老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「横浜事件」刑事補償金は資料集作成に

2010-02-07 11:30:00 | 民主主義・人権
2月4日の朝日新聞夕刊は、横浜事件で約4700万円の刑事補償を勝ち取った5人の元被告人の遺族達が、「横浜事件を歴史に残すため補償金は資料集の作成に充てたい」と語ったと報じている。立派で頭が下がる思いである。

是非後世に伝え歴史に残して戴きたい。勿論専門的な裁判資料として残すことも必要であるが、これでは読者が法律専門家や法学生等に限定されそうな気がする。厚かましい要望であるが、このような事件は広く一般に読まれてこそ後世の教訓と啓蒙となろう。

そのような意味で、可能であれば、高校生以上の一般人向けのドキュメンタリー物語と小中学生向けのドキュメンタリー漫画も作ってもらえれば、より広く浸透するのではないだろうか。駄目もとで出版社と交渉して貰いたい。そしていつの日かテレビドラマか映画化されることも期待したいものである。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
厚顔の美少年
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絶対必要・全面可視化法案

2010-02-07 11:14:09 | 民主主義・人権
今民主党で、警察や検察の被疑者取り調べの全過程を録音録画する「全面可視化」を求める議論が高まっている。一方野党自民党やメディアは、鳩山・小沢問題に関連した検察への圧力ではないかと、下司の勘ぐりをして牽制している。

しかし先週の国会で民主党議員は、「全面可視化」の議論は今に始まった問題ではないことを、具体的な事実を上げて説明し、またマニフェストにも掲げていると述べている。こうしたことから、野党自民党の批判は当たらないように思う。

そのようななか、2月4日に横浜地裁で、「横浜事件」の過去の裁判の誤りと、一方で元被告人の遺族側の主張を認定して、実質無罪の判決があったことが広く報じられている。

http://www.asahi.com/national/update/0204/TKY201002040116.html

この事件は悪名高い治安維持法と特高警察が幅を利かしていた1942年頃に発生したもので、密室での拷問で調書が作成され、裁判もそれを認定した冤罪事件のようで、約68年ぶりに被告側の冤罪主張が「刑事補償」という形で一部認められたのである。

http://members.at.infoseek.co.jp/yoko_hama/oldtop.html
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/yokohamajikenn.htm

他にも、最近冤罪と見なされ、再審が決定された事件は、02年に富山県で起きた「氷見事件」、03年の鹿児島県議選絡みの「志布志事件」、そして昨年再審が認められた菅谷さんの「足利事件」などがある。

今でこそ横浜事件の取り調べのような肉体的に危害を加えるような拷問は無いと思うが、それでも密室では暴言やなだめすかしの精神的な拷問が行われていることは、公開された菅家さんの取り調べの録音テープで明らかである。

また、リクルート事件で有罪となった江副氏が最近テレビに出演し、肉体的不自由を課せられたり、肛門にガラス棒を差し込まれたと告白しているのには驚かされた。氏は取り調べの全面可視化を訴えて、弁護団と共著で『「全面可視化」をめざして』と言う本をだしている。

憲法38条2項は、「強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることはできない。」と規定しており、これを具現化するためにも刑法か刑訴訟法で全面可視化を明記すべきである。

ところで昨年5月から裁判員裁判がスタートしたが、我々素人が社会から隔離された職業裁判官より優れていると思われる能力の一つは、日常生活の中で様々な人に接触する中で、たわいもない嘘や誤魔化しに五感で接していることであろう。

日常生活で自然に培われたこの五感は意外に鋭く誤魔化されない。全面可視化で取調中の検察官と被疑者のやりとりが裁判員に公開されれば、事実や真実をより客観的に公正に判断するのに役立つのではないだろうか。一方では検察が無理に自白を獲ろうと焦らなくとも良くなるはずである。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年
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