How many rivers must I cross? I don't know...

幸せになりたくて川を渡る・・・

愛着

2015-03-08 01:40:07 | 渓流釣り 道具
渓の釣りしかしなかった僕が本流での釣りを始めて今年で9年目。
本流釣りを始めた頃は、時間帯や水況等によっては迷うことなく渓に入ったが、現在では渓に入ることは殆どなくなった。
いつしか渓の釣りをしていた期間よりも本流釣りをしてきた期間の方が長くなった。

竿を持ち替え、玉網を差し替え、ウェーダーを履き替え・・・
決してスタイルから入るつもりではなかったが、道具の機能性が釣果に影響することもあるだろうし、使い難いと思ったら折を見て渓向きの道具類を置いて本流向きのものに改めてきた。
その中でも最も顕著なのが上半身の着衣だと思う。



嘗て渓の釣りをしていた頃は、藪漕ぎや岩へずり、滝を高巻くなんて当たり前だった。
藪の棘や岩場の角で自分の身体が傷つかないように、真夏でも半袖Tシャツの上にデニムのジャケット(所謂Gジャン)を着て釣りをしていた。
渓の中ではそれほど暑さは苦にならなかったし、生地は丈夫で汚れても全く気にならない。
やはり本来ワークウェアであるデニムは凄いなあと思っていた。

しかしこれが夏期の日中に本流で釣りをするとなるとデニムのジャケットは非常に厳しい。
やはりここは同じようなワークウェアの中から安価で機能性の高いものと選ぶべきだと考え、僕はホームセンターで1着500円くらいで販売されていた白い「作業用ポロシャツ」を愛用するようになった。

汗をかいてもすぐに乾く。
汚れでも何処かで公衆の水道を見つけることが出来たら、その場で水洗いしてハンガーにかけておけば、瞬く間に乾いてくれる。
「スタイルから入る」というのは往々にして「素人のくせに高価な本格的な道具類で固めやがって」という感じで受け取られるが、「作業用ポロシャツ」を本流釣りに積極的に使うというのも、「機能性を重視したスタイルから入る」と言えるのではと思っていたくらいだ。



そのような僕が、これまで買い替えようかどうしようかとさんざん悩み続けてきたものがある。
それが「釣りベスト」だ。

渓の釣りをしていたときは、1着2000円くらいのセール品の釣りベストを毎年買い替えていた。
何故ならポケットの縫い合わせがほどけたりファスナーが壊れたりと、それ以上の使用に耐えなくなることが必ず発生したからだ。
それでもいきなり新調するのではなく、先ずは自分で補修して暫く使い続けるのだが、その補修もすぐにまた要補修状態となるので結局は買い替えることになる。

そんなとき、ある1着のベストがセールに出されているのを釣具店で見つけた。
型落ちだったからか、シーズン終了間際だったからか、とにかくその安売りの品は「一流メーカー」のベストだった。
そんな高いベストを買おうと思ったことなんか一度もなかった。
釣りベストは消耗品とさえ思っていた。

でも何故かその時にそのベストが目に留まった。
高価なモノを買えば長持ちするのかな。
玉網に関して言えば、間違いなく無名メーカーのものよりシマノの方が長持ちしている。
「いっぺん高いベストを買ってみるか」。


そんなわけで僕はシマノのカーキ色の釣りベストを手に入れた。
次の釣行から早速使い始めたのだが、その使いやすさに驚いた。
至るところに、欲しいところに、痒いところに手が届くような感じでポケットがある。
ファスナーの開閉時のトルク感もそう簡単には壊れないような気がする。

以後7年のシーズン、釣行の度にそのシマノのベストを着用しているが、今でも壊れた個所はない。
なんて丈夫でよく出来たベストなのだろうと感心している。


しかし、そのベストにも難点がある。
それは着丈とサイズだ。
本流釣りのように立ち込みを考慮した短丈ではない。
更に当時はデニムのジャケットの上に羽織ることを前提に考えていたのでワンサイズ大きめのものを選んだということもあり、それほど深く立ちこまなくても必ずベストの裾が水に浸かる。


たいていはそうなる前に使い切ってしまうので、今のところは経験していないが鈎が水に浸かったままにしておくと錆びるのではないかという懸念がある。
更に、作り置きの仕掛けも濡れる。
特に僕はナイロンの糸も使うので好ましくない。
しかし買い替えようにも自分の気に入った箇所にポケットが配置されている短丈のものはない。
迷ったまま7年目のシーズンを終了した。



やっぱり来シーズンは買い替えよう。短丈でも水に浸かるだろうけど、今よりはましなのではないか。
そう考えてカタログなどでチェックしても、やはり愛用の釣りベストと同形状同位置のポケットで短丈のものはない。
検討に検討を重ねた結果、入手可能なもので最も使いやすいのはシマノの「ドライシールド本流ベスト」だろうという結論に落ち着いた。
あの細山長司さん監修のモデルだ。
ところが、2015年のカタログから消えた。
もう入手不可能なんだ・・・とがっかりしていた。

それがふと今日思い立ってある釣具店に行ってみた。
僕が最も頻繁に訪れる釣具店ではないのだが、型落ち品が安く売られていることが多い。
もしかしてあそこならあるかな・・・少し期待して行ってみた。


果たして、その予感が的中し売っていましたよ。
ドライシールド本流ベスト。
もう手に入らないかと思っていたのに。
生地が特殊なようなので、耐久性の面で少し懸念がありますが。




例年僕の初釣りは貧果に終わることが殆どで(坊主もある)、この釣りベストに入魂できるのはまだまだ先のことになると思うが・・・。
さあ、この「ドライシールド本流ベスト」はこの先何シーズン僕の愛着で居てくれるだろうか。


せっかくなので、7年のシーズンを共に過ごした、相当くたびれて汚れてしまったカーキ色の「渓ベスト」も掲載しておきます。







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