1211号室に戻ると、松と平井はルームサービスの夕食をとっていた。俺達の分はなさそうだ。俺はベッドの上に買ってきた下着を放り投げた。
「やっちゃんも何か食う?」
松は悪びれなく聞いてきた。
「俺はまだいいや、後でザキと何か外に食いに行くわ。あの金使っていいんやろ?」
使わないつもりはまったくないが、とりあえず言ってみた。
「いいよいいよ、この件片付くまでその金で飯やら何やら要る物に使って」
平井の金なのにまるで自分の金のように話している。それを横で聞いている平井も何事もないような顔をしている。こいつら感覚がおかしい。金持ちと詐欺師の感覚は俺には理解し難い。
それからしばらくして松は用事があるので後を頼むと言い残し、1211号室をあとにした。俺にはこれからの長い時間が残された。
「ザキ、ほんなら俺達も飯食いに行こうや」
「いいですけど、兄さん、コイツどうするんですか?連れていくんですか?」
俺はベッドに放り投げた買い物袋の中からロックタイを取り出して振ってみせた。
「あー、そうゆう事ですね」
ザキはすぐに理解した。
俺とザキは手馴れた手つきで平井の手足をロックタイで縛り上げた。もちろん手は後ろ手だ。そして、その手と足首を縛っているロックタイどうしをロックタイで結束した。口には平井の持っていたハンカチを押し込み、その上からタオルで縛った。
「何も出来んやろうけど、おとなしくしとけよ平井」
俺は笑いながらそう言い、部屋のカードキーをポケットに突っ込んだ。
「やっちゃんも何か食う?」
松は悪びれなく聞いてきた。
「俺はまだいいや、後でザキと何か外に食いに行くわ。あの金使っていいんやろ?」
使わないつもりはまったくないが、とりあえず言ってみた。
「いいよいいよ、この件片付くまでその金で飯やら何やら要る物に使って」
平井の金なのにまるで自分の金のように話している。それを横で聞いている平井も何事もないような顔をしている。こいつら感覚がおかしい。金持ちと詐欺師の感覚は俺には理解し難い。
それからしばらくして松は用事があるので後を頼むと言い残し、1211号室をあとにした。俺にはこれからの長い時間が残された。
「ザキ、ほんなら俺達も飯食いに行こうや」
「いいですけど、兄さん、コイツどうするんですか?連れていくんですか?」
俺はベッドに放り投げた買い物袋の中からロックタイを取り出して振ってみせた。
「あー、そうゆう事ですね」
ザキはすぐに理解した。
俺とザキは手馴れた手つきで平井の手足をロックタイで縛り上げた。もちろん手は後ろ手だ。そして、その手と足首を縛っているロックタイどうしをロックタイで結束した。口には平井の持っていたハンカチを押し込み、その上からタオルで縛った。
「何も出来んやろうけど、おとなしくしとけよ平井」
俺は笑いながらそう言い、部屋のカードキーをポケットに突っ込んだ。