東京の北部、北区と板橋区の区界にまたがって、
かつて広大な敷地の陸軍施設の見学記。
昨日に引き続き煉瓦275棟です。
窓の上に施された絶妙なカーブ、
細かく段をつけた窓のスペーズのくぼみ、
そして木製の窓枠、
見れば見る程その美しさに惹き込まれて行きますが、
それはこの建物が兵器製造工場だったという、
罪を背負った建物だからかもしれません。
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公園の一角に静かに横たわる煉瓦の建物。
縦と横と高さのバランス。
壁面の三角の部分の中央につけられて丸窓、
遠目にみても絶妙な美しさです。
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左奥に写るのが自衛隊十条駐屯地の建物。
かつてはこの一体に、この257号棟同様の、
重厚で趣のある建物が建ち並んでいましたが、
いまでは全てが立て替えられています。
257号棟の北側には小さな児童公園があり、
休日は近所の家族連れでにぎわいますが、
そのむこうには自衛隊の駐屯地です。
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建物の東面の直ぐ横には、
巨大なコンクリの構造物が残っていますが、
果たしてこれがなにかを知る資料などは残っているのでしょうか?
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ところでこの特集のタイトルに使っている色使いですが、
これは陸軍の軍帽を参考にした色使いです。
カーキ色はヒンドゥー語、さらにはペルシャ語が語源らしく、
元々は「土埃」を意味する言葉だそうです。
明治三十八年 (1905) に陸軍の軍服色として採用されて以来、
一貫してこの色が使われました。
当初赤みがかった色みでしたが、
やがて青みがかった、いわゆるモスグリーンに近い色になり、
これが太平洋戦争での「国防服」の色にもなりました。
もう一色の重要な色が「赤」です。
普通「赤」というと共産圏の色を思い浮かべますが、
これはどうやら血を現す色のようです。
正確には赤ではなく「緋色」で、
緋色は赤よりやや朱にちかい色のようです。
緋色とカーキ色、個人的には絶妙な配色だと思います。
◆軍都 十条逍遙◆
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