その中年男性は手足を動かせず、目の動きでしか意思を伝える事が出来なかった。
「閉じ込め症候群」の状態。この病気はとても残酷な者です。
医師が病室で壁を目にすると、俳句の紙が貼られていました。
病に直面しながらでも患者さんが詠んだものです。
「ああ 飽きた 寝たきりに どうしよう」
「パイン 味噌汁 アンパン せんべい 甘酒 レ-ズン」
二つ目の句は、自分が食べたつもりの物を並べたのでしょう。
言葉というのは本当に不思議です。
それぞれの人生経験を経て一つの言葉が発酵熟成するそうです。
良い言葉は人生を変えてくれます。逆に一生懸命生きる事で
良い言葉が生まれます。
”言葉”と”人生”は、行ったり来たりです。