今年、出会ったルチャドール①シルバー・キング

　今年も1カ月とちょっと。幸いにも多くのルチャドールと遭遇し、親交を暖めた。そこで彼らとのツーショットを披露し、一方的なメッセージを送ります。

　シルバー・キングことセサールとの付き合いも、かれこれ18年になる。お互いにまだ髪の毛が、ふさふさしていた若き頃からだから、ある意味で腐れ縁かも。父がドクトル・ワグナー、兄がワグナーJrという名門の出で、それこそ10代でエストレージャの仲間入りをした（現在40歳）。だが父や兄のように、本当のトップには上り詰めていない。それは一つの名前に定着していないからだ。
　マスクマンのシルバー・キングに始まり、ドクトル・ワグナーJr（日本限定）→オンブレ・デ・ネグロ→ブラック・タイガー→ブロンコ→ラムセスとそのたびにマスクを変え、生き延びてきた。そして今もってマスクを愛用する。
　性格は典型的なやんちゃな次男坊。昔から相当、女を泣かせてきた。「子供が出来ないようにパイプカットしたよ（笑）」と言っていたことがあったが、それはジョークそのもの。
　そんなセサールが全日本プロレスで、中嶋勝彦を破り伝統の世界ジュニア・ヘビー級王座を奪取した。今、丸藤が持っているベルトである。この写真は3月1日、両国大会でチャンピオンになった直後。「オガワ！オガワ！」と叫びながらバックステージに帰ってきたのだ。日本でようやく実力が開花した瞬間だった。