この間からマンションの廊下で羽アリがたくさん来ています。少し調べてみようと思って、♂有翅アリを2匹捕まえてきて調べてみました。
捕まえてきたのは7/15に見つけた、たぶん、この♂アリです。結構、小さいのですが、こんな格好でじっとしていたので、そのまま捕まえてきました。
体長を測ってみると、4.2mm。♂有翅アリの属までの検索表は「日本産アリ類画像データ」に載っています。それを使ってみました。
①大顎は頭長より短い;頭幅は頭長の2倍に達しない
②頭部正面から見て,額隆起縁は不明瞭,もしくは後方に向かって広がる,もしくは左右の触角挿入部の間で水平に交わる;ほとんどの場合亜生殖板末端の突起は1つで,まれに3つ以上
③腹柄節は1節
④側面からみて触角挿入部は大あごとは離れたところに位置する;頭盾は消失しない;ほとんどの場合額隆起縁をもつ
⑤大顎は縮小またはそしゃく縁の歯は相対的に粗い;背方からみた腹柄節は横に広がらない
⑥腹部第2節前板は腹部第1節に覆われて隠れる;楯板小楯板線は単純 ヤマアリ亜科
まずは亜科までの検索です。検索するとヤマアリ亜科になったので、必要な項目だけを抜き出すとこのようになります。これを顕微鏡写真で確かめていきたいと思います。番号順に見ていけばよいのですが、同じ写真が何度も出てくるのが煩わしいので、図ごとに見ることにします。
最初は頭部の写真です。ここで確かめるところはたくさんあります。①はヒメサスライアリ亜科という大顎がやたら大きな亜科を除外する項目なので、まず問題ないです。②はクビレハリアリ亜科という額隆起縁が後方で交差する亜科を除外する項目です。これも大丈夫でしょう。④は触角挿入部の位置ですが、大顎からは十分に離れています。また、頭盾は消失していません。これはムカシアリ亜科を除外する項目です。⑤は大顎のそしゃく面に細かいのこぎり状の歯をもつカタアリ亜科を除外する項目です。これも大丈夫でしょう。
③はフタフシアリ亜科などの腹柄節を2節もつ亜科を除外する項目です。これもOKです。
この写真は⑥を確かめるために撮った写真です。まず、腹部第2節前板は腹部第1節に覆われて隠れるというのは水色矢印で示すように第2節の前板が見えないことで確かめられます。次の「楯板小楯板線」は「日本産アリ類全種図鑑」では「前中胸縫合線」のことだと思いますが、黄矢印の部分にハリアリ亜科などのように縫合線に沿った彫刻は見られません。また、⑤の腹柄節はカタアリ亜科のように「横に広がり,腹部第1節の前縁を覆う」ということはありません。
最後は②の亜生殖板についてです。これについては以前調べたことがあります(こちらを参照)。この写真は腹側から腹部末端を写したものです。以前撮ったものよりは不明瞭なのですが、亜生殖板の先端が二つに割れるということはありません。ということで、②はOKということになります。これでヤマアリ亜科まで達しました。これから先は次回に回します。
ついでに腹部末端を横からと真後ろから撮った写真も載せておきます。この形から種が分かると思うのですが、まだそこまでは達していません。
雑談)しばらく、マンションの理事会の仕事をしていて、虫調べから遠ざかっていました。4月になってやっとできると思ったら、コロナ騒ぎです。おまけに母の遺品整理まで重なってなかなか虫調べができませんでした。コロナは収まらないのですが、少しずつ再開していきたいと思います。
捕まえてきたのは7/15に見つけた、たぶん、この♂アリです。結構、小さいのですが、こんな格好でじっとしていたので、そのまま捕まえてきました。
体長を測ってみると、4.2mm。♂有翅アリの属までの検索表は「日本産アリ類画像データ」に載っています。それを使ってみました。
①大顎は頭長より短い;頭幅は頭長の2倍に達しない
②頭部正面から見て,額隆起縁は不明瞭,もしくは後方に向かって広がる,もしくは左右の触角挿入部の間で水平に交わる;ほとんどの場合亜生殖板末端の突起は1つで,まれに3つ以上
③腹柄節は1節
④側面からみて触角挿入部は大あごとは離れたところに位置する;頭盾は消失しない;ほとんどの場合額隆起縁をもつ
⑤大顎は縮小またはそしゃく縁の歯は相対的に粗い;背方からみた腹柄節は横に広がらない
⑥腹部第2節前板は腹部第1節に覆われて隠れる;楯板小楯板線は単純 ヤマアリ亜科
まずは亜科までの検索です。検索するとヤマアリ亜科になったので、必要な項目だけを抜き出すとこのようになります。これを顕微鏡写真で確かめていきたいと思います。番号順に見ていけばよいのですが、同じ写真が何度も出てくるのが煩わしいので、図ごとに見ることにします。
最初は頭部の写真です。ここで確かめるところはたくさんあります。①はヒメサスライアリ亜科という大顎がやたら大きな亜科を除外する項目なので、まず問題ないです。②はクビレハリアリ亜科という額隆起縁が後方で交差する亜科を除外する項目です。これも大丈夫でしょう。④は触角挿入部の位置ですが、大顎からは十分に離れています。また、頭盾は消失していません。これはムカシアリ亜科を除外する項目です。⑤は大顎のそしゃく面に細かいのこぎり状の歯をもつカタアリ亜科を除外する項目です。これも大丈夫でしょう。
③はフタフシアリ亜科などの腹柄節を2節もつ亜科を除外する項目です。これもOKです。
この写真は⑥を確かめるために撮った写真です。まず、腹部第2節前板は腹部第1節に覆われて隠れるというのは水色矢印で示すように第2節の前板が見えないことで確かめられます。次の「楯板小楯板線」は「日本産アリ類全種図鑑」では「前中胸縫合線」のことだと思いますが、黄矢印の部分にハリアリ亜科などのように縫合線に沿った彫刻は見られません。また、⑤の腹柄節はカタアリ亜科のように「横に広がり,腹部第1節の前縁を覆う」ということはありません。
最後は②の亜生殖板についてです。これについては以前調べたことがあります(こちらを参照)。この写真は腹側から腹部末端を写したものです。以前撮ったものよりは不明瞭なのですが、亜生殖板の先端が二つに割れるということはありません。ということで、②はOKということになります。これでヤマアリ亜科まで達しました。これから先は次回に回します。
ついでに腹部末端を横からと真後ろから撮った写真も載せておきます。この形から種が分かると思うのですが、まだそこまでは達していません。
雑談)しばらく、マンションの理事会の仕事をしていて、虫調べから遠ざかっていました。4月になってやっとできると思ったら、コロナ騒ぎです。おまけに母の遺品整理まで重なってなかなか虫調べができませんでした。コロナは収まらないのですが、少しずつ再開していきたいと思います。
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