釣果は上がっているようだ。
ポツリポツリとブロガーさんの記事や、ブログで知り合った釣り仲間からの情報が聴こえてくる。
昨年の今頃はとにかくサツキマスを獲りたい一心で長良川に通った。
しかし、自分だけでなく周囲でも芳しい釣果はなかった。
それは今シーズンも同じことだろう。
単発で聴こえてくる釣果は遡上の先陣を切った個体が誰かの竿の掛かったものだろう。
纏まった個体数の遡上ではないのに狙い打ちのようにピンポイントでマスを獲った釣り師の方の腕前は敬服に値するが、同じことを僕がしようと思っても無理な話だ。
そう考えると、今シーズンはなかなか長良川に足が向かない。
諸事情により昨シーズンはたまたま今時期に平日釣行が可能だった。
今シーズンは違う。
正真正銘の休日アングラーだ。
サツキマスの遡上が本格的になり始めるGWには長良川への釣行は可能だが、マスより釣り師の方が多いのではないかと思えるくらい釣り師で溢れる長良川へ行くのは気が進まない。
平日でも混み合う一級ポイント。
休日なら尚更だ。
本流竿を振って流すにはその間隔はちょっと狭いんでないかい?
あなた餌釣りをやらないから知らないかもしれないけど、僕の竿の長さだと対岸近くまで届くのですが、後からやって来てまさしく僕の目の前に陣取ってルアーをぶち込むのは止めてもらえないでしょうか。
そんな思いをしたくなくて入川者の少ない二級、三級のポイントに入る。
入川者が少ないということは実績があまりないということだ。
当然釣り難くなる。
なんだか、サツキマスを狙って釣りに行くのが嫌になるなあ・・・
毎年毎年、サツキマスに対する熱い思いとは裏腹に、そんな思いも抱えながら釣行を重ねてきた。
だからこそ昨シーズンは、平日釣行の可能な今のうちに、何としてもサツキマスを獲りたいと強く願った。
それまでは明らかな戻りアマゴや、サツキマスなのか戻りアマゴなのか判然としない個体だとかは釣ってきたが、本命にはことごとく縁のなかった僕だった。
それが漸く正真正銘のサツキマス、しかも40cmの個体を獲ることができたのが昨シーズン2014年。
正直なところ、一本獲ってかなり落ち着いた、
今シーズンは多分獲れないと思うが別にそれでも構わない。
楽しい筈の釣りなのに、胸に一物抱えながら狭苦しい思いをして一級ポイントでやるより、釣れる可能性は低くなっても二級ポイントで竿を出す方がいい。
そんな思いで、2015年はサツキマス調査釣行すらまだしていない。
さすがに4月も後半だし、昨年の出水でかなり流れが変わったと聞いている長良川をこの目で確かめに行くことにした。
この時期に早朝に川に入るのは寒いので避けたかったが、当日は日曜だし、そろそろサツキマスを狙ってやってくるアングラーも多いと考え、4時過ぎに某ポイントに到着した。
僕は3番手。
入る位置は何処でも構わなかったので、先行の二名の方が川に入ってからその下流の方に入った。
はっきり言って、冷たい。
去年も早期は朝一番より陽が昇って水温が幾分上昇してからの方が反応が良かったよなと思いながらも冷たい川水の中竿を振っていた。
昨シーズンと流れが変わり、流芯が対岸寄りに遠ざかっている。
しかもまだ完全に平水に落ち切らない。
9.5mの琥珀本流ハイパードリフト スーパーヤマメを使うつもりでいたが、長さがあった方が良かろうと考え、サツキマス狙いで使うつもりはなかったが、せっかくなので10.5mの琥珀本流エアマスター メタルチューンを使った。
メタルチューンで感度が上昇しているはずなのに、川底の石に当たる感覚がない。
底を取れていないのかと思い、オモリを重くしたら「ゴン、ゴン、ゴン」という底石に当たる感触があったが、その一箇所だけだった。
相当川底が洗われて石が流されたのか?
こりゃあ今シーズンはここにはマスは着かないかなあ・・・
そんな疑問を抱いても、まだここにマスが来ていないのだから確認のしようがない。
もう少し後になって、長良川サツキマスアングラーの釣果を待って検証したいところだ。
30分が経過した。
冷たさがもう限界だった。
腰辺りまで立ち込んでいたため、下半身の冷えが次第に全身に回って来て更には手が痺れ始めた。
まだ気合を入れる時期としては早すぎる、体調を崩して一番良いタイミングで川に立てなかったら困ると思い潔く川から上がった。
他のポイントを見て回ろうとするうちに、ブログを通じて知り合った鮎キチミッチーさんと会った。
僕がこれから行ってみようと思っていたポイントに朝一で入っていたらしいが、周辺でもマスは上がっていない。
釣れるのはウグイのみとのことだった。
談笑中に先ほど僕の下流で竿を出していた釣り師の方が加わり、暫し3名で釣り談義に花を咲かせた。
後から分かったことだったが、この3人目の方がブログで知り合ったshimaさんだった。
釣りそのものよりも、こうしてサツキマスのことについて談笑している時間がとても楽しかった。
しょっちゅう顔を合わせる者同士でそのうち打ち解けて、朝一番で入った釣り座を順繰りに回したりお互い声掛けあって入川したりというのが自然にできている。
そこに休日アングラーが加わると厄介なことになる場合が多い。
休日しか釣りが出来ないのだからギラギラするのも無理はないが、声掛けもなく後から来て先に川に入ったり、すぐ隣の竿を振るのに邪魔なくらい近い距離に入られることもある。
やっぱり休日のサツキマス釣りは難しいのだろうな。
相当数の釣り師が竿を出していたが、僕が把握している限りでは今日はサツキマスは上がっていない。
次の遡上待ちの状況なのだろう。
そう考えて、今日はもうサツキマスは諦めて、エアマスターの曲がりやアタリの拾い具合を知りたくてアマゴ狙いに変更した。
郡上まで行くと込混み合っているし竿も長過ぎるので、アマゴは薄くなるが美濃市辺りでエアマスターを振ってみようと思った。
しかし、アマゴの顔は見ることが出来なかった。
一度だけアマゴらしきアタリがあったが、アワセた瞬間にチモトからハリスが切れた。
その他はウグイ。
金属穂先を搭載した新しいエアマスターだが、これまでは風が無い、若しくは弱い状態で、神経を集中していれば感じ取ることが出来るというくらいだった所謂「前アタリ」が、はっきりと確認できた。
言葉では言い表しにくいのだが、「おぉ~、餌をつついてるな、咥えているな、咥えて移動しているな」というのが竿を伝って手許にまで届く。
その後「ゴンゴン」という本アタリが出る。
これがメタルチューンの感覚なのだな、次はこれをアマゴで味わいたいなと思っていると、尺クラスのウグイが掛かる。
ウグイとは言え尺クラスになると最初だけは引きは強い。
試しに竿を曲げてみると、まだまだ充分答えられそうだ。
長さの比で言うと3:7の「3」くらいしか曲がっていない。
それでも絞ったときのパワーの掛かり方は先代エアマスターとよく似ている。
先代はどちらかというと「ぐにゃぐにゃ」「ブラ~ン」といった感じの調子だったが、その調子故に魚を不必要に暴れさせなかったし、糸を守ってくれたし、大物が掛かって竿を限界付近まで絞ったときには穂先が目の前まで降りてくるような感じがしたものだ。
あたかも元上から竿が曲がってくれているようだった。
新しいエアマスターでその調子がどうなっているか確認するには、やはりそれなりの大物が掛かってくれないと確かめようがない。
振ったときは「かなりシャンとしたな」という感想で、竿自体のパワー上がったような感じだったが、今日の使用感からすると、シャンとしただけでパワー自体は変わっていないのかもしれないと感じた。
いずれにしろ新しいエアマスターは益田川の一部のポイントと高原川で活躍してくれるだろう。
性能や特徴を確認するには、益田のアマゴがもっと大きくなって、高原の雪代が落ち着いてくれるまで待たねばならない。
そして補足しておくと、先代エアマスターを今振ってみると、「なんて軽い竿だったんだろう」と驚くことになる。
新しいエアマスターも、それだけを持っているならば特に持ち重り感はない。
先代と比べて50cm長くなった分だけモーメントが大きくなったように感じるだけだ。
しかし、先代と比べると確実に重い。
この重さが竿の操作にどう影響してくるのか、アワセのタイミングが遅れないかなど、次第に検証していかねばならない。
新しいエアマスターの話かサツキマスの話か分からなくなってしまいましたが、タイトル通り2015年版の「追憶のサツキマス」シリーズの開始です。
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