”鉄の爪”フリッツ・フォン・エリックは昭和の匂いが強烈に匂うレスラーだった。必殺のアイアン・クローはまさに、水戸黄門の印籠のような究極のフィニッシュ。右手で相手の顔面を鷲摑みする単純な技だが、その体勢に入っただけで場内に戦慄が走る大迫力。そして何より男のダンディズムがあった。
笑わない、冷徹、非情、そんなフレーズがピッタリだが、それが妙に強さとかっこ良さをかもし出していた。日本ではジャイアント馬場の敵役だが、アメリカのダラスでは著名なプロモーターでもあった。息子たちも出世したが、次々に他界。まるでプロレス界のケネディ一家のようだった。
緊急告知!携帯サイトの「昭和プロレス殿堂」で12月から、定期的に執筆することになりました。12月4日から毎週木曜日更新で、4回あるレスラーを短期連載します。良かったらみてください!