戦したロシア代表のカルピン選手は実はエストニア出身だということ。
大相撲の把瑠都(バルト)関もエストニア出身。

・・・とまぁ、いろいろありますが、
それらを知らなくても、その国の音楽や人々に触れれば
一気にその国に対して近しい気持ちになれますもんね!

私は以前、この公演の主催者「国際芸術家センター」が招いた
アラスカからやってきた“使者”のみなさんの踊りに触れましたが、
団員の方たちの母国愛がステージにあふれていて眩しくて、
また一方で日本のみなさんと知り合いたいという情熱というか、
持って生まれた愛嬌とtoughnessがビシバシ伝わってきて
刺激になったのを覚えています。

踊りの伴奏はすべて生演奏。
とても珍しい「ヤオラン」という民族楽器も登場するとか。
エストニアの文化に誇りをもち大切に伝える
『レイガリト』のみなさんの踊りと音楽の夕べ、
おすすめします。

入場料は
大人;3000円(当日3500円)
子供;2000円(当日2500円)
親子券;4500円(前売りのみ)

お問合せ・チケット取り扱いは、NPO法人国際芸術家センターまでどうぞ。

tel : 03-5426-2047
e-mail : iactokyo@d1.dion.ne.jp


曜変天目に対峙す

2008-02-17 18:04:48 | はしやすめ
この姿が曜変天目です。
静嘉堂文庫美術館のホームページの写真です。
本物は写真ではとても追いつけないほどの迫力。
随分昔に本で拝見して以来、いつか相見えたいと願っていた
宋の時代の茶碗に、私ようやく出会えました。

はい、予告していたように(笑)
『茶碗の美』(静嘉堂文庫美術館で3月23日(日)まで開催)に
行ってきたのです!

思っていたよりは小ぶり。
しかしその“曜(星)”は輝いて美しいのです。
どう焼いたらこんなミラクルな茶碗ができるのだろう・・・
素人には想像もできませんが
800年ほど昔から伝わる「国宝 大名物」に、しばし時を忘れるのでした。

このほか高麗茶碗の数々も多く展示され
16世紀の朝鮮の井戸茶碗にも会えて大満足。
もちろん和物も圧巻です。

これらの茶碗が、その昔、茶席でご亭主と客人の間で行き交った
様子は想像するしかありませんが、
改めて手に馴染み愛されてきた茶碗の存在感は
語らずとも伝わってくるなぁ~と思えるのでした。

みなさんもよろしければどうぞ。


ピアノと語りの世界

2008-02-15 00:37:24 | お知らせもの
面白そうな朗読ライブを見つけましたのでお知らせします。
チラシの文言を書けばそのスペシャル感が伝わる思うので
ほぼ原文のまま記しますね。


一期一会~ピアノと語りの世界~

ピアノ 岩凬能子   語り 森山 太

と き;2008年2月17日(日)
ところ;青葉台フィリアホール

全席自由;2000円(中学生以下1000円)

<昼公演>14:30開演
◇魔王 シューベルト作曲の歌曲を、歌わずにピアノと合わせながら日本語で語ります。
◇日本歌曲 「この道」「夏の思い出」「花」「ふるさと」を、
      歌わずにピアノと一緒に語り聴かせます。
◇とうげの茶屋 小川未明の童話を、シューマンの曲とともに朗読します。
◇バラード三番 ショパン作曲、ピアノ独奏。小さな物語付き。
◇ヴラマンクの遺書 フランスの画家ヴラマンクの遺書を、
          シューマン作曲「幻想曲」とともに語ります。
◇智恵子抄 智恵子が遺した数多くの切紙絵。そして、死。
      直面した高村光太郎の心の動きを、
      ピアノの調べと一人芝居で魅せる珠玉の作品。

<夜公演>18:00開演
◇ふしぎなたね〔安藤光雅の絵本〕 怠け者の男に仙人がタネを二個渡す。
                 その二つのタネを男は・・・
◇日本歌曲 「この道」「夏の思い出」「花」「ふるさと」を、
      歌わずにピアノと一緒に語り聴かせます。
◇野ばら 小川未明の童話を、シューベルトの曲とともに朗読します。
◇スープの石 この石を沸騰した鍋の中に入れると
       世界一美味しいスープができると、旅人は言い・・・
◇ヴラマンクの遺書 フランスの画家ヴラマンクの遺書を、
          シューマン作曲「幻想曲」とともに語ります。
◇アマデウス~神の愛でし子~ 十八世紀の宮廷作曲家アントニオ・サリエリ。
               彼の苦悩はモーツァルトだった。
               その存在、音楽、そして死。
               そこから見えてくるものとは・・・
               モーツァルトの曲とともに一人芝居で演じきる、
               ピアニストと役者による他に類を見ない世界。

お問い合わせ・チケット取り扱い〔一期一会 事務局〕まで
080-2064-1518
ichigoichie.office@gmail.com

ピアニストと役者の“ひらめき”を
ライヴで楽しみたい気がします。


茶道にみる美

2008-02-12 20:56:03 | はしやすめ


東急電鉄をつくった五島慶太が収集した美術品を中心に展覧会を催す
「五島美術館」に行って参りました。

というのも、「館蔵 茶道具取合せ展」というのが開かれていて
「“悪女”という銘のお茶碗があってね・・・」
ときいたもので興味が湧いたのです。

茶碗、茶入、茶杓、お釜、水指、
また灰の景色からお床の軸や茶花などまで
茶席でのみどころは山のようにありますよね。

○○作だからだとか○○好みだからだとか、そうゆう理由だけでなく
自分の美意識に響くかどうか、というのを
こっそり楽しむのが私は好きです。

で、ありました、“悪女”。
常慶(じょうけい)作の黒楽茶碗でした。
敢えてツヤを出さず少しグレーにもみえるこぶりの茶碗。
これをなぜ“悪女”と命名したのか・・・
いろいろ想像するのもいとをかし、です(笑)。

あと、なんともいえない朱色で丸みを帯びた本阿弥光悦の赤楽茶碗、
“十王”。
人が死んだときに生前の行いを裁くという“裁判官”たちを指します。
それにしては手に馴染むようなやわらかい丸みがあったなぁ。
おっと、それは油断させようとしているだけか!?

ひと部屋だけでゆったりと拝見できる五島美術館ですが、
ごめんなさい、この「茶道具取合せ展」はもう終わってしまいました!

でもみなさん、ご安心ください。
3月23日(日)まで、静嘉堂文庫美術館におきまして
「茶碗の美」という展覧会が開かれています。

以前、陶磁器の取材をしたときに本で出会った『曜変天目』を
この目で直に見られるということで私も必ず行こうと思っているものです。

私は渋い高麗茶碗が好きなのですが、曜変天目は別格です。
吸い込まれそうになりました、写真でみただけなのに。

茶道をやってなくとも、骨董品に詳しくなくとも
茶碗の佇まいに興味のある人なら行って損はないと思います。
よろしければどうぞ。

ちなみに上の写真は、五島美術館の非公開の茶室、
古経楼茶室の外観です。入ってみたいものですけどね~。







浦野理一に出会う

2008-02-10 09:31:51 | 朗読あれこれ

この【朗読もの】でもご紹介した
朗読とクラリネットのコラボレーションライブで、
きものと帯の作家、人間国宝の浦野理一に出会いました。

きものがお好きな方、あるいはその昔、雑誌「ミセス」を
愛読していた方にとっては、あこがれの作家なんですよね。

朗読する藤村紀子さんがステージで手にしていたのは、
廃棄処分になろうとしていた幸田文の全集の中の第三巻。
藤村さんがその装幀に惹かれてみてみると、
自身も大好きな浦野理一の手によるものだったそうで
心が躍ったそうです。

客席からみてもその本は、何ともいえない上品な感じ。
そして粋な装幀なのです。
あぁ、アタシも触ってみたかったなぁ~。
あとで調べてみると、浦野理一が幸田文全集装幀のために新たに構築した
「幸田格子」というデザインらしいです。

浦野理一についてよく知らなかったアタシは
取り急ぎネットでその作品をみてみましたら
まぁ、素敵な絵柄、そして生地。
是非どこかで直にホンモノに巡り会いたいと思いました。


そうそう、あの日、藤村さんがその幸田文全集から選んで朗読したのは、
『雪』です。
柳橋の芸者さんの、雪のちらつく日の
さり気ないひとコマを描いています。




椿の季節

2008-02-08 02:12:57 | はしやすめ

茶席では、季節を取り入れたお菓子をいただけるのも
楽しみのひとつ。

たとえお稽古であっても、先生の計らいで
目にも楽しい主菓子がでてくると
それだけで話が盛り上がります。

あまりにかわいらしい主菓子をいただいたので
写真をパチリ!

椿でしょうか。
2月下旬から3月上旬が最盛期という椿。
種類も豊富です。
う~ん、この主菓子の椿は何でしょう?
それをきいてこなかった詰めの甘い私をお許しください。



どうしても許せないこと

2008-02-03 18:38:56 | 朗読あれこれ


最近とても気になることがあります。
アクセントについてです。

「2月」「4月」

みなさんはこれらをどう発音しますか?
テレビを観ていると、これらを頭高に発音する人が
最近多いことといったら!
つまり、「に・がつ」「し・がつ」と分けると
頭の「に」と「し」を強く発音して頭高にするのです。

いつからこれが普通になったのでしょうか。

いえ、アクセントというのは世につれ
また地域につれ、なのですが、
何かあまりにも理由もなくポピュラーな発音が変えられて
軽視されているように思えたのです。

方言は素晴らしい文化なので残すべきです。
いえ、方言こそ地域に根付いていて
ちょっとやそっとじゃアクセントが変わったりしないでしょう。

その一方で、ニュースなりナレーションなり、ポピュラーな発音を重視して
伝えているものの中で、いい加減なものが散見されるのは
中途半端に思えて仕方がないのです。

それがまた「2月」「4月」という、使われる頻度の高い
月の呼び方ですから余計に気になる。

変わったのならそれなりの理由を誰か示して欲しい!
そのくらい違和感を感じる私でございます。
世につれ、というものではないと思います、
少なくとも私の想像では。

正しいアクセントは・・・という云い方は実は好きではありませんが、
これまで長く耳に馴染んだアクセントは
「にがつ」「しがつ」と尾高にいう。
つまり「つ」が一番高音になるはずです。

えっと、簡単に何気なくスルッと変わってしまうことを
何とも思わずに使ってしまう・・・これが嫌で書きました。
どうも(^^;


最近のアニメってどう?

2008-02-02 02:16:38 | はしやすめ

これはウチの壁に張ってあるポスターです。
先日、リメイク版の『ヤッターマン』がON AIR開始ーーー。

タツノコプロのアニメを観て育った私にとって
これは注目すべきニュースでしたが、
やはりリメイクというのは素直に賛成しがたいところが出てきますね~。

オープニング曲、エンディング曲。
絵のタッチ。

すばらしいのは、声優さんが変わらない“あの声”で演じてくれるので
たまりません!


そうそう、木曜日の深夜にフジテレビで『墓場鬼太郎』なるものをON AIRしていると
人からきき、先日初めて観ました。
『ゲゲゲの鬼太郎』が子ども向けだとしたら
『墓場鬼太郎』は明らかに大人向けのアニメ。

『ゲゲゲの鬼太郎』が妖怪とのたたかいであるとすれば
『墓場鬼太郎』は人間の“業”とのたたかいとでもいうんでしょうか。

はっきりいって面白いです。モノクロームな絵のタッチがいいです。
ただ鬼太郎の顔も雰囲気が違うし、何かと設定が違いますが。
でもそこも楽しめます。
ねずみ男のイヤらしさだけは不変かな(^^;

鬼太郎の声も野沢雅子さんが担当しているので、そこは不変。
お父さん(目玉おやじ)も田の中勇さん。
でも何かがはっきり違う『墓場鬼太郎』を観てみてください。

ザッピングしていても、アニメが映るとつい観てしまうんですよね。
そんな私からのご案内でした。