働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

これからの労働時間制度に関する検討会(第14回)

2022年05月27日 | 裁量労働制
これからの労働時間制度に関する検討会(第14回)
裁量労働制など労働時間制度見直しを議論する厚生労働省の有識者会議「これからの労働時間制度に関する検討会」の第14回会議の案内が本日(2022年5月27日)厚生労働省のサイトで案内された。

日時:2022年5月31日
場所:厚生労働省省議室
議題:労働時間制度について

なお、「労働時間制度について」という議題は、第9回会議(2022年1月31日)につづいて2回目となる。

第9回 これからの労働時間制度に関する検討会 議事録(厚生労働省サイト)

第14回 これからの労働時間制度に関する検討会開催案内(厚生労働省サイト)

これからの労働時間制度に関する検討会(厚生労働省サイト)

これからの労働時間制度に関する検討会 第14回資料
これからの労働時間制度に関する検討会 第14回資料「第9回検討会の構成員の主なご意見]には、労働者の健康確保に関して「安衛法の労働時間の状況の把握、医師の面接指導等はエビデンスベースであるので、これを土台として、健康確保措置を考えていく必要があり、労基法・安衛法で考え方を統一していくべきではないか」、「働く方の安全のためにしっかりとした労働時間の状況の把握をしていると、健康管理を適切にできるのではないか。一方で、厳密な労働時間の管理が、制度の趣旨に合わない場合もあり、規制が創造的な働き方を阻害してはいけないのではないか」、「現状は個々の要因で健康管理のリスク評価がなされているが、将来的には総合的なリスク管理とその評価を目指していくことが考えられるのではないか」、「働き過ぎに対する歯止めをかける仕組みとして、時間の長さに着目した規制をかけるケースが増えており、使い方次第では柔軟な働き方の足かせになってしまう。直接的な健康被害が大きくなっている場合の対応としては、勤務制限を実現できる労働時間規制が重要だが、予防的な色彩が強い場合は色々な手段が考えられるのではないか」、「労働時間管理は健康確保から出発している。どういう働き方であっても健康を害することがあってはいけないというのは大前提。健康リスクをチェックするために様々なアプローチがあるが、管理監督者含めて労働時間の状況の把握が入った。絶対的に睡眠時間がとれないという状況は許容できないが、様々な健康リスクのコントロール要因を考慮して対応していくべきではないか」、また「いわゆるつながらない権利について、生活の充実とあわせて考えてよいのではないか」と記載されている。

これからの労働時間制度に関する検討会 第14回資料(厚生労働省サイト)

追記:規制改革推進会議「規制改革推進に関する答申」
内閣総理大臣諮問機関・規制改革推進会議の第13回会議が先週の金曜日(2022年5月27日)にオンライン開催されたが、議題は「規制改革推進に関する答申(案)について」。そして、規制改革推進会議開催後、「規制改革推進に関する答申」が内閣府サイトで公表された。

内閣府サイトで公表された「規制改革推進に関する答申」には「3.人への投資」「(3)柔軟な働き方の実現に向けた各種制度の活用・見直し」の中に「ア 労働時間制度(特に裁量労働制)の見直し」という項目がある。

3.人への投資
(3)柔軟な働き方の実現に向けた各種制度の活用・見直し
ア 労働時間制度(特に裁量労働制)の見直し

【a:令和4年度中に検討・結論、結論を得次第速やかに措置、b:令和4年度検討開始】

<基本的考え方>
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)により、罰則付きの時間外労働の上限規制や高度プロフェッショナル制度が設けられ、働く方がその健康を確保しつつ、ワークライフバランスの実現を図り、能力を有効に発揮することができる労働環境整備が進められているところであるが、裁量労働制については、時間配分や仕事の進め方を労働者の裁量に委ね、自律的、創造的に働くことを可能とする制度であるものの、対象業務の範囲や労働者の裁量と健康を確保する方策等について課題が指摘されている。
現在、厚生労働省では裁量労働制実態調査の結果を踏まえて制度の見直しに関する検討が行われているが、その際、上記の労働環境整備の趣旨を踏まえれば、裁量労働制だけでなく、それ以外の労働時間制度も含めて、その在り方について広く検討することが求められる。
また、労働基準法(昭和22年法律第49号)では、事業場単位で労使協定等を
締結することとされ、届出等も原則「事業場単位」で行われているが、本社主導で人事制度を検討・運用する企業もある中、「本社一括届出」が可能とされている手続は就業規則や 36 協定等に限定されている。また、各種届出は電子申請が可能とされているものの利用率が低く、より企業の利便性を高める必要がある。
以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。

<実施事項>
a 厚生労働省は、働き手がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる環境整備を促進するため、「これからの労働時間制度に関する検討会」における議論を加速し、令和4年度中に一定の結論を得る。その際、裁量労働制については、健康・福祉確保措置や労使コミュニケーションの在り方等を含めた検討を行うとともに、労働者の柔軟な働き方や健康確保の観点を含め、裁量労働制を含む労働時間制度全体が制度の趣旨に沿って労使双方にとって有益な制度となるよう十分留意して検討を進める。同検討会における結論を踏まえ、裁量労働制を含む労働時間制度の見直しに関し、必要な措置を講ずる。

b 厚生労働省は、労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号)上の労使協定等に関わる届出等の手続について、労使慣行の変化や社会保険手続を含めた政府全体の電子申請の状況も注視しつつ、「本社一括届出」の対象手続の拡大等、より企業の利便性を高める方策を検討し、必要な措置を講ずる。(「規制改革推進に関する答申」41頁~42頁)


規制改革推進に関する答申(全文)(PDFファイル)


最新の画像もっと見る