老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

先に“お花畑“外交を強化せよ!

2022-04-18 14:32:50 | 安全・外交
ウクライナ戦争でロシアの容赦ない攻撃が広がるにつれ、
「ロシアは怖い。北海道から攻めて来たらたら、どうする?日本の防衛力を強化せよ」
という声が政治家やネット民の間で高まり、国民が不安を煽られている。

確かに毎日、テレビ番組やネットニュースでウクライナの攻防戦と惨状を見せつけられたら、対岸の火事では済まない気持ちになる。また、年配の方々は1945年8月にロシア(旧ソ連)が日ソ中立条約を突如破棄して参戦した記憶が蘇るのだろう。

ロシアのウクライナ侵攻を見れば、日本の主要都市や陸海空の自衛隊基地、原子力発電所を中距離ミサイルや巡航ミサイルで叩き、制空権を奪って戦車・歩兵大隊を上陸させ、無差別に破壊と殺戮を繰り広げることは可能だろう。

それゆえ、政治家と右派論客・評論家が「平和ボケの日本国民」「お花畑の憲法九条論者」と水を得た魚のように騒ぎ立て、防衛予算の倍増や先制攻撃論、核武装・核兵器レンタル論を語り始める。

しかし、冷静に考えればわかる。産業・金融・経済が大国を含む地球規模でネットワーク化している昨今、地続きでないロシアが北方領土から北海道へ侵攻する利得はあるのか。侵攻に至るには国家間のメンツにかかわる事件や経済的な損得事案、偶発的な軍事衝突が起きているはずで、それらは日ロ両国と第三国、国連を含めて解決へ向けた外交的努力が行われるはずだ。

また、日本には日米安保条約がある。ロシアに近い在日米軍基地は青森県三沢にあって、自衛隊と共同運用している。「もし、ウクライナがNATO加盟していたら」と同じ流れで、ロシアが日本領土に侵攻すれば日本国内の米軍基地が連動して反撃せざるを得ない。「ロシアが日本に侵攻しても米国は守ってくれないし、核兵器で威嚇してくれない」という論客は、カネのかかる日米安保廃止を前提に防衛力増強を論じなければならない。

一方、著名な歌手がテレビ番組内で、このような私見を述べていた。
「ウクライナ戦争を目の当たりにして、我々も考えなければいけない。相手が武器を持って攻めてきた時、その前に立ちはだかり、自分の家族を守ることができるか。相手が銃を向けてきても『自分は人殺しはしない』と言うのか、銃を持って相手を殺せるのか」

彼は戦争や武力の問題から逃げずに広く深く多くの議論をしよう、と言いたかったのかもしれない。しかし、少し言葉足らずな気がする。右派論客は勢いYesかNoかで「無抵抗で黙って殺されるのか?家族も守れないのか?身を守るために、愛する国を守るために軍備増強を!」と叫び、問題意識を持たなかった人々は不安や恐怖を抱えて同調するだろう。

核保有国と対峙するには、どれだけの軍備が必要なのか。物量と兵員に勝るロシアと戦うには、陸海空でどれだけの武装をすればいいのか。「その前に、やるべきことはないのか」を置き去りにして自衛力強化や軍備増強ばかりを進めるのが与党自民党である。

護衛艦「かが」「いずも」へF35Bを搭載する空母化を進めてながら具体的な運用は置き去りで、海上自衛隊と航空自衛隊の連携すら未知数という。要は「ウチも空母を持ちたい!」だけ。

米国の空母が単体運用ではなく“打撃群”として複数の艦船・潜水艦を引き連れているのは何故か。数千人単位の乗組員はどこから連れてきて、どんな教育をするのか。米国の戦術データリンクに接続するために大金を費やしても、情報提供する一方で重要な情報をもらえない“交渉下手”でいいのか。

「核兵器保有国には核兵器で対抗する」と強大なオモチャを持ちたがり、夢想する。その核兵器はどこへ、何発配備して昼夜を問わず管理するのか。配備基地の特定を避けるために核兵器を日本中で移動するのか。核兵器の安全管理(暴発、誤発射)は担保できるのか。核兵器を搭載した潜水艦が民間船と衝突しないのか。

核兵器の常時発射状態を維持するため、どれほどの付帯設備・秘匿要員が必要なのか。そのために今まで、米露がどれほどのカネを浪費し、神経をすり減らして運用した結果、核軍縮に至ったのか。核爆弾を搭載したB52が過去に複数回、墜落事故を起こした事実を知っているのか。核兵器の怖さを知っている「唯一の被爆国」ではないのか。

なぜ、先に外交力と情報収集・分析力を強化しないのか?「ヒゲの隊長」こと、自民党外交部会長の佐藤正久さん。自衛隊海外派兵の経験を経て政治家になったのだから、お花畑の武装論と外交オンチを質してから、勇ましいことを言ってほしい。核保有国と軍備で肉薄した時、相手の挑発に乗せられたら、どうする?シビリアンコントロールが軽視された今、数十年前の満州事変の再来はないと言えるのか。

国際的な外交はディベートと駆け引きのつばぜり合いで、明確な主張・反論ができない者は無知・無能と軽く扱われる。相手国の主張・非難・暴言に対し、タイムリーに硬軟使い分けたカウンターを発信せず「遺憾である(残念です)」程度のコメントしかできない日本の与党政治家は無責任かつ無能である。

ウラジミール君と呼べてご満悦な、外交センス・外交能力・情報分析力のない“嘘つき晋ちゃん”とオトモダチのようなお花畑の輩が8年以上も政府を牛耳った結果、ロシアからカモネギ扱いされて終わった。その総括と批判もできない評論家・コメンテーターは「お花畑な憲法九条論者」などと非難する資格がない。お花畑なのは、粋がって高価なオモチャを欲しがる、アンタらが担いでいる政治家だよ!

「護憲+コラム」より
猫家五六助

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