海外に行った時には、仕事での場合でも、時間、チャンスがあれば、鉄道(路面電車、地下鉄なども含めて)に乗るのをちょっとした楽しみにしてきました。「乗り鉄」といえるほどアツくはないですが・・・
利用するためには、路線、運賃、切符の買い方などいろいろ情報をあらかじめ集めなければなりません。また、発車時刻、出発番線など現地での確認も欠かせません。乗車してからも、下車駅、乗り換え駅を乗り過ごしたりしないよう気が抜けませんし、ちゃんと目的地に向かってるのかな、などのドキドキ感もあります。
そんなハードルを乗り越えて、実際に乗車することで、その国や都市を、ほんの少しだけ自分のものにできた、という満足感に浸り、思い出作りをしてきました。
今回、<旧サイトから>の第10弾として話題にするロンドンの地下鉄は、訪れる機会が多かったこともあり、最もよく利用した鉄道といえます。なにしろ古い鉄道です。でも、それだからこそ便利で利用しやすいのはなぜか、を私なりに探ってみました。時節柄、海外旅行はままならいない状況ですが、英国の合理的精神の一端を読み取っていただければ幸いです。
★以下、<旧サイト>の本文です★
昨秋(注:2012年)、久しぶりに、ロンドンを訪れる機会があり、充分な時間は取れませんでしたが、地下鉄乗車を楽しんできました。1863年開業という古い歴史を持ち、11路線、総延長402km、270の駅で、市内をカバーしているのが便利です。加えて、感じるのは、本当に利用しやすいなあ、ということ。なぜそうなのか、私なりに紹介してみます。
赤い大きな丸に横一文字、その中に、「UNDERGROUND」(地下鉄)と書かれてある標識が、地下鉄への入口の表示です。
そして、その入口ですが、普通は、道路の両側2カ所くらいしかありません。大きな交差点でも、その角4カ所くらいです。そして、階段を下りきったところが、すぐ、切符売り場と改札というシンプルな構造になっています。ただし、スペースは狭いところが多いです。
日本のように、何十と入口があったり、乗換え通路が何カ所もあるのは便利なようですが、やたら歩かされたり、迷ったりとロクなことがありません。改札が1カ所で、切符売り場と一体になっているのは、当時の工事上の制約とはいえ、実に分かりやすく、便利です。
ここで、切符の購入について触れておきます。日本の基準で言うと、ロンドンの地下鉄の値段は高いです。初乗りが500円くらいします。そのかわり、一日乗り放題の切符というのがあって、1100円くらいですから、2回乗れば、ほぼ元が取れるわけで、旅行者には、これがお奨めですね。駅の自動販売機で簡単に買うことが出来ます。
さて、改札を抜けて、ホームに向かいましょう。ホームへのルートは、一つしかありませんのでご安心ください。いくつかの路線が乗り入れている場合でも、その路線ホームへのルートは一つだけです。長いエスカレーターを乗り継いだり、細い通路を歩かされたりすることもあります。でも、色分けされた路線表示にしたがって進めば、間違いなく目的のホームに出ます。
ホームは、一つの島になっていますので、右か左か、表示を見て、目的の駅へ行く方を選ぶだけです。日本でよくあるように、地下道をくぐって、行き先側のホームへ、というようなことはありません。
ただし、当時の工事上の制約でしょうけど、ホームは短く、狭いです。車両も6両くらいの編成です。ご覧のような状況です。
その代わり、日本でのように、降りる駅での都合を考えて、乗る位置を考えたり、長いホームを歩かされたり、というメンドウからは解放されるのがメリットです。
目的駅に着けば、「WAY OUT」(出口)の表示(乗り換える場合は、その路線の表示)に従って進めば、一カ所しかない改札、または乗換路線のホームに迷うことなく行き着きます。地上への出口も、さきほど書きましたように数カ所なので、せいぜい道路の反対側に出るくらいのことです。
出入口は多い方が便利などという過剰で、貧乏性な日本的基準と比べて、なんとシンプルで快適なことでしょう。ロンドンを訪問する機会があれば、是非ご利用をおススメします。
いかがでしたか?それでは次回をお楽しみに。