2015年5月24日。
この日は岐阜の釣具店やすやさんの企画で、細山長司さんを招いての「長良川サツキマス実釣会」が催された。
定員は10名。
内容的に今回は文体をフランクにします。
実は2週間ほど前に、仕事中に小物類の買い足しのためにふらりと立ち寄った土岐のやすやさんで案内を見たのですよ。
「定員10名」というのを目にしてもういっぱいやろうなあと思ったものの念のため店員さんに確認。
「え~と、まだ1名空きがありますよ」とのこと。
サツキマスのアタリを感じた時のように間髪入れずに「申し込みます!」。
まさか知らない人はいないと思うけど念のために細山さんについて説明。
「本流のカリスマ」という冠とともに紹介されることが多い細山さんですが、延竿を使った本流の餌釣りで大物を仕留めるというスタイルの第一人者的な存在です。
アラスカで延竿を用いてキング・サーモンを釣ったという思わず耳を疑いたくなるようなことを成し遂げた方です。
そんなカリスマの実釣を間近に見ることが出来るし、更にはコーチもしてくれるという「長良川サツキマス実釣会」。
運良く釣れたらとても嬉しいけど、釣れなくても全く構わない。
細山さんの釣りを見てみたい。
そう思いながら当日を迎えました。
まだ夜が明けないうちに開会式。
それが済むと先ずは各自散らばって実釣です。
不案内なポイントで夜明け前だったため、川底の様子はおろか水深さえもよく分からない。
仕方なく水面から突き出た岩や仄かに判る波立ち、ヨレなどを頼りに釣り座を決めました。
明るくなってくると「おっ!ここ結構いいやん。朝一番でマスが入ってきそうやな」と期待が膨らむ。
実釣開始後暫くすると細山さんが近くにいらっしゃった。
開口一番「いいポイントを選んだねえ。ここはいいよ。朝一番でサツキマスが着きそうだね」と。
マジすか!?
つい今しがた僕も同じことを思ったんですけど!?
ホンマですか!?
信じていいですか!?
もうかなり自信が沸いてきました。
先日地元の名手美並Fさんとお会いしてお話を聞いたときにも、僕の考え方は誤りではなかったということが分かり少し自信を持てました。
ただ技術が伴ってなかったのだなと。
そして今朝、細山さんから掛けられた初めての言葉が前述のそれ。
ひとしきりコーチが済んで流しを再開してからも凄く楽しい気分で流しておりました。
すると・・・「ガガガッ!」と手許に伝わるアタリ。
僕は正真正銘の誰が見ても疑いようのないサツキマスを獲った回数は実はたった1回ですが、掛けたことは何度もあります(自慢にならないけど)。
バラシたりとか、チモトでハリスを切られたりとかでことごとく獲れなかったのですよ。
というわけで、今シーズンはサツキマスのアタリというものが分かるようになりました。
アマゴとは違う。
餌を飲み込もうとしていない。
去年獲ったサツキマスのアタリも、その時はウグイだと思ったけど、今年なら違うだろうなと思う。
明らかにあれはサツキマスのアタリだった。
だから今も分かったのですよ。
サツキマスだと。
掛かった瞬間にやはりマスは激しく首を振りました。
一瞬重量感を感じたけどすぐにスポンと抜けました。
鈎を見ると、またしてもチモトで切れていた。
これまで一体何度切られたことか。
それを避けるために網込み補強を始めた。
今もしっかり補強してあるのに、ちょうどチモトのすぐ上の辺りで切れていた。
いい加減にしてもらいたい。
でも何か切れる原因があるんだよなと思う。
僕はアマゴやヤマメを狙うときにチモトの網込み補強はしません。
それでも切られることって今まで殆どない。
何故サツキマスのときだけ切られるのか?
もしかして、鈎の形状のせいか?
アマゴやヤマメ狙いのときは僕はオーナーの「スーパーヤマメ」を主に使う。
時折がまかつの「スーパートラウト」も使うが、ほぼシーズンを通して「スーパーヤマメ」です。
時期によって号数を変えるだけ。
ごくたまに春先の釣りのときだけがまかつの「一刀アマゴ王」を使いますが。
サツキマス狙いのときはグランの「サクラマスサツキマス」を使う。
鈎先が鋭くて頑丈そうだと思い、好んで使っていた。
よくよく形状を見ると、チモトの耳の部分が長い。
もしかして、ここにハリスが当たるのか?
ちゃんと内側にハリスが来るように結んでいるが、もしかしたら首振りの際に当たるのかもしれない。
既にグランの「サクラマスサツキマス」は廃盤になっており、手持ちの分がなくなったら別の鈎を使おうと思っていたけど、もう使うのをやめよう。
絶対に鈎のせいだとは言い切れないけど、怪しい要素は排除しなければ。
その後はもう沈黙。
時間が過ぎて細山さんの実釣を拝ませて頂くこととなった。
ただただ「凄いっ!」です。
竿は刀の9mだったのですが、本当に刀を振るように「ヒュッ」という感じで振り込む。
華麗な振り込み、美しい振り込みというか、まるで芸術作品のよう。
そして仕掛けも綺麗に飛んで行くし、着水してから馴染みまでの時間があっという間。
「なんでそんなに早く馴染むの?」と驚愕。
そして馴染んだ後の流しも溜息が出るような美しさ。
よく細山さんが「聞き流し」という表現をするけど、まさしく糸と竿で流れを聞いているような流し方。
水面を早くでもなく遅くでもなく、まるで滑るように目印が流れて行く。
「そりゃこんな綺麗に流されたら魚も食い付くさ!」と思わずには居られない。
本流のカリスマというか、人間国宝級とうか、リヴィング・レジェンドというか・・・とにかく振り込みと流しだけで只者ではないということがありありと分かる。
実は僕は皆が細山さんをまるで神のように崇めることに若干疑問を感じていました。
「じゃああんたら本当の細山さんの凄さを知っとるんか?」と言いたくなる気持ちだった
勿論凄い人には違いないのだろうと思ってはいたものの、実際に細山さんが釣りをするところを見たこともないのにあまり崇めるようなことを言うのもそれこそ周囲に「流されている」ような気がしていた。
ですが、そんな思いは完全に吹き飛びました。
とにかく凄いです。細山さんホンマに凄い。
しかも優しい話し方で丁寧で、説明も分かりやすい。
シマノの動画で見るのと全く同じ話し方。
あの方の釣りを今見ているのか思うと、今日が人生最良の日なのではないかと思えてくるほど。
ひとしきり細山さんの実釣を見させて頂いた後は再度各自散らばって実釣です。
僕は朝一番のポイントを離れて、先週下見を行なったポイントに入った。
以前川沿いをクルマで走らせていたときに目に留まったポイントだった。
周辺の長良川の流れを思うと、絶対にこの辺りにマスが留まっている筈だと思い、順に流れを探っていった。
先週の下見の際に探っていった箇所を再度順に探っているのだが、実は先刻の細山さんの実釣で細山さんが探った箇所も全く同じだった。
しかも探っていく順序もまるっきり同じ。
とにかくその光景を見て僕はとても嬉しかった。
探った理由も説明されたのだが、それも僕の考え方と同じだった。
もう、迷いは完全に消えました。
僕のポイント選びは間違っていなかった。
たまたま運が悪かったか、腕前が未熟だったか、或いはその両方か、何か理由はあるのだろうが、ことポイント選びに関しては自信を持っていいなと感じた。
そのように自信に満ちてしつこく餌を流していた時、「ビビビンッ!」という引っ張るようなアタリがあった。
「よっしゃ!今度こそサツキマス!」と思ったのも束の間。
鈎が水面からすっぽ抜けてきた。
ミミズがフトコロの部分に残っていた。
恐らく鼻先であしらってミミズを咥えた際に、先の方だけ咥えたのだろう。
仕方あるまい。
でも、ポイント選びが誤りではなかったというのは大きな収穫でした。
その後は特に何事もなく散ったまま実釣を続けた。
11時30分に会は解散となったけど、その後も暫く細山さんを囲んでの昼食会だった。
皆さんから色んな質問が飛び交うのかと思い、最初はかなり遠慮しておりました。
しかし実際はまるでお通夜のような静けさで、せっかく細山さんがいらっしゃるのに何も質問しないでは勿体なさすぎると思い、途中から独占的に細山さんとお話してました。
当時参加者に配られた帽子にサインを頂いたり、細山さんとのツーショットもあります(顔出しはまずいの隠してあります)。
サツキマスは釣れなかったけど、ホンマに得るものが沢山のとても充実した時間でした。
もし機会があるなら、また細山さんにコーチをして頂きたい。
2015/05/24 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:9 細山長司さんとサツキマス実釣会
サツキマスは相変わらず釣れないが、それ以上に貴重な収穫がたくさんありました。
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この日は岐阜の釣具店やすやさんの企画で、細山長司さんを招いての「長良川サツキマス実釣会」が催された。
定員は10名。
内容的に今回は文体をフランクにします。
実は2週間ほど前に、仕事中に小物類の買い足しのためにふらりと立ち寄った土岐のやすやさんで案内を見たのですよ。
「定員10名」というのを目にしてもういっぱいやろうなあと思ったものの念のため店員さんに確認。
「え~と、まだ1名空きがありますよ」とのこと。
サツキマスのアタリを感じた時のように間髪入れずに「申し込みます!」。
まさか知らない人はいないと思うけど念のために細山さんについて説明。
「本流のカリスマ」という冠とともに紹介されることが多い細山さんですが、延竿を使った本流の餌釣りで大物を仕留めるというスタイルの第一人者的な存在です。
アラスカで延竿を用いてキング・サーモンを釣ったという思わず耳を疑いたくなるようなことを成し遂げた方です。
そんなカリスマの実釣を間近に見ることが出来るし、更にはコーチもしてくれるという「長良川サツキマス実釣会」。
運良く釣れたらとても嬉しいけど、釣れなくても全く構わない。
細山さんの釣りを見てみたい。
そう思いながら当日を迎えました。
まだ夜が明けないうちに開会式。
それが済むと先ずは各自散らばって実釣です。
不案内なポイントで夜明け前だったため、川底の様子はおろか水深さえもよく分からない。
仕方なく水面から突き出た岩や仄かに判る波立ち、ヨレなどを頼りに釣り座を決めました。
明るくなってくると「おっ!ここ結構いいやん。朝一番でマスが入ってきそうやな」と期待が膨らむ。
実釣開始後暫くすると細山さんが近くにいらっしゃった。
開口一番「いいポイントを選んだねえ。ここはいいよ。朝一番でサツキマスが着きそうだね」と。
マジすか!?
つい今しがた僕も同じことを思ったんですけど!?
ホンマですか!?
信じていいですか!?
もうかなり自信が沸いてきました。
先日地元の名手美並Fさんとお会いしてお話を聞いたときにも、僕の考え方は誤りではなかったということが分かり少し自信を持てました。
ただ技術が伴ってなかったのだなと。
そして今朝、細山さんから掛けられた初めての言葉が前述のそれ。
ひとしきりコーチが済んで流しを再開してからも凄く楽しい気分で流しておりました。
すると・・・「ガガガッ!」と手許に伝わるアタリ。
僕は正真正銘の誰が見ても疑いようのないサツキマスを獲った回数は実はたった1回ですが、掛けたことは何度もあります(自慢にならないけど)。
バラシたりとか、チモトでハリスを切られたりとかでことごとく獲れなかったのですよ。
というわけで、今シーズンはサツキマスのアタリというものが分かるようになりました。
アマゴとは違う。
餌を飲み込もうとしていない。
去年獲ったサツキマスのアタリも、その時はウグイだと思ったけど、今年なら違うだろうなと思う。
明らかにあれはサツキマスのアタリだった。
だから今も分かったのですよ。
サツキマスだと。
掛かった瞬間にやはりマスは激しく首を振りました。
一瞬重量感を感じたけどすぐにスポンと抜けました。
鈎を見ると、またしてもチモトで切れていた。
これまで一体何度切られたことか。
それを避けるために網込み補強を始めた。
今もしっかり補強してあるのに、ちょうどチモトのすぐ上の辺りで切れていた。
いい加減にしてもらいたい。
でも何か切れる原因があるんだよなと思う。
僕はアマゴやヤマメを狙うときにチモトの網込み補強はしません。
それでも切られることって今まで殆どない。
何故サツキマスのときだけ切られるのか?
もしかして、鈎の形状のせいか?
アマゴやヤマメ狙いのときは僕はオーナーの「スーパーヤマメ」を主に使う。
時折がまかつの「スーパートラウト」も使うが、ほぼシーズンを通して「スーパーヤマメ」です。
時期によって号数を変えるだけ。
ごくたまに春先の釣りのときだけがまかつの「一刀アマゴ王」を使いますが。
サツキマス狙いのときはグランの「サクラマスサツキマス」を使う。
鈎先が鋭くて頑丈そうだと思い、好んで使っていた。
よくよく形状を見ると、チモトの耳の部分が長い。
もしかして、ここにハリスが当たるのか?
ちゃんと内側にハリスが来るように結んでいるが、もしかしたら首振りの際に当たるのかもしれない。
既にグランの「サクラマスサツキマス」は廃盤になっており、手持ちの分がなくなったら別の鈎を使おうと思っていたけど、もう使うのをやめよう。
絶対に鈎のせいだとは言い切れないけど、怪しい要素は排除しなければ。
その後はもう沈黙。
時間が過ぎて細山さんの実釣を拝ませて頂くこととなった。
ただただ「凄いっ!」です。
竿は刀の9mだったのですが、本当に刀を振るように「ヒュッ」という感じで振り込む。
華麗な振り込み、美しい振り込みというか、まるで芸術作品のよう。
そして仕掛けも綺麗に飛んで行くし、着水してから馴染みまでの時間があっという間。
「なんでそんなに早く馴染むの?」と驚愕。
そして馴染んだ後の流しも溜息が出るような美しさ。
よく細山さんが「聞き流し」という表現をするけど、まさしく糸と竿で流れを聞いているような流し方。
水面を早くでもなく遅くでもなく、まるで滑るように目印が流れて行く。
「そりゃこんな綺麗に流されたら魚も食い付くさ!」と思わずには居られない。
本流のカリスマというか、人間国宝級とうか、リヴィング・レジェンドというか・・・とにかく振り込みと流しだけで只者ではないということがありありと分かる。
実は僕は皆が細山さんをまるで神のように崇めることに若干疑問を感じていました。
「じゃああんたら本当の細山さんの凄さを知っとるんか?」と言いたくなる気持ちだった
勿論凄い人には違いないのだろうと思ってはいたものの、実際に細山さんが釣りをするところを見たこともないのにあまり崇めるようなことを言うのもそれこそ周囲に「流されている」ような気がしていた。
ですが、そんな思いは完全に吹き飛びました。
とにかく凄いです。細山さんホンマに凄い。
しかも優しい話し方で丁寧で、説明も分かりやすい。
シマノの動画で見るのと全く同じ話し方。
あの方の釣りを今見ているのか思うと、今日が人生最良の日なのではないかと思えてくるほど。
ひとしきり細山さんの実釣を見させて頂いた後は再度各自散らばって実釣です。
僕は朝一番のポイントを離れて、先週下見を行なったポイントに入った。
以前川沿いをクルマで走らせていたときに目に留まったポイントだった。
周辺の長良川の流れを思うと、絶対にこの辺りにマスが留まっている筈だと思い、順に流れを探っていった。
先週の下見の際に探っていった箇所を再度順に探っているのだが、実は先刻の細山さんの実釣で細山さんが探った箇所も全く同じだった。
しかも探っていく順序もまるっきり同じ。
とにかくその光景を見て僕はとても嬉しかった。
探った理由も説明されたのだが、それも僕の考え方と同じだった。
もう、迷いは完全に消えました。
僕のポイント選びは間違っていなかった。
たまたま運が悪かったか、腕前が未熟だったか、或いはその両方か、何か理由はあるのだろうが、ことポイント選びに関しては自信を持っていいなと感じた。
そのように自信に満ちてしつこく餌を流していた時、「ビビビンッ!」という引っ張るようなアタリがあった。
「よっしゃ!今度こそサツキマス!」と思ったのも束の間。
鈎が水面からすっぽ抜けてきた。
ミミズがフトコロの部分に残っていた。
恐らく鼻先であしらってミミズを咥えた際に、先の方だけ咥えたのだろう。
仕方あるまい。
でも、ポイント選びが誤りではなかったというのは大きな収穫でした。
その後は特に何事もなく散ったまま実釣を続けた。
11時30分に会は解散となったけど、その後も暫く細山さんを囲んでの昼食会だった。
皆さんから色んな質問が飛び交うのかと思い、最初はかなり遠慮しておりました。
しかし実際はまるでお通夜のような静けさで、せっかく細山さんがいらっしゃるのに何も質問しないでは勿体なさすぎると思い、途中から独占的に細山さんとお話してました。
当時参加者に配られた帽子にサインを頂いたり、細山さんとのツーショットもあります(顔出しはまずいの隠してあります)。
サツキマスは釣れなかったけど、ホンマに得るものが沢山のとても充実した時間でした。
もし機会があるなら、また細山さんにコーチをして頂きたい。
2015/05/24 長良川 追憶のサツキマス2015~VOL:9 細山長司さんとサツキマス実釣会
サツキマスは相変わらず釣れないが、それ以上に貴重な収穫がたくさんありました。
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