老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「どうしたらいいのか、分からない」・・・その後

2012-09-09 12:36:14 | 社会問題
コラム「どうしたらいいのか、分からない」のその後ですが、支援施設に置いて行ったのか忘れて行ったのか、薬の袋から連絡先が分かりました。しかし…地元の担当者に状況を伝える以外に、出来ることはありませんでした。ケースワーカーが状況把握をしてくれれば…と願われます。

この件で、別の施設運営者と話したのですが、その施設が彼を受け入れかけたのは、能力を超えていたと言っていました。何かあった時にどこまで責任が取れるのか…ということのようです。

以前、うつ病の人がやはり、どうしても一人でいられなくなったという状態に陥り、何とかならないかという相談を受けたことがあります。その自治体の公的な宿泊施設に電話をかけ続けたのですが「診断書が必要」「事前申し込みを」とか、断られ続け…家に泊めました。マンションなので、万が一窓から…という心配をし続けた何日か。もしそんなことがあったら、非難されるだろうナと思いつつでした。

その後、自治体の障碍者福祉の委員会で「緊急の場合の滞在施設」を要求したのですが、なかなか実現しません。つまり、すぐの時には、役に立たない公的支援…。今回、泊めた支援施設も、何かあったら非難を浴びたことでしょう。しかし、本人を前にして、その夜、他にどんな方法があったというのでしょうか…。

名無しの探偵さんがおっしゃるように、公的機関に実際に即した救済のシステムを粘り強く要求していくとともに、それが動くまでの間を埋めるにはどうしたらいいか…。

パンドラさんがおっしゃる、支援の手と、それを振り払う自由と、見守りと、振り払われても支えなくてはならない時と。ケース・バイ・ケースの柔軟さと共に、判断力も、情報収集能力も、資金力も必要…と考えては、やはり、どうしたものかと思いあぐねてしまいます。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
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野田首相の常識を疑う

2012-09-08 10:28:23 | 民主党政権
通常国会が実質閉幕した今夕(9/7)、野田首相は首相官邸で記者会見を開き、民主党総裁選再出馬を表明した。しかしその会見では、先に自民党谷垣総裁と交わした消費税増税と社会保障の一体改革法案が成立した暁には、「近いうちに国民の信を問う」との言質は自ら反故にして、「やるべきことをやり、しかるべき時期に解散」にすり替えてしまった。

一方民主党若手が細野大臣を民主党代表選に担ぐ珍プレーは完全に失敗に終わった。担ぐ若手も担がれる細野氏も消費税法案と原発再稼働に賛成した議員であり、野田首相の路線に直近まで賛同してきた議員である。何をもって野田首相に対峙するのか、まったく大義のない御輿であった。

それでも細野氏が辞退表明するまで一定の支持が集まる雰囲気をかもした。何がそうさせたのか、野田首相では次の衆議院選挙で国民の支持は得られないとの危機感である。細野氏が代表選出馬を辞退してから4人の中堅、ベテラン議員が代表選出馬を表明していることを見ても、選挙での危機感がいかに民主党内を覆っているか察しが付く。

これらの議員は野田首相の消費税増税、原発再稼働に反対してきた議員であり、細野氏と違いそれなりの代表選出馬の大義と理由はありそうである。遅まきながら野田首相も両院議員の反野田の多さにやっと気がついた様である。それに党員、サポーターの反野田勢力を加えれば野田首相も代表選が終わるまでは針のむしろであろう。

しかし仮に野田氏が再度民主党代表となり首相を続投しても、秋の臨時国会を乗り切れるのか全く先が見えない。自公が不信任案を出し他の野党が賛成に回り、数名の民主党議員が造反すれば内閣不信任案は可決される。またその可能性は高い。その場合野田首相が解散総選挙すれば民主党惨敗は確実であり、それを承知で解散はできまい。

おそらく総辞職して、民主党は両院議員総会を開いてまた代表選で新代表を選び、誰かが選挙管理内閣を組閣して、重要法案(赤字国債発行法案、1票格差是正法案)成立と引き換えに解散をせざるをえまい。こう見てくると野田首相が今総辞職して民主党代表選を実施した方がベターであり、野田首相の洞察力を疑わざるを得ない。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年
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コラム「どうしたらいいのか、分からない」を読んで

2012-09-07 10:52:11 | 社会問題
「どうしたらいいのか、分からない」というコラムであるが、私も大阪精神医療人権センターというNPO法人の会員を2年ほど経験したことがあるので、珠さんが提起した問題にコメントしたい。

私が参加した上記の人権センターでは、当時大和川病院事件が起こっており、警察や検察はこの病院を詐欺罪で起訴していた。(患者の治療と偽り、治療行為がないのに不当に利益を得ていたというものだったろうか。)本当は患者に対する虐待が数多く見られ、人権センターの弁護士は暴行や殺人などで告発していたのであるが。

本件コラムに戻ると、最初に結論を言えば、私たちの社会はこの障害者を保護する手立てや人権救済のプログラムも碌に持っていないシステム(あるいはその不在)の中に居るのかという疑問であった。珠さんの報告に何度も出てくるのは、大きな病院の‘急迫性や入院させる必要性がない’という「判断」である。

また、珠さんたちのグループもこの障害者を見失ってしまうのだが、それも保護や救済のプログラムが整備されていないからではないだろうか。疑問なしとはいえないのである。

とにかく、精神医療の領域では未だ基本的な救済システムすら整備されていないのではないだろうか。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
名無しの探偵
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コラム拝読しました。「どうしたらいいのか、分からない」・・・これは私が知っている、「ひきこもり、不登校」の会でも悩ましい問題ではあります。支援の手を差し伸べても、それを拘束、縛りと感じて振り払って去っていく人達。せっかくフリースーペスなどに行き始めても、違和感を感じ通わなくなってしまう人達。

「支援の手を振り払うのが悪い」と言ってしまえばそれまでですが、支援、行政のシステムからもこぼれ落ちてしまう人達は何処まで落ちていくのでしょうか。

ひきこもりは、早急に医療とつなげるべきか、という問題もあります。私が知っている事例では、家族が医療とつなげず、支援者や親の会とつながり、すこしづつ、当事者も家族も楽になった場合もあります。ただし逆に家族だけで抱え込み、家族、当事者が共倒れになった場合もあります。また、医療につながる事で事態が急展開し、当事者、家族共らくになった場合ももちろんあります。

医療につなげるのも、支援を受けるのもケースバイケースなのですが、「どうしたらいいのか」と「ケースバイケース」の間を、この世界に関わっている人達は何時も揺れ動いています。

行政も「若者自立塾」とか「就労支援」とかいろいろなシステムを構築し、支援をしているようですが、それがひきこもりや不登校の人達に届いているのでしょうか。

そんな中で最近は、ひきこもりの当事者達がすこしずつ始めている「当事者研究」があります。

勝山実さん、丸山康彦さん方が細々と声をあげ始めています。
http://www.futoko.org/special/special-30/page0823-708.html

不登校に関しては「オルタナティブ教育を実現させる会」の人達が中心となって、子ども達が自由に選べる教育システムの構築を行政に働きかける動きがあります。

声をあげることが出来ない人達、声をあげることを諦めてしまった人達。時には、おせっかいなくらいの方法で手を差し伸べる事も必要ですし、よちよちとつかまり立って一歩、一歩歩いていくのを見ながら、かたわらで寄り添う事も必要でしょう。

当事者にとっても、親にとっても、また支援者にとっても、これと言った特効薬はないけれど、「ケースバイケース」と「どうしたらいいのか」の間を揺れ動き、試行錯誤しながら生きていくしかないのでしょうね。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
パンドラ
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緑の党の結成宣言

2012-09-06 17:26:24 | 政治
志村建世さんのブログで緑の党の結成宣言を読んでとても共感しました。

以前中村敦夫さんが「みどりの会議」から参議院選挙に出て、90万票とって落選しました。そのとき1票を入れたので苦い思い出としてよく覚えています。

今度の選挙では国会に1人でも送れるでしょうか?

谷岡郁子さんたちの「みどりの風」にも期待しています。

いろいろ問題はあっても、なんとか脱原発勢力(&護憲勢力)が選挙協力をして自公民+維新に対抗してほしいと思っているのですが。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
コナシ

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「どうしたらいいのか、分からない…」

2012-09-04 16:32:32 | 社会問題
精神障害者の当事者・家族・支援者が、月1回集まって話し合う会がある。毎月新しい人が加わるが、先月も新しい顔を見かけた。話を聞くと、いくつかの身体的・精神的障害が重複している。1人住まいで親とも連絡を取れないという。

数日前から、部屋に1人でいると猛烈な不安に襲われてしまい、居られなくなった。都心部に来て支援施設を頼ったが、お金もなく「どうしたらいいか、分からない」とつぶやくばかりだ。話を聞いていくうちに、薬も持って来ていなくて、昼も夜も飲んでない。

それでは、発作が起きるといけないから病院に行って、薬だけでも貰って来よう。強い不安で1人ではいられないというのだから泊まるところも探さなくてはならないし、緊急入院させてもらえないか、ともかく手持ちの病院のカードの中から、必要な薬が揃いそうな大病院に連れて行くことにした。

誰が一緒に行くかで、ハタと困った。今日は司会を請け負っており、席を外せそうもない。すると、当事者の女性と男性が名乗りを上げた。「病院には馴れているし」「薬のことなら、かなり分かるから」と。

昼食も夕食も食べていないというので、食事を買ってきて食べてもらい、とりあえずのタクシー代にとお金を渡し、病院に連れて行ってもらった。しかし、病院では薬は出してもらえたものの、緊急性はないと、入院の適用にはならなかった。

その夜は、支援施設が受け入れてくれることになり、男性の当事者2人が「一緒に泊まってあげるよ」となった。タクシー代を引いて残った額をそのまま渡したが、施設の人によると「煙草を3箱も買ってしまって…」。パンかお握りを買うお金と、家までの交通費は残しただろうか。

その翌日、別の病院を訪ねて入院を打診したが、そこでも断られてしまい、支援施設に戻った。そしてその後、彼はフッと居なくなってしまった。携帯は持っていなかったし、住所もまだ聞いていなかった。名前も名字だけしか知らない。病院に尋ねても家族ではないので、個人情報保護で何も教えては貰えない。

生活保護で暮らしていると言っていたから、かろうじてセーフティ・ネットには引っかかっているという状態か。担当職員は、時々連絡を取るだろう。しかし、1人で不安だと言っても、誰か泊まってくれるとも、何らかの対応をしてくれるとも思えない。

「どうしたらいいか、分からない」とつぶやく声と、心細そうな顔だけを、心に残して消えてしまった。私も「どうしたら良かったのだろうか、分からない…」とつぶやく。

「護憲+コラム」より

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政局話(2)

2012-09-03 14:53:30 | 政治
最近のTVの政治報道は、大阪維新一色。まだ【政党】にすらなっていない一地方の政治団体の一挙手一投足を微に入り細を穿つように報道する。この情況には既視感(デジャブ)がある。そう、小泉首相時代の【郵政選挙】である。

その一方で自民党総裁選の情報も騒がしい。やれ、安倍だ、石原だ、石破だ、町村だ、谷垣だ。自民党といっても所詮野党。その野党の総裁選がこれほど報道される。理由は明快。誰も次の選挙で民主党が勝つとは思っていないからだ。民主党が勝てないなら、消去法で次は自民。その総裁は、次の総理大臣。だから、自民党の総裁選を報道する。まあ、こんなところだろう。

では、なぜ、大阪維新なのか。それも単純明快。民主党も勝てないが、自民党も大勝しない。おそらく、現在、国民の間に渦巻いている既成政党不信を考えれば、どの政党も過半数を取れないと予想される。そうなると、第三極として、大阪維新が大躍進するに違いない。だから、維新の一挙手一投足がニュースになる。

ここまでは、誰にも容易に想像がつく。ここからは、メディアの思惑。(狙い)

まず、大阪維新と自民党、公明党を組ませる。そうなると、過半数はもちろん、2/3も夢ではない。その為に、公職選挙法に抵触しない時期に、次に勝たせたい政党を徹底的にメディアに露出させる。それも、政策話ではなく、政局話に集中させる。(人間ののぞき見趣味を徹底的に刺激する) その裏側で国民に都合の悪い法律(人権法案やACTÅ法案など)を成立させ、反政府的言論(ネットを含む)弾圧の準備をする。
http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-1653.html

当然、ACTA法案なるものは、TPPと抱き合わせ。反TPPや反原発、反消費税議論は徹底的に封殺される可能性がある。こうすることによって、大手メディアに都合の悪い議論、不都合な真実を暴くネット議論の封殺を計り、国民を政府の都合の良い方向に誘導できる。

つまり、現在の政治状況は、政友会、民政党の対立により、政治が全く機能せず、首相が次々に変わっていった昭和10年代の政治の閉塞状況に酷似している。同時に、権力の御用機関に堕したメディアの腐敗堕落も相似形である。このような状況下で何が起きたか。結局、超国家主義的政権(丸山真男説)に傾斜し、太平洋戦争に突入、300万余の命を犠牲にし、荒野と化した国土を生み出した。

戦前の悪夢をもう一度繰り返しかねない政治状況。橋下維新は、その露払いだと言える。
“ 面白うて / やがて悲しき / 鵜飼いかな ”

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
流水
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共産党と社民党への期待

2012-09-02 22:21:40 | 選挙
今朝9時からのNHK日曜討論は、民主党を除く各党党首に司会者が今後の政局について個別にインタビューする内容であったが、その内容が一番分かりやすく、正当なのは、社民党の福島党首と共産党志位委員長の話であったように思う。

しかし両党ともここまで党勢が衰え国会議員が少なくなると、いくら良いことを唱えても、国会での党首討論の権利も得られず、予算委員会での質問時間も限られる。国民には所詮両党の政策の実現は不可能と映り、その政党へ期待したくとも期待できなくなっているのが現状であろう。

橋下大阪市長を見習えとは言わないが、両党には国民を惹きつける何らかのパフォーマンスが不可欠である。社民党には日本は永世中立国を目指すことを掲げ、内政・外交・防衛・社会保障の在り方を示して欲しい。共産党の訴えは的確と思うが、なぜ議席が伸びないのか、その党名が国際的に悪名高く、国民に嫌悪感を与え、得票と議席の伸びが縛られているためと観る。

一方大阪維新の会が脚光を浴び期待されているのは、既存政党の体たらくのせいであると言われるが、これは民主党、自民党だけのことではなく、社民党、共産党また然り。民主党、自民党の凋落はごく最近のことであるが、社民党、共産党の凋落をもっと早くから始って今日も続いているのある。

このことを肝に命じ、国民をアッと言わせるパフォーマンスを見せて欲しい。それでも次の衆議院選には間に合わず、さらに議席減であろう。それに猛省して来年の参議院選には間に合わせて欲しいものである。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年
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漫画政局と迫りくる日本沈没の危機

2012-09-01 13:22:11 | 政治
野田首相に対する問責決議案が成立。自民党が「国民の生活が第一」をはじめとする七党案(消費税増税反対と民自公三党合意に対する厳しい批判が骨子)に賛成するという漫画家でも描く事をためらう茶番を演じたためである。学生運動が華やかな時代なら「自己批判」を迫られる事が必至な自己矛盾に満ちた自民党の決定を見て、時代に取り残されていくこの党の終焉を予感した。

民主党も民主党で【解散恐怖症】もここまで来ると喜劇としか言いようがない。マニフェストを投げ捨てて恬として恥じなかった連中も【選挙】が現実に迫ると、国民の心に渦巻いている騙されたという【怒り】の大きさに厭でも気づかざるを得ないのだろう。

たしかに【理念】とか【大義】などというものは、現実政治の文脈では一文にもならない。現実的対応とか効率性という視点からみると、邪魔にしかならない存在かもしれない。しかし、このように一見邪魔になったり重荷になったりする【理念】こそが、人間の知恵の源泉になる、というメカニズムを彼らは知らない。

「いじめ問題」を例に考えてみよう。今、メディアで語られている【いじめは暴力】=【犯罪】という視点は、もっともらしく聞こえる。「大津いじめ自殺」事件のように警察が介入、刑法犯罪として捜査・立件するという手法は、事件解決の現実的対応としては効率的であろう。しかし、この手法が「いじめ問題」解決の切り札になるかと考えれば、誰が考えてもNOだろう。

ではどうすれば良いか。ここで問われるのが、教育に対する理念である。わたしの考え方を少し単純化して語れば以下のようになる。

★教育は一体誰のためにあるのか。⇒①国家のため②社会のため③親のため④子供本人のため
まず、ここを明確にしなければ、それに伴う手法も決まらない。日本では常に①の【国家】のためという【理念】から外れた事はない。戦後の教育基本法の理念は、①より②にかなり傾斜していたが、安倍内閣時の改正で明確に①に修正された。

実は、「いじめ問題」が顕在化しはじめた時期は、日本における教育方向が、【分かる教育】から産業界の強い要請により【できる教育】へと転換した時期と重なっている。つまり教育理念が②の社会のためから①のため、つまり国家政策【産業立国を支える人材育成】へと転換しはじめた時代から「いじめ問題」は顕在化しはじめたのである。

あまり知られていないが、「ゆとり教育」とは、①に過剰に傾斜しはじめた教育理念を教育基本法【改正前の理念】=②に引き戻そうという狙いで行われた。「ゆとり教育」批判は、従前通り①(国家のため)という教育理念に引き戻そうという勢力により激しく行われたと整理できる。

「いじめ問題」は、様々な要因により引き起こされるので、全てを上記の要因で割り切る事はできないが、教育理念問題を抜きにした【いじめ問題」の解決はない、という事をわたしたちは肝に銘じなければならない。

わたしの持論だが、【社会の矛盾はもっとも弱いところに表れる】。だから、最も社会の弱い場所の一つである【子供社会】で顕在化する問題(いじめ問題に代表される)は、わたしたちの社会の鏡であり、わたしたちの社会が包含している問題が最も先鋭的な形で表れると考えなければならない。たとえば、非正規雇用労働者問題、貧富の格差問題、高齢者問題、医療問題など社会の各場所で顕在化している【差別問題】の鏡の一つとして【いじめ問題】がある、という認識に立たなければ、【いじめ問題】の本質に迫る事はできない。

②の社会のため、④子供のため、という教育理念にたった教育を行おうとすれば、厭でも文部省=国の①の国家のためという教育理念と衝突せざるを得ない。それだけではない。③の親のため、という理念とも衝突する。親も千差万別。実は、現在の教師・学校にとっては、【親】が最も手ごわい敵であり、最も説得するのが難しい。

この困難な情況をどう克服するか。教師や学校が本当に②や④の理念を実現しようと考えて初めて様々な【方法・手段】が工夫できる。この苦労が人間の【知恵】を磨くのである。その苦労を厭う人間や学校は、最初から楽な①の理念=(国のため)を何の疑問もなく(というより自らの保身のためと言った方が良いかも知れない)に傾斜し、自らの失敗の責任を回避する。このような教師・学校の精神的退廃が顕在化したのが、今回の大津いじめ自殺事件だと考えられる。

しかし、民主党政権や政治家がこの「大津いじめ自殺事件」を批判するのは、「天に唾する行為」だと気づかねばならない。民主党政権のマニフェスト廃棄は、民主党一人一人の政治家の理念の弱さ=無さが、最大の原因だ。上記のように自らの理念を廃棄し、官僚の書いたシナリオ通り行動すれば、苦労は少ない。金も地位も名誉欲も満足される。しかも、自らの行為の責任を深く悩まなくても済む。多くの議員がそのように考え、楽な道を選択した。その結果、国民から【大嘘つき】という怒りの言葉を投げつけられている。何をどうしたら良いか分からず、その前に立ちすくんでいるのが、現在の姿だ。この姿は、「大津いじめ自殺」を起こした教育委員会・学校・教師の姿と同じである。

【理念】の喪失は、その場では視えないが、かくも大きく無惨な結果を招く。民主党政権幹部や自民党幹部たちの醜態は、政治の原点―【一体誰のために政治はあるのか】という【理念】を自らに厳しく問い、常にその【理念】実現のために自らを厳しく律するという人間としての原点を忘れさった人間たちが演じているグロテスクな喜劇(国民にとっては悲劇)である。

同様な事は、大阪維新の連中にも言える。一見風雲児のように見える【維新の会】だが、安倍晋三との連携を言い出した時点で、自民党の補完勢力としての正体を明らかにした。

彼らの正体を一言でいえば、以下の俳句に尽きる。
“面白うて  やがて悲しき  鵜飼いかな”

国民は、次回の選挙の選択が、上の【俳句】のようにならないためにどう行動するか、真剣に考えなければならない。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
流水
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