黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

長崎さるく #12 宗福寺2

2009-04-27 04:22:59 | 長崎さるく
前回からアップしている長崎市の唐寺、宗福寺。
今日は境内をぐるっと見てみます。



長崎県にある3つの国宝のうちの2つが、
この宗福寺にある話は前回の記事でアップしましたが、
そのもう一つがこの本堂にあたる大雄宝殿です。
1646年創建のこの建物は長崎市内最古の建物だそうです。

中学の修学旅行以来いろなん国宝いろいろと見て来ました。
そして国宝と呼ばれるモノには一種の共通した雰囲気というか、
時間の年輪みたいなものを感じます。
同じ市内の国宝、大浦天主堂もキリスト教の施設でありながら、
京都や奈良の国宝寺院と似た匂いを感じるのは私だけでしょうか。
しかし、この大雄宝殿には<国宝らしい臭い>をあまり感じません。
極めて軽やかで、つい最近の建物のような印象です。







唐人屋敷跡に残る御堂では、
真っ赤なお供え台やコンクリートの床面など、
異文化の香りが紛々と漂っていましたが、
この大雄宝殿は内部もそれほど異国情緒を感じません。







唯一壁に並ぶ羅漢像はみなそれぞれ自由な姿勢をしていて、
大きさもそこそこあるので目を引きますが、
羅漢像は国内の他の寺院のものも、
けっこうリアルなポーズをしているものがありますね。







大雄宝殿の隣には媽祖殿があり、その手前に媽祖門があります。
至る所に筆文字の扁額がかかげられている光景は文字地獄です。
ここには額が3つしか写っていませんが、
奥には更にもう一つ扁額があります。







唐人屋敷跡の記事でも触れた、
海運の象徴として祀られる媽祖さまは、
ここでも祀られています。
媽祖さまはよほど厚い信仰の対象なのでしょう。







帰りがけに前回の記事でアップした三門を上から眺めてみると、
長崎の街並に突然表れた竜宮門の様子がよくわかります。

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