父の日

　　今日は「父の日」だそうだが、私はすでに父親がいないし、子供もいないから父親でもない。私の父親が亡くなったのは、今から12年前。1998年11月のことだった。享年73歳。そういえば、今年で13回忌になる。正直言って父親の印象は、朝から晩まで働いていたイメージだ。八百屋を営んでいたから、朝早く、夜は店から帰って来ると食事を取って、すぐ寝ていた。だから一緒に食事をした記憶はないし、どこかに遊びに連れて行ってもらった記憶もない。そんなわけで会話らしい会話もしたことがなかった。
　もっとも少年時代からプロレスに異常な興味を持っていたから、父親の存在は気にしたことがない。その分、最初は叔父さんがプロレスを見に連れて行ってくれたりもした。そんな父親が1度だけ、直接電話してきたことがあった。内容は家族問題で、「このままでは、我が家は崩壊してしまう。なんとかしてくれ…」というものだった。その問題は私の力が無くても解決したようだが、あんな弱気な父親の声は聞いたことが無かったのだ。また、私が本を出した時は、店に来るお客さんによく見せていたそうだ。まあ、私は親不孝な息子だったが、亡くなった年にアルシオンを旗揚げしたから、いいイメージのまま天に旅立ってくれた。それにしても最近、なんとなく父親に風貌が似てきたのは気のせいだろうか…？