今年は太平洋戦争の開始から70年、
またその発端ともいえる満州事変から80年の節目の年。
激戦地と化してしまったを太平洋の島々。
満州国、そしてそこに置き去りにされた人々。
ヒロシマ。
ナガサキ。
悲劇が起こるたびに
人は価値観を覆されてきたように思います。
江成さんの写真は
想像力を試されるなぁと思いました。
起こったことを生々しく写すのではなく、
人間の心の内を静かに抉ってくるような作品群でした。
こうゆうものを見て、私たちは
想像することを忘れてはいけないのだと
痛切に感じました。
今年、日本は、信じられない地震と津波を経験し、
原発事故の恐怖に晒されています。
またもや大きく価値観を変えざるをえないのです。
そんなときにこの写真展は、
決して遠くない過去から
「いま、考えろ」
と声を掛けてくるようです。
音声ガイドには、江成常夫さんご本人と
【いちまるに】の藤村紀子さんが登場します。
江成常夫写真展『昭和史のかたち』
東京都写真美術館で
9月25日(日)まで開催中。