1月26日午後1時半から東京地裁で行われた「安保法制違憲訴訟・第6回国賠訴訟期日」に原告として傍聴参加しました。今回も傍聴希望者が定員を超し抽選となりましたが、幸い私は当選、傍聴席に着くことができました。
今回は原告本人尋問で、7名の原告が、夫々の立場やこれまでの体験、「安保法制」に対する思い、裁判官に訴えたいことを語りました。
最初の証言者、横湯園子さんは、「5歳の時に体験した沼津空襲が今もフラッシュバックすることがあり、安保法制により戦争ができる国になることに不安と恐怖がある」「これを止めようと『女の平和』を立ち上げたが、その意志が踏みにじられたことに深く失望している」と語り、裁判官に「法治国家を守る役割をしっかり果たして欲しい」と呼び掛けました。
清水民男さんは、障害を持つ子の親として、「安保法制によって日本に戦争状態が生じた場合、障碍者も強制作業に就かされるのではないか、また有事の際、障碍者は逃げることが困難だ」と不安と苦しみを語り、裁判官には「「すべての人と平和に暮しなさい」という聖書の教えと憲法が通じていることを述べて、「平和な暮らしを守る判断をして欲しい」と訴えました。
長崎の原爆被害者で間もなく90歳になる平原ヨシ子さんは、過去に戦争を「正しい戦争」と信じた小国民だったことを後悔し、現在は被爆者歌う会「ひまわり」の会長として平和と核兵器反対の活動を継続中とのこと。「主権者国民の声を無視した『安保法制』の強行採決に、『戦前に戻った』と底知れない不安を覚えた」「主権者として自分で考え自分で決める大切さをこれからも伝えていきたい」と原告になった動機を語りました。
横須賀基地近くに住む新倉裕史さんは、「横須賀は米海軍の重要な海外基地であり、海上自衛隊の最大拠点。原子力空母の原子力災害とも隣り合わせにある。普段は米兵や自衛隊員とその家族に『戦場に行かないでください』と訴え、横須賀の平和化に取り組んでいる」「しかし、『安保法制』により横須賀は一層危険な町になってしまった」と訴えました。
元原発技師の渡辺敦雄さんは、OHPを使って原発の構造を説明。「日本の原発は自然災害に対しては一定の対策を打っているが、テロ対策は脆弱」「安保法制は日本に破滅の危機をもたらす」と強い危機感を訴えました。
障害者施設職員の若者、菱山南帆子さんは、「祖母から戦争体験と『今は憲法があるから大丈夫』という話を聞いて育った。憲法を無視した安保法制成立の過程では「9条壊すな!総がかり行動」に参加。「国会を囲む大勢の市民の声を無視して強行採決されたことに怒りと苦しみを感じている」と語り、傍聴席から共感の拍手が起きました。
最後の証言者、キリスト教牧師の安海和宣さんは、「戦争は人の命が失われる極みである。その戦争に向かって権力と武力が結合し、言論、思想の統制の方向に進んでいる。そのことへの胸騒ぎ、危惧・恐怖がある」「安保法制の強行採決により、日本の民主主義は終わってしまった。日本人としての誇りを壊された思いだ」と語り、裁判官には、「内閣が暴走し、国会が制御できなくなっている今、三権分立の最後の砦として、適正な判断を下して欲しい」と訴えました。
1時半に始まった尋問は15分の休憩を挟んで、5時まで続く長丁場でしたが、傍聴席の人たちは、原告の訴えに自分の体験と重ね合わせるように聞き入り、深い共感の空気の中、尋問は終了しました。
次回は5月11日の予定とのことです。原告の心からの訴え、司法への期待が、裁判官の良心に届くことを強く願っています。
「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
今回は原告本人尋問で、7名の原告が、夫々の立場やこれまでの体験、「安保法制」に対する思い、裁判官に訴えたいことを語りました。
最初の証言者、横湯園子さんは、「5歳の時に体験した沼津空襲が今もフラッシュバックすることがあり、安保法制により戦争ができる国になることに不安と恐怖がある」「これを止めようと『女の平和』を立ち上げたが、その意志が踏みにじられたことに深く失望している」と語り、裁判官に「法治国家を守る役割をしっかり果たして欲しい」と呼び掛けました。
清水民男さんは、障害を持つ子の親として、「安保法制によって日本に戦争状態が生じた場合、障碍者も強制作業に就かされるのではないか、また有事の際、障碍者は逃げることが困難だ」と不安と苦しみを語り、裁判官には「「すべての人と平和に暮しなさい」という聖書の教えと憲法が通じていることを述べて、「平和な暮らしを守る判断をして欲しい」と訴えました。
長崎の原爆被害者で間もなく90歳になる平原ヨシ子さんは、過去に戦争を「正しい戦争」と信じた小国民だったことを後悔し、現在は被爆者歌う会「ひまわり」の会長として平和と核兵器反対の活動を継続中とのこと。「主権者国民の声を無視した『安保法制』の強行採決に、『戦前に戻った』と底知れない不安を覚えた」「主権者として自分で考え自分で決める大切さをこれからも伝えていきたい」と原告になった動機を語りました。
横須賀基地近くに住む新倉裕史さんは、「横須賀は米海軍の重要な海外基地であり、海上自衛隊の最大拠点。原子力空母の原子力災害とも隣り合わせにある。普段は米兵や自衛隊員とその家族に『戦場に行かないでください』と訴え、横須賀の平和化に取り組んでいる」「しかし、『安保法制』により横須賀は一層危険な町になってしまった」と訴えました。
元原発技師の渡辺敦雄さんは、OHPを使って原発の構造を説明。「日本の原発は自然災害に対しては一定の対策を打っているが、テロ対策は脆弱」「安保法制は日本に破滅の危機をもたらす」と強い危機感を訴えました。
障害者施設職員の若者、菱山南帆子さんは、「祖母から戦争体験と『今は憲法があるから大丈夫』という話を聞いて育った。憲法を無視した安保法制成立の過程では「9条壊すな!総がかり行動」に参加。「国会を囲む大勢の市民の声を無視して強行採決されたことに怒りと苦しみを感じている」と語り、傍聴席から共感の拍手が起きました。
最後の証言者、キリスト教牧師の安海和宣さんは、「戦争は人の命が失われる極みである。その戦争に向かって権力と武力が結合し、言論、思想の統制の方向に進んでいる。そのことへの胸騒ぎ、危惧・恐怖がある」「安保法制の強行採決により、日本の民主主義は終わってしまった。日本人としての誇りを壊された思いだ」と語り、裁判官には、「内閣が暴走し、国会が制御できなくなっている今、三権分立の最後の砦として、適正な判断を下して欲しい」と訴えました。
1時半に始まった尋問は15分の休憩を挟んで、5時まで続く長丁場でしたが、傍聴席の人たちは、原告の訴えに自分の体験と重ね合わせるように聞き入り、深い共感の空気の中、尋問は終了しました。
次回は5月11日の予定とのことです。原告の心からの訴え、司法への期待が、裁判官の良心に届くことを強く願っています。
「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
