雪が止むことだけが決まっているなら

モラハラの父と認知症の母と…

母との接し方、発見

2021-01-12 13:20:12 | 日記

週末はお休みだったので、母を2泊させることに。
実家に迎えに行ったら、父が、母は昼過ぎには私が迎えに来るからと準備をしていたらしいが、その内調子が悪いから行かないと言い出して、2階の自分の部屋で寝ていると言う。母の部屋に行ってみると、起きている。来たの?という感じで、私が来る予定だったことは全く覚えていないらしい。「今から○○(私の自宅)に行くよ」と言うと、そのことももちろん覚えていない様子。

リビングに下りて、父に「○○に行くって私に言いました?」と聞いている。父もとまどっている感じ。「急がないから、準備はゆっくりでいいよ」と私。とりあえずバッグに着替えを入れているかと思えば、姿が見えなくなる。2階から大きい物音がする。行ってみて、「どうしたの」と聞いても本人も混乱しているのか、よくわからない感じ。
その後もキッチンに行ったと思ったら、持ってきたものを床に投げつけたり、収納庫に物を放り込んだりしている。肩をたたいて「お母さん、落ち着いて」と言うが、本人も覚えていなかったことがショックだったのか何なのかわからないが、落ち着かない様子。

「お茶を入れて」と言ってもしばらくすると、また2階に行っている。大きい物音がしたので、また様子を見に行く。先に母がリビングに下り、私が片付けた後下りて行くと、父が苛立った感じで、「お前が○○(私の名前)と約束したんだろう」と言っている。母に同じことを何度も聞かれて頭に来たのか。なんでいつもこうなのか。答えようはいくらでもあるだろうに。
「俺は言ったつもりだったけど、言ってなかったかな。ごめん」とか「体調が悪そうだったから、起きたら言おうと思ってたんだ」とか。
自分は頭がいい、思いやりがある人間だと豪語する割にはこの有様だ。

下着の替えを1日分しか入れてなかったので、「もう1日分いるよ」と私が洗面所に取りに行こうとすると、「そんなもの買えばいい」と2度3度言う。うるさい、黙れ!と言いたくなる。なんでいちいちあんなつっかかるような物言いなのか。
引出を見ても着古したような下着ばっかりだったので、「向こうで買えばいいね」と母には言う。

その一方、父は自分と離れて私の家に行って大丈夫かと心配もしていたみたいだが、私からすれば、父と一緒にいるからこんなに不安定になるんだとしか思えない。

父は早く行って欲しそうにしているので、ゆっくりお茶も飲めず出発することに。
車に乗る前、父は母をハグしている。車に乗ってからも「俺も寂しいんだから、お前も頑張れ」と。なんでそんなに悲壮感漂わせるのか。娘の家に行くんだから、「楽しんでおいで」とか、「○○(孫)にも会えるから楽しみだな」とか言えんのか!

車の中の母は、毎度おなじみの「前の車がいつも同じ車だ。ナンバーを覚えてる。ちゃんとメモしているから」という話。
適当に受け流す。車の中では落ち着いた感じだ。相変わらず会話は少ないけれど。たまには私の話を聞いて笑ってもくれる。

うちでは、料理や洗い物を手伝ってくれて、ご飯も完食していた。
長女も来てくれて、一緒に漢字のクロスワードパズルをして楽しそうにしていた。やっぱり孫の威力絶大。それにしても短期記憶は全然だが、漢字はよく覚えている。

10時過ぎに先に母は寝たが、起きて来ることもなく、夜中もトイレに起きた形跡もない。

1日目はこんな感じで、うちでは穏やかで特に問題もなかった。

そして2日目。ドライブに行って景色のいい所でランチ。本屋では猫の漫画を見ていたので、買ってあげた。(たぶん読まないだろうけど。きっと私からもらったのも忘れてぶん投げられるのがオチだな)スーパーで下着や食料品を買って帰る。

休みで家に夫もいたが、私は疲れて昼寝。テレビがついていても母はほぼ見ていない。動物番組は「ほら猫がかわいいよ」と言うと、画面を見て「可愛い」と楽しそう。でも、自分から画面に目を向けることはほとんどない。

夕飯の餃子も母が全部包んでくれた。洗い物などをしていたら、夫が2階から娘たちのアルバムを持ってきてくれた。グッジャプ。
母はお風呂から上がった後、それを見て懐かしそうにしていた。私がお風呂に入っている間、夫も母と二人だけど、これで間が持ったんじゃないかと。

父から母の携帯に電話があり、私に替わって明日の待ち合わせの時間を決める。
それまで穏やかだった母がそれからおかしくなる。携帯を開いているので、「お父さんにはもう電話したよ」と言ってもかけようとするので、「明日の時間も決めたから」と言っても「違う話がある」と言う。様子がおかしい。「何の話?」と聞いてもすぐには言わない。
結局、「電話の向こうから○○さん(母と父の共通の知り合いの女性)の笑い声がした」「勘違いだよ。テレビの音じゃないの」と言っても、「あれは絶対〇〇(呼び捨て)の声だ」「侮辱された」とどんどんエスカレートする。「お母さん、○○(次女の名前)の話をしよう。こっちに来て」と言っても「後で」と言って聞かない。
その内、「76年も生きて来てこんな仕打ちを」とか言って泣き出す。私が「77年ね」と言うと、そこは素直に言い直す。
「ずっと尽くしてきて、裏切られた」「○○と浮気するなんて」「目撃したことがある」とか何とか止まらない。

いちいち否定していたけれど、私もだんだん面倒になってきたので、「じゃぁ、もう別れたら」と言うと、「離婚する。弁護士に相談する」とか言い出す。今じゃなくて7年前に離婚してくれたら、どんだけよかったかと頭をよぎる。
「老人ホームに入りたい。でも、お金があるかどうかわからない」と言ったかと思えば、突然妹の話になったりもする。「○○(妹)には大事な時に助けてあげられなかった。会いたい」と。私は「一人で元気にしてるから。コロナが収まったら会いに来るよ」と。
そして、やっぱり父に対する悪口が止まらない。

「だったら、こっちに来ればいい」と私。「お父さんと暮らすよりこっちがいいやろ」と。とはいえ、実際問題私が引き取るのは難しい。私が仕事の時、一人にしておくのは不安だ。でも、どうせしばらくすれば忘れてしまうんだから、ここは口から出まかせで何でも言ってしまえという感じ。忘れることは悪いことばかりじゃない。
すると、「それは大変だからいい」と。「大変じゃないよ。料理や洗濯だってできるし。大変になったら老人ホームに入れるから」と言っても頑としてこっちには来ないと言う。
「じゃぁ、あと2~3日こっちにいたら」と言うと、そこは嫌だとは言わない。これも現実的には不可能だ。私は明日から仕事だ。でも、忘れるから問題ない。「とりあえず一晩寝て、明日の朝、帰るかこっちに残るか決めよう」と言うと納得した様子。

その後、明日の予定のメモを見つけて、「明日帰る予定なら帰る」と言う。私も「また何かあったら来れば」という感じ。
母もまた例の「今度何かあったら別れるから」みたいなことを言っている。私も思わず「もう100回くらい聞いたよ」と言ってしまう。
本当に父から説教されたり嫌な思いをする度に、電話で愚痴を聞かされ、「じゃぁ家出してうちに来れば」と言っても、「今度何かあったら」と言う繰り返しだった。

そして、しばらくすると、アルバムを開いて、「かわいい」とか言っている。おいおい、さっきの大騒ぎはどうした…。
娘二人が写っている写真を気に入っていたので、あげるよと剥がして渡すと喜ぶ。すると、今度は父と次女が写っている写真を見て「いい顔をしてる」と。いい顔に父も含まれているのかは聞かなかったが、さっきまでめっちゃ悪口言ってたけどーと思いながら、その写真も母にあげる。

今までは妄想を口にすることはあっても、私が「勘違いじゃないの」と言えばそうかなーという感じだった。納得いかない感じはあってもそれで引き下がっていたのに、今回は全く引き下がらずちょっとした修羅場を味わった。父が言っていたのはこのことか。全く聞く耳持たず、完全に悲劇の主人公だ。手強いし、なかなかの衝撃。

でも、お父さんは浮気してないとか、妄想を否定したり訂正することに何の意味もないことに気づく。本人の中では完全にストーリーが出来上がっているし、どんなに訂正したってそのこと自体忘れる。
だったら、今の状況からどうしようか…ということに話を展開させた方がいい。そうすると、意外と話を聞いてくれる。
発見だ!

お陰でなかなか寝付けなかったけど。寝る前に一応父宛ての手紙は書いておいたのに、布団の中であれも書こうこれも書こうと次から次に出て来て、それをいちいち携帯にメモして。

私はとりあえず一晩で解決の糸口見つけたのに、父は毎日この妄想を否定して訂正しようとしていたんだろうな。で、相手が言うことを聞かないから、怒鳴る。時には手を上げる。
それは完璧主義なんじゃなくて、ただ単に頭が固いというか、もっと早く意味がないことに気づけよと思う。何も解決しないどころか、悪循環だ。

とりあえず、その旨は手紙に書いて渡したが、果たして実行できるか。
例えば、浮気のことを言われたら、「後ろめたいことはしていないけど、もう会わないから」とか、
老人ホームに入りたいと言われたら、「明日調べておく」とか
離婚したいと言われたら、「明日弁護士に相談してみる」とか
とりあえずその場しのぎで、本人が納得することを言ってくれと。

いちいち真に受けて、正そうと思っても土台無理な話なんだから。

案の定、翌朝は「9時ごろ出るからね」と言ったら、「そう」という感じだ。あんなに父の文句を言っていたのに。
食事中、洗面所にいる夫が気になるのかと思ったら、「挨拶した?」と。自分が夫に「おはようございます」を言ったかどうか覚えていないらしく、どうしたものかと思っていたらしい。記憶はなくてもきちんとはしている。

うちと実家の中間地点の道の駅で母を引き渡し、私はとっとと帰る。午後は仕事だ。
帰りの車の中、ほっとすると同時になんともいえない気持ちになるのはいつものことだ。いろいろ考えると、泣きそうになるので、あまり考えないようにする。泣いても何も解決しないし、泣くのすら面倒くさい。
でも、午後の仕事は精神的にきつかった。いつも仕事の間はそういうごたごたとか思い出すことはほとんどないのに、その日は気持ちがずっと沈んだままで。時折泣きそうになるのをこらえながら。

帰ってからも夫と話すのが面倒くさい。夫は気を使ってくれているのはわかるけれど。

時々、独り言を言う母。なかなか不気味なんだけど、そういえば「じいさんが行けと言ったんだ」とつぶやいていたな。
私がいきなり「私がちょうど土日が休みだったから、おいでって言ったんだよ」と言うと、はっとした感じで「あっそうだったの。ありがとう」と瞬時に普通に対応する。まだまだ大丈夫だ。たぶん。

この心の声がダダ洩れな感じはたまにあるが、2日目の夜中にも何度か呟ていた。よく聞き取れなかったが、すぐ静かになったのでよかったが。前回泊まった時が「保険金殺人」とか「○○(父の名前呼び捨て)が殺す」とかぶつぶつ呟いていたからな。
最初は恐怖だったけど、早くも慣れて来た。

意外と面と向かって接している時は私自身冷静というか、なんで?と思うことはあっても、父のように苛立ったり興奮したりすることはない。観察しているという感じかな。ふーん、こうなるのかとか、こうしたらいいのかーみたいな。

帰った日の夜は母から電話があった。「帰ってからまだ電話してないよね」と。やっぱり覚えてないけどきちんとはしている。
あとは父がどう変わるか…だな。

 

コメント
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