老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

政治への参加は「無理ゲー」なのか

2024-05-19 21:28:30 | 民主主義・人権
「無理ゲー」という俗語がある。難易度が高すぎて攻略がほぼ不可能な(コンピューター)ゲームを指していたが、転じてゲーム以外の事柄にも用いられるようになり、実現や達成が無理だと想定されるほどに難易度が高いことを意味する語彙でもある。

各個人とその周囲の人々が日頃感じたことや気が付いたことを、住んでいる地域や国全体の制度面に反映させようとしても、住民の代表として議会に出席するまでの道のりがまさに無理ゲーと言わざるを得ない。

各自治体の住民あるいは国民を代表して話し合いの場に参加する議員になるためには、立候補する時点で高額な供託金を要求される。売名行為や泡沫候補の乱立を防ぐことが目的のようだが、訴える政策や目指すビジョンなどよりも先に必要な金銭を調達できる人が立候補している印象があり、抑止効果があるのか疑問である。また、法定得票数に達していない場合には全額没収されるため、立候補をためらう人も相当数いるのではないか。

実現不可能で達成困難であると思わされるのは、狭義の制度面だけの問題ではないだろう。

「現職・世襲・男性」が優先される不透明な候補者の選考過程も、様々な立場やバックグランドを持つ者の参入を阻んでいる。方針や政策を決定する場に、多様なキャリアを持つ人が入りにくい仕組みが問題視されるべきだ。

さらには、時間も金も犠牲にして選挙戦に臨み、仮に落選した場合でもその後の受け皿がない。

二階俊博氏の三男が次期衆院選に地盤を引き継いで立候補すると聞いた際に、やはり一定の条件を兼ね揃えた人しか意思決定の場には参加できないのかと愕然としてしまった。

弱みや隙を見せたがらない男性中心の社会では、現職の国会議員が入院治療中であると公表すれば職責を十分に果たせないと判断され、一般には不利に働くはずだ。しかし、今回の二階氏の場合には、息子による「世襲」を正当化する理由づけになるだろう。

納税額や性別を問わず誰もが一定の年齢になれば投票できる点では平等に権利を与えられている。だが、代表民主制の代表者になるための条件があまりにも限定され過ぎていて、やはり無理ゲーと言わざるを得ないのではないか。

「護憲+コラム」より
見習い期間

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