How many rivers must I cross? I don't know...

幸せになりたくて川を渡る・・・

2015/05/24 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:9 細山長司さんとサツキマス実釣会

2015-05-25 08:16:29 | 渓流釣り 釣行記(サツキマス)
2015年5月24日。
この日は岐阜の釣具店やすやさんの企画で、細山長司さんを招いての「長良川サツキマス実釣会」が催された。
定員は10名。
内容的に今回は文体をフランクにします。


実は2週間ほど前に、仕事中に小物類の買い足しのためにふらりと立ち寄った土岐のやすやさんで案内を見たのですよ。
「定員10名」というのを目にしてもういっぱいやろうなあと思ったものの念のため店員さんに確認。
「え~と、まだ1名空きがありますよ」とのこと。
サツキマスのアタリを感じた時のように間髪入れずに「申し込みます!」。

まさか知らない人はいないと思うけど念のために細山さんについて説明。
「本流のカリスマ」という冠とともに紹介されることが多い細山さんですが、延竿を使った本流の餌釣りで大物を仕留めるというスタイルの第一人者的な存在です。
アラスカで延竿を用いてキング・サーモンを釣ったという思わず耳を疑いたくなるようなことを成し遂げた方です。
そんなカリスマの実釣を間近に見ることが出来るし、更にはコーチもしてくれるという「長良川サツキマス実釣会」。
運良く釣れたらとても嬉しいけど、釣れなくても全く構わない。
細山さんの釣りを見てみたい。
そう思いながら当日を迎えました。



まだ夜が明けないうちに開会式。
それが済むと先ずは各自散らばって実釣です。

不案内なポイントで夜明け前だったため、川底の様子はおろか水深さえもよく分からない。
仕方なく水面から突き出た岩や仄かに判る波立ち、ヨレなどを頼りに釣り座を決めました。

明るくなってくると「おっ!ここ結構いいやん。朝一番でマスが入ってきそうやな」と期待が膨らむ。
実釣開始後暫くすると細山さんが近くにいらっしゃった。
開口一番「いいポイントを選んだねえ。ここはいいよ。朝一番でサツキマスが着きそうだね」と。

マジすか!?
つい今しがた僕も同じことを思ったんですけど!?
ホンマですか!?
信じていいですか!?

もうかなり自信が沸いてきました。
先日地元の名手美並Fさんとお会いしてお話を聞いたときにも、僕の考え方は誤りではなかったということが分かり少し自信を持てました。
ただ技術が伴ってなかったのだなと。

そして今朝、細山さんから掛けられた初めての言葉が前述のそれ。
ひとしきりコーチが済んで流しを再開してからも凄く楽しい気分で流しておりました。
すると・・・「ガガガッ!」と手許に伝わるアタリ。

僕は正真正銘の誰が見ても疑いようのないサツキマスを獲った回数は実はたった1回ですが、掛けたことは何度もあります(自慢にならないけど)。
バラシたりとか、チモトでハリスを切られたりとかでことごとく獲れなかったのですよ。
というわけで、今シーズンはサツキマスのアタリというものが分かるようになりました。
アマゴとは違う。
餌を飲み込もうとしていない。
去年獲ったサツキマスのアタリも、その時はウグイだと思ったけど、今年なら違うだろうなと思う。
明らかにあれはサツキマスのアタリだった。

だから今も分かったのですよ。
サツキマスだと。
掛かった瞬間にやはりマスは激しく首を振りました。
一瞬重量感を感じたけどすぐにスポンと抜けました。
鈎を見ると、またしてもチモトで切れていた。

これまで一体何度切られたことか。
それを避けるために網込み補強を始めた。
今もしっかり補強してあるのに、ちょうどチモトのすぐ上の辺りで切れていた。
いい加減にしてもらいたい。

でも何か切れる原因があるんだよなと思う。
僕はアマゴやヤマメを狙うときにチモトの網込み補強はしません。
それでも切られることって今まで殆どない。
何故サツキマスのときだけ切られるのか?
もしかして、鈎の形状のせいか?

アマゴやヤマメ狙いのときは僕はオーナーの「スーパーヤマメ」を主に使う。
時折がまかつの「スーパートラウト」も使うが、ほぼシーズンを通して「スーパーヤマメ」です。
時期によって号数を変えるだけ。
ごくたまに春先の釣りのときだけがまかつの「一刀アマゴ王」を使いますが。

サツキマス狙いのときはグランの「サクラマスサツキマス」を使う。
鈎先が鋭くて頑丈そうだと思い、好んで使っていた。
よくよく形状を見ると、チモトの耳の部分が長い。
もしかして、ここにハリスが当たるのか?
ちゃんと内側にハリスが来るように結んでいるが、もしかしたら首振りの際に当たるのかもしれない。
既にグランの「サクラマスサツキマス」は廃盤になっており、手持ちの分がなくなったら別の鈎を使おうと思っていたけど、もう使うのをやめよう。
絶対に鈎のせいだとは言い切れないけど、怪しい要素は排除しなければ。



その後はもう沈黙。
時間が過ぎて細山さんの実釣を拝ませて頂くこととなった。




ただただ「凄いっ!」です。
竿は刀の9mだったのですが、本当に刀を振るように「ヒュッ」という感じで振り込む。
華麗な振り込み、美しい振り込みというか、まるで芸術作品のよう。
そして仕掛けも綺麗に飛んで行くし、着水してから馴染みまでの時間があっという間。
「なんでそんなに早く馴染むの?」と驚愕。
そして馴染んだ後の流しも溜息が出るような美しさ。
よく細山さんが「聞き流し」という表現をするけど、まさしく糸と竿で流れを聞いているような流し方。
水面を早くでもなく遅くでもなく、まるで滑るように目印が流れて行く。
「そりゃこんな綺麗に流されたら魚も食い付くさ!」と思わずには居られない。
本流のカリスマというか、人間国宝級とうか、リヴィング・レジェンドというか・・・とにかく振り込みと流しだけで只者ではないということがありありと分かる。

実は僕は皆が細山さんをまるで神のように崇めることに若干疑問を感じていました。
「じゃああんたら本当の細山さんの凄さを知っとるんか?」と言いたくなる気持ちだった
勿論凄い人には違いないのだろうと思ってはいたものの、実際に細山さんが釣りをするところを見たこともないのにあまり崇めるようなことを言うのもそれこそ周囲に「流されている」ような気がしていた。

ですが、そんな思いは完全に吹き飛びました。
とにかく凄いです。細山さんホンマに凄い。
しかも優しい話し方で丁寧で、説明も分かりやすい。
シマノの動画で見るのと全く同じ話し方。
あの方の釣りを今見ているのか思うと、今日が人生最良の日なのではないかと思えてくるほど。


ひとしきり細山さんの実釣を見させて頂いた後は再度各自散らばって実釣です。
僕は朝一番のポイントを離れて、先週下見を行なったポイントに入った。
以前川沿いをクルマで走らせていたときに目に留まったポイントだった。
周辺の長良川の流れを思うと、絶対にこの辺りにマスが留まっている筈だと思い、順に流れを探っていった。

先週の下見の際に探っていった箇所を再度順に探っているのだが、実は先刻の細山さんの実釣で細山さんが探った箇所も全く同じだった。
しかも探っていく順序もまるっきり同じ。
とにかくその光景を見て僕はとても嬉しかった。
探った理由も説明されたのだが、それも僕の考え方と同じだった。

もう、迷いは完全に消えました。
僕のポイント選びは間違っていなかった。
たまたま運が悪かったか、腕前が未熟だったか、或いはその両方か、何か理由はあるのだろうが、ことポイント選びに関しては自信を持っていいなと感じた。

そのように自信に満ちてしつこく餌を流していた時、「ビビビンッ!」という引っ張るようなアタリがあった。
「よっしゃ!今度こそサツキマス!」と思ったのも束の間。
鈎が水面からすっぽ抜けてきた。
ミミズがフトコロの部分に残っていた。
恐らく鼻先であしらってミミズを咥えた際に、先の方だけ咥えたのだろう。
仕方あるまい。
でも、ポイント選びが誤りではなかったというのは大きな収穫でした。


その後は特に何事もなく散ったまま実釣を続けた。
11時30分に会は解散となったけど、その後も暫く細山さんを囲んでの昼食会だった。
皆さんから色んな質問が飛び交うのかと思い、最初はかなり遠慮しておりました。
しかし実際はまるでお通夜のような静けさで、せっかく細山さんがいらっしゃるのに何も質問しないでは勿体なさすぎると思い、途中から独占的に細山さんとお話してました。


当時参加者に配られた帽子にサインを頂いたり、細山さんとのツーショットもあります(顔出しはまずいの隠してあります)。






サツキマスは釣れなかったけど、ホンマに得るものが沢山のとても充実した時間でした。
もし機会があるなら、また細山さんにコーチをして頂きたい。


2015/05/24 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:9 細山長司さんとサツキマス実釣会

サツキマスは相変わらず釣れないが、それ以上に貴重な収穫がたくさんありました。



にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへにほんブログ村

2015/05/16,17 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:8 遡上魚狙いにブレは禁物

2015-05-22 12:50:55 | 渓流釣り 釣行記(サツキマス)
2015年5月16日。
午前中の所用を済ませてからの、昼近くになってからの釣行だった。
関市内の有名ポイントには昼近くになってもまだ釣り師の姿は多かった。
それまでの釣果を尋ねると、サツキマス3本に戻りアマゴ2本。
夜半から朝方にかけての降雨で若干の水位上昇と濁りが入ったことにより、マスたちの活性が一時的に上がったようだった。

しかし上がった活性も既に元に戻りつつあるようで、陽が高くなってからはアタリはないとのことだった。
かなり良いチャンスを逃したものだ。
こういうところで自分の遡上魚に対する縁のなさがわかるなあと自嘲したくなった。

釣りを開始してもやはり長良川からはなんの回答もない。
そのポイントで粘ってみようかとも思ったが、風も強かったし、釣れそうだとは思えなかったため、僕はそのポイントを後にした。

他所で風が強くてもそのポイントはさほど風が強くない、要するに風裏に当たるポイントがある。
そこに向かって僕は移動した。
両岸が山になっていて、一見すると風が強く吹きそうに思えたが、殆どの場合そこはあまり風が強くない。
入川すると思った通り、釣りに支障のあるほどの風は吹いていなかった。

周囲に釣り師の姿はなかったため、思いの行くまま具に流してみたものの、今日も案の定アタリはない。
僅かずつ筋を変えながら、そして立ち位置を一歩ずつ下流に移動しながら探ったが、サツキマスどころかアマゴもウグイもニゴイのアタリもない。

マスに限らず魚の気配が無いということは、今の水況では魚たちにとって居心地の良い場所ではないのだと思い、ポイントを変えてみた。

魚の反応が無いということは活性が低いだけで、実は魚は居るということがあるかもしれないと前向きに捉えトロ場に移動した。
そのやり方が良いのか悪いのか、或いは考え方としては誤りではないが作法が達者でなかったのかも知れない。
ぼんやりしているマスの気を少しでも惹くような流し方を試みたつもりだったが、釣り座に向かう途中に哺乳類のヌートリアを一頭見かけたのみで、魚類からの反応は一切無かった。
日暮れまで根気よく流したが全く何事も起こらずその日の釣りが終了した。



翌日は朝一で関市内のポイントに入った。
昨日の好釣果を聞き付けた釣り師が大挙し、一時は両岸合わせて15名の釣り師が竿を振った。
しかし、普通の釣り師なら先ず入らないような水深まで立ち込んで竿を振った地元の名手がサツキマスを釣っただけで、他の釣り師の竿には掛からなかった。

僕はそのポイントに見切りを付け上流部に移動した。
暫し休息を取っている間に、対岸にルアーマンが入ってきたことに気付かなかった。
腰を上げて竿を構え振り込んだ後、仕掛けを流すときになって初めて対岸のルアーマンに気付いた。

仕掛けが絡むのを懸念しすぐに竿を上げた。
その辺りでは核心部と思っていた筋で、そこを流す前に一旦気持ちを落ち着かせる意味もあっての休息だったが、全く意味がなくなってしまった。

二、三度かなり手前の筋を流してみたが、何だか窮屈な釣りだなと感じ、もう目の前の流れを諦めて下流に移動した。

10.5mのエアマスターなら、多少立ち込めば対岸まで余裕で届く川幅だった。
探っていると、先ほど対岸に入ってきたルアーマンも下流に移動し始めた。
あなたにポイントを譲って自分は下流に移動したのに何故着いてくるのかと理解に苦しんだ。

僕の釣り座の真正面まで降ってきて暫く川面を眺めていたが、ついにルアーロッドが振り込まれた。
僕が流していた筋とまるっきり重なる。
さすがに酷いなと思い、敢えて乱暴な言葉で言った。
「後から対岸に入ってきて真正面に立つなんてたいがいやなあ」。

もう上へ行くよというジェスチャーを返してきたが、あなたのしていることはあまりにも酷いことですよと、もし近くに居て大声を出さなくても言葉が届く距離なら乱暴な言葉でなく、まともな言い方で伝えたかった。

僕が休息を取って居るときに対岸に入ってきたことは仕方ないと言えば仕方ない。
僕はその時点では釣りをしていなかったのだから。
だからそこはもうポイントを譲った。
それでお互いが釣り場をシェア出来たのだから、たとえ下流のポイントを探りたかったとしても、そこはもう折れるべきなのではないか。
僕はそう考えて移動したのだが、相手にはその意図は汲み取ってもらえなかった。


実は対岸にルアーマンが入ってきたときのドリフトでアタリがあった。
コツンという小さなアタリだった。
すかさず合わせたが乗らなかった。
久しぶりのマスらしきアタリだっただけに残念でならない。


それ以外、今日もまた長良川からは何の回答も無かった。
2015年5月16日と17日
追憶のサツキマス2015�・VOL:8
遡上魚狙いにブレは禁物という、尊敬するサクラマス・アングラーの方の言葉を噛み締める。



にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへ
にほんブログ村

2015/05/10 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:7

2015-05-22 01:02:21 | 渓流釣り 釣行記(サツキマス)
前日の夕刻の所用を済ませた後、僕はそのまま自宅に戻り就寝するつもりでいた。
連休最終日ということもあるし身体を休めるつもりでいたのだが、やはり自宅でおとなしくしているわけにはいかなかった。
真夜中過ぎに出発し、夜明けの約1時間前に釣り場に到着した。
仮眠することも考えたが、また目覚めなかったらここまで来た甲斐が無いと思い、頭に投光器を付けて川に降りて行った。
釣り座の岩に背中をもたれさせて仮眠しながら夜明けを待った。
昨日、あの爽やかな渓流紳士と出会ったポイントで、今日こそは獲りたいと願いながら夜明けを待っていた。

益田川や高原川で本流の大きなアマゴやヤマメを狙うときはよくやるのだが、サツキマスを狙った釣りではこのような形で夜明けを待つことなど殆どない。
多くの場合、他の入川者と釣り座を話し合ったりしているので、仮眠する余裕などない。


夜が明けてきた。
辺り一帯の上流域の瀬から順に流し始めた。
底を取りながら丁寧に丁寧に、少しずつ筋を変えそして少しずつ釣り座を下流方向へじりじりと移動しながら、舐めるように流した。
時には敢えて奇妙な流し方をしたり、竿の操作で誘いを掛けた。
しかし、今日もまたサツキマスどころか魚の反応は全く無かった。

すこし休もうと思い、岸辺の岩場の上から川面を具に観察してみた。
昨シーズンは一度も入る機会がなかったが、一昨年入ったときより、川底の石が少なくなっているような気がした。
昨シーズンの大水で長良川のあちこちでかなり流れが変わっている。
このポイントも変わっていても不思議ではない。
もしかして、もう魚が着かないポイントになったのか?
不安に駆られる。
過去の経験や知り得た情報などが邪魔をして正確な判断が出来なくなっているのかもしれない。
でも、何の先入観も無しにこのポイントを今初めて見たとすれば、やはり僕は入川したくなるだろう。



休息を追え、再び流し始めた。
一昨年、40cmほどのニジマスが掛かった辺りを流し始めた。
あのときは、掛かった瞬間に絶対サツキマスが掛かったと思った。
寄せてきたときの背中の黒点の大きさと多さを見てん何とがっかりしたことか・・・
そんなことを考えながら繰り返し流していた時、クンッ!っと手許に伝わるアタリを感じた。
しかしほんの一瞬のことで合わせるタイミングを逸した。
しまったなと思いながらそのまま流し続けると、ちょうど流し切る頃にもう一度同様のアタリがあった。
すかさず合わせたものの鈎には乗らなかった。
餌のミミズは一部を鈎のフトコロ部分に残して切れていた。
「う~ん・・・マスやったかなあ、アマゴかなあ。」
多分、アマゴだろう。
はっきりとした理由はないが、なんとなくアタリの感じからアマゴのような気がする。
ここにはサツキマスは着いていないのかな。

僕は瀬の後、下流域のトロ場や淵なども丁寧に流したが、何も反応はなかった。
そして、その後も幾つかのポイントを回ったが、一度もサツキマスらしきアタリはなかった。



2015年5月10日 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:7
この日もサツキマスに近付けた感触はない。
かなり厳しい戦線が続いている。


にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへにほんブログ村



2015/05/09 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:6

2015-05-22 00:35:17 | 渓流釣り 釣行記(サツキマス)
目覚めたときには既に午前8時を回っていた。
昨夜も釣り場近くにクルマを停めて車中泊をしたのだが、本流竿を日すがら振っている日が続くとかなり疲労は溜まるのだろう。
目覚ましに全く気付かなかった。

朝一番のゴールデンタイムが過ぎようとしている。
今日は夕刻から所用があり昼過ぎまでしか竿を振れない。
もうこのまま帰宅しようかとも思った。
しかしながら川を目の前にして全く竿を振らないというのも愚の骨頂と思いなおし、だらだらと準備をしながら長良川に降りて行った。

やはり気分が乗らないときは精彩を欠いた釣りになる。
流していても全く出鱈目な流しになるし、根掛かりもある。
殆ど入川者の居ない美濃市内のポイントだが、実績が全く無いわけではない。
何年か前、自分より後から対岸の真正面に入ってきた餌釣り師が、入川後1時間もしないうちにサツキマスを釣ってそそくさと帰っていたことがる。
自分自身もかなり小振りな、見た目はサツキマスだけど戻りアマゴと言った方が良いかなという個体を何匹か釣ったことがある。
アマゴもよく釣れるし、ウグイもカジカも居る。
スレで鮎も釣った。
ニゴイが足元を擦り抜けて行くことも多いし、真鯉の姿もよく見る。
とにかく種を問わず魚が多く集まるポイントだった。

しかし、年々サツキマスが釣れる気配の薄くなっていくポイントのような気がした。
川底の石が次第に少なくなり、今では砂に近いようになっている。
岩は入っているものの、それ以外の川底が砂だった。
下流域に大きなトロがあり、マスの休憩所になっているとしたら、遡上するマスは必ずここを通るという流れが絞られた箇所もある。
それでも次第に釣れなくなっていく雰囲気が強くなっていく。


僕は川から上がった。
少し上流の、昨日の夕刻に入ったポイントに移動した。
河原を歩いて行くと一人の餌釣り師の姿が目に入ってきた。
この先釣り降るのか釣り上がるのか尋ねて、邪魔にならないところで竿を出させてもらえればいいなと思い声を掛けた。

インターネット上にはあまり詳細には書けないが、ご実家は長野県飯田市近辺で、お仕事の都合で現在岐阜県内にお住まいとのことだった。
釣りの拠点として便利に使っていると仰った。
例年ならまだアマゴを狙っている時期だけれども、今シーズンは郡上のアマゴがあまり大きくなく、マス狙いに変えたそうだ。
下流域から川沿いにクルマを走らせ、気になったポイントへ入ってみようと考えていたところ、目に着いたのがここだったということだ。

ひとしきりサツキマスのことやその他の釣りのことをお話したのだが、とても丁寧で爽やかな好感のもてる方だった。
また、僕のブログも読んで頂いたことがあるとのことで、とても嬉しく思った。

話が楽しくていつの間にか時間が過ぎてしまった。
その方は出会った地点まで釣り降って来てまた釣り上がるおつもりだったので、僕はそこから釣り降らせてもらうこととした。
タイムリミットは近付いていたが、小さな範囲だったので丁寧に繰り返し流してみたが、サツキマスはおろか魚の反応は全く無かった。
とても良いポイントだと思うし、他人がサツキマスを釣った実績もある。
僕はこのポイントでサツキマスを釣ったことはないのだが、稚鮎を追い回すサツキマスの姿は何度も見たことがある。
恐らく着き場と判断して良いと思う。
それでも釣れない。
掛かったこともない。


タイムリミットとなったので僕は川から上がり納竿とした。
今日出会った方と、またお会いできたらいいなと思う。
気後れして言いだすことが出来なかったが、連絡先などを伺っておけばよかったなと後悔した。



2015年5月9日 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:6
なかなかに厳しい釣りが続いている。


にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへにほんブログ村

2015/05/08 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:5  誕生月でもサツキマスに縁なし

2015-05-18 09:22:20 | 渓流釣り 釣行記(サツキマス)
2015年5月8日。
この日は僕の誕生日だった。
今までよく生き続けてこられたなとは思ったが、それ以外に特に感慨もなけれは、誰かに祝って欲しいという思いもなかった。
実際のところ祝ってくれる人など居ない。
しかし、叶うならばサツキマスが祝辞の代わりに会いに来てくれたらどんなに嬉しいことかと妄想していた。


前夜からポイント付近にクルマを停めて眠っていた。
早朝は4時前に目覚めたものの、なかなか頭が覚醒せずにもう一度座席の背もたれを倒し横になった。

もう一度目覚めたのは午前5時。
既に長良川に立ち込んで竿を振っている釣り師が大勢いる。
朝一番で自分の目当ての釣り座に入ることが出来れば良いが、正直なところ何処に入るか決めあぐねていたし、運やら廻り合わせの要素も強かろうと、空いている釣り座で構わないと思っていたので、特段問題ではなかった。


一帯のポイントの下流部を丁寧に流した。
一度流した後ももう一度流したし、誰かが川から上がるとその釣り座でも流したが、長良川からは何の返事も来なかった。
昨日は何本かのサツキマスが上がったが、二日続けて良い日はないと、以前地元の名手が話していたことを思い、ポイントを移動することにした。

そこが関市なのか美濃市なのかよく分からないのだが、去年長良川沿いにクルマを走らせていたときに見つけたポイントだった。
最近になってその上流部も良いということを人づてに聞き試してみようと思った。
ところが流したい筋が遠く、腰上まで立ち込んで10.5mのエアマスターを振り回しても届かない。
立ち込んでいる位置は流れは殆どないものの、足を滑らせて転倒という危険もある。
流されて命を落とすような場所ではなかったが、万が一転倒したときに竿にダメージを与えてしまうようなことになると困る。
ある程度流して何も反応がないことか判ると、僕は次のポイントに向けて移動し始めた。


何処に入るかなかなか決められなかったが、まだ時期は早いとは思ったものの、昨シーズンにサツキマスを獲った相戸堰堤に行ってみようと思った。
今日はGWが開けたあとの平日で、まだ時期も早い。
多分空いているだろうと。
年に一度記念に入ってもいいポイントだなと考えた。

相戸堰堤到着は昼前。
右岸側で三人の釣り師が竿を振っている。
そのうちひとりは程なく納竿。
残る二人はどうやら連れ同士のようで、一人が釣りのコーチのような感じで互いに釣り座を移動しながら竿を振っていた。

その場を離れるような感じだったが、休憩を取り入れながらの釣りのようで、立ち去ることはなさそうだと判断し、僕は左岸側から川を渡り中州に入った。
中州から左岸側に向けて投餌したり、右岸側を流す際にも、流すコースが重ならないように配慮しながら釣りを続けたが、ここでも長良川からは何の返事も来なかった。

そうそううまくは行かないものだと諦めて川から上がりかけたとき、堰堤直下からの流れ出しの筋が目に留まった。
構造物によって溝のようになっている箇所があった。
もしかしたらと思い、一旦は畳んだ竿をもう一度振り出し流し始めた。

何度か流したあとの投餌で、ドリフト終了間際、もうあと少しで流し切るというところで「ググンッ」と強く穂先が引き込まれた。

すかさずアワセを入れ、その後直ちに追いアワセも入れた。
掛かった魚は首を振りながら流れを降り始める。
堰堤直下の流れに乗った手応えは重い。
僕は竿を絞る手を緩めず、低い姿勢を保ちなから岸辺の岩場をボサを避けながら降った。
しかしそこまでだった。
束の間僕の神経を研ぎ澄ましてくれたその魚は、既に絞った竿に引かれて岸よりの緩流帯で弱々しくヒラを売っていた。
釣り上げたのは29cmのアマゴ。
せめてアマゴなら尺は欲しかった、こんなところでもついていないのだなと、若干自身の誕生日を呪う気持ちを持ちなから相戸堰堤を後にした。


その後、少し下流のポイントで竿を出した。
一昨年は頻繁に入ったのだか、何故か昨シーズンは機会がなく一度も入らなかった。
久し振りに入ったが相変わらずいい流れだった。
僕は目印か見えなくなるまでしつこくそのポイントに居座って流していたが、ウグイが1匹釣れただけだった。


2015年5月8日 追憶のサツキマス2015 �・VOL:5
自身の誕生日も、サツキマスに会えないままにまた日付がかわる。



にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへにほんブログ村