阪急電車ー片道15分の奇跡ー があす5日の夜TVで放映される。そんなことは知らなかったのでレンタル登録をしていたら数日前に届いてしまった。
久々にイイ映画を見たなー、鑑賞後にほんわりほにょりと心が温かくなる作品だった。
この映画は2011年4月に公開されたもので、原作は、「阪急電車」有川浩さん(幻冬舎文庫)で、監督は三宅喜重(みやけ よししげ)さん。
出演は、中谷美紀 戸田恵梨香 南 果歩 谷村美月 有村架純 芦田愛菜 小柳 友 勝地 涼 玉山鉄二 宮本信子(敬称略)
サブタイトルにー片道15分の奇跡ーとあるのだが、奇跡はちょっと大げさ過ぎる表現ではないかと思ったが、劇場に足を運んでもらうためにはこれくらいのインパクト(強い印象)のある言葉が必要なのかもしれない。
奇跡という言葉は、妙に人を魅了する。少なくとも私は「奇跡」といわれる事象を見ることは叶わないが聞くのは大好きだ。
奇跡を国語辞典で調べると「常識で考えては起こりえない、不思議な出来事・現象」「キリスト教など、宗教で、神の超自然的な働きによって起こる不思議な現象」とある。
なので、この国語的意味からすると、映画のサブタイトルは私的には映画の内容と照らし合わせると、少々大げさではないかと思った。
奇跡というより、人間的な暖かいものをこの映画は伝えていると思う。
もっとも最近の世の中では、他人との関わりが希薄になっており、見て見ぬふりがフツーになっているようだから、映画の中の出来事は奇跡というにふさわしいのかもしれない。人との出会いを奇跡と表現するのなら、実に内容にふさわしいサブタイトルなのだろう。
実際出会いをそのように表現する場合も多々ある。恋人との巡り合いなど「君(あなた)に出会えたことがボク(ワタシ)には奇跡だ」と言った方が、相手にインパクトを与えて、好印象につながるかもしれない(大げさすぎて嫌がられるかもしれないが)。
私は言葉にひっかかってしまうタチなので、こんなところにこだわってしまったが、きっと多くの人はー片道15分の奇跡ーをさらっと受け入れるのだろう。
この映画で最初に奇跡を起こす老婦人役の宮本信子さん、好きな女優さんです。その孫役に芦田愛菜さん。孫とおばあちゃんの会話が素敵だと思いましたが、実際こんな会話をする孫とおばあちゃんはいるのでしょうか?それはともかく、映画の中では大変面白く、ためになる孫とおばあちゃんの会話です。
特に復路の締めくくりの場面でも宮本信子さんが孫の発言に「あなたはまためんどくさいところにからんだわね」という表現が場面設定的にも、私にはかなり面白かった。
映画の中の登場人物たちが抱えていた問題が解決され、ひとつひとつの物語がハッピーエンドで終わるところも私的にはとても良かった。
この映画を見ているうちに、随分前に見た「ペイ・フォワード 可能の王国」という映画と何か似通っているような感じを受けた。
ペイ・フォワードは2001年2月に日本で公開され、そのあらあすじは
中学1年生のトレヴァー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)は、アル中の父(ジョン・ボン・ジョヴィ)が家出をしているためバーで働き同じくアル中になっている母アーリーン(ヘレン・ハント)と2人暮らし。ある日、社会の授業でシモネット先生(ケヴィン・スペイシー)が出した“自分の手で世界を変える方法”の課題に対し、トレヴァーは“ペイ・フォワード”計画を思いつく。1人の人間が3人の人間に親切をし、さらにそれぞれ親切を受けた者が3人に親切をしていくというものだ。一方、そんなトレヴァーの企みで、母と独身のシモネット先生は急接近する。顔と体に大きな火傷を負っているシモネットは中々心を開かなかったが、2人はやがて結ばれる。しかしトレヴァーは、いじめられていた友人を助けようとして、いじめっ子に刺されて死んでしまった。だが彼の“ペイ・フォワード”計画は街中に広まっており、街の人々は亡きトレヴァーを追悼するのだった。
(goo映画 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD51/story.html より)
ペイ・フォワードは好きな映画なのだけど、最後に主人公の少年が殺されてしまうところが、どうにも納得できず、鑑賞後の後味がものすごく悪かった。映画館で画面に向かって「なんで殺すの!」と心のなかで毒づいた。「ほんまめっちゃええ映画やったのに、最後で台無しやわ」というのが私の鑑賞後の感想だった。
でも内容は本当に素晴らしく、一人の人間が3人の人間に親切をし、親切を受けた3人の人間がそれぞれまた3人の人間に親切にしていけば、その行為はねずみ講的に広がり、世界は優しさで包まれる。そんな世の中になれば素敵だなーとしばし夢想にひたらせてくれました。
阪急電車の方は、老婦人が最初に行った2つの奇跡を受けた二人の女性が、また電車の中や駅で、同じような奇跡を行うという物語が軸になり、その女性が出会った人たちの物語も含め、出会いの奇跡のようなことを描いています。
私は基本映画はハッピーエンドで終わらなくてはイヤなのです。
娯楽とされるものが、問題提起であったり、思い気分をひきずったりで終わることに抵抗があるのです。
とはいえ社会的にはそういう映画も必要なのだろうとは思いますが、私はそういう映画はあまり見たくない。観た後にほのぼのとした感覚が残ったり、痛快感、楽しさ感が残る映画が好きなのです。
阪急電車は私の好みからいくと星5つです(^^)
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