おさがり

ヴァイオリンやチェロは子供用の様々なサイズの楽器がありますが、
ピアノには子供用サイズはありません。
みんなが同じ大きさの楽器を弾くので、当然子供には大きすぎます。
もちろん足だって床に届く訳もなく…。

床に足をつけてしっかり踏ん張っていないといい音も出ませんし、
もちろんペダルを踏んで美しい響きを奏でることだってできません。
そこで登場するのが足台。


お家での練習では、ペダルを使い始めるまではしっかりとしていれば何でもいいのです。
お風呂用のイスだって、発泡スチロールだって、
雑誌を束ねた物だってかまいません。
でもペダルを使うようになると、いよいよ足台デビューです。

足台や補助ペダルにはいろいろなタイプのものがあります。
教室の生徒たちは、まずは高さの高いものから使い始め、
身長が伸びてくるとそれを年下の生徒へ譲り、
低いタイプのものへと変えていきます。

みんな順繰りにおさがりの足台を使います。
身長が伸びて生徒のお家から教室へとやってきた足台を見るたびに、
これを使って練習した代々の生徒たちの笑顔が詰まっているようで、感慨深く思います。