Yes We Can

　　後楽園ホールで開催された「Yes We Can」は、里村明依子の優勝で幕を閉じた。里村の充実ぶり、迫力、品のあるたたずまい、すべておいて誰よりも勝っていた結果だった。おそらく現在の女子プロレスにおいて、高橋奈苗と里村の二人は双璧な存在。心身からそれを感じるし、何よりも勢いがある。この勢いは重要で、時として何も恐れない。
　優勝した里村はセンダイガールズを背負ってきた。準優勝の永島千佳代が心労で2キロ痩せたエピソードを語りながら、涙ぐんだのも里村の人柄故。強さと優しさは、プロレスラーの見本みたいな感じだ。
　観客は正直言ってけして多くはなかった。でも、これだけの選手を束ねることは、正直言って難しい。それぞれにプライドもあるし、だが全員を満たすことは出来ない。願わくば、最後は出場者の記念撮影が欲しかった。なぜなら、後にその1枚の写真があれば、大会を物語れるからだ。何でも自分の出番が終わったら、帰宅した選手もいたという。負けても大会を盛り上げる気持ちが必要。それは主催者側の意図が十分に伝わっていなかったのかも。それも含めて大会なのだ。