最近「釣り車のサンバー」から「釣り道具のサンバー」に昇格した、2017年の渓流シーズンを文字通り駆け抜けてくれたサンバー。
あの小さなボディで約7ヵ月間、13,000kmを走破してくれた。
そのサンバーのリコール情報を入手したのは8月下旬から9月にかけての頃だったか。
渓流釣りシーズンも佳境に入っていたので、リコールの点検・整備・部品交換などは禁漁となる10月に入ってからと思っていた。
昨シーズンまではBE(3代目レガシィB4。こともあろうにセダンである)で渓流釣りに行っていた。
不便ではあったが、何とか釣りには行けているのでこのままBEで釣りに行くつもりでいた。
もう古いクルマの部類ではあったが、遅いトラックが行く手を阻むようなときにも、たとえ釣り道具満載であっても楽に追い抜けるだけのパワーは、誰よりも先に川に降り立ちたいという思いを叶えるには好都合でもあった。
しかし、2016年の8月に、恐らく猪と思われる動物に衝突された。
左側後部のドアが凹んだ。
現在もそのままであるが、これ以上釣りに乗って行ってダメージを与えたくはないとの思いから、釣り車の購入を2016年のシーズンオフから考え始めた。
渓流釣りには地上高のあるクルマの方が悪路を行くに好都合と思ったが、いたずらにジムニー等を釣り車にした日には、間違いなく別の趣味が増えることになる懸念があった。
渓流釣りのシーズンオフには林道アタックをしたくて堪らなくなるだろう。
これ以上趣味を増やしても小遣いが無い。
ジムニーは諦めた方がよさそうだと判断した。
そうなると、細い道でも入って行けて荷物も乗せられて、座席を畳めば車中泊も可能な軽自動車の箱バンが最適だった。
自称スバリストの僕としては、軽箱バンを購入するのにサンバー以外を選ぶのは嘘だろうと、端っからサンバーの他には考えなかった。
そもそもスバルを好むドライバーは、その個性的なメカニズムや作用機構に惚れるのだ。
軽箱バンや軽トラなんてどれも同じと考える人には理解できないだろうが、サンバーは他の軽箱バンや軽トラとは設計思想や構造が根本的に異なる。
どうせ軽自動車だろうと舐めてかかってはいけない。
サンバーのことを知れば知るほど、サンバー以外には考えられなくなってきた。
しかしそのサンバーだが現在新車で購入できるのはダイハツのOEM供給によるもの。
独自の設計思想によるスバル内製のタマは中古で選ぶことになる。
5ナンバー乗用より4ナンバーの貨物の方が最低地上高が5mm高い。
標準装着のタイヤは4ナンバーの方が外径が小さい。
ならば、4ナンバーに5ナンバー用のタイヤを履かせれば地上高はもっと高くなり、190mmくらいにはなるのではないか。
190mmあればよほどの悪路ではない限り大丈夫だろうと考え、4ナンバーのタマを探したが、「四駆、MT、スーパーチャージャー付」という条件を出すと、4ナンバーだとか5ナンバーだとか選んでいられなかった。
取り敢えず今あるタマの中から程度の良いのを選ぶという感じで、結局僕の許にやってきたのは5ナンバー乗用だった。
最初は整備や手入れもそこそこに、完全に乗り潰すつもりでいたが、それがどうしてどうして・・・。
釣行回数を重ねるに連れ、要するにデートを重ねるに連れ、可愛くて堪らなくなってきた。
勿論僕はBEを手放すわけにはいかない。
生涯の伴侶にしたいくらい惚れこんでいるクルマだ。
これまで買い替えようと思ったことはない。
サンバーを迎え入れたのも、もともとはBEを長く大切に乗りたいからという思いがあったからだ。
それがサンバーにこんなに惚れてしまうことになるとは。
浮気ではなく本気で惚れてしまったのだから、もう一夫多妻制を敷くしかない。
BEも好きだがサンバーも好きだ。
仲良くやっていくしかない。
リコール対応をしてもらうためにディーラーへ行ってきた。
作業日の予約だけをするつもりだったが、ピットが空いていたのでそのまま対策部品への交換と点検を行ってもらった。
1時間程度という事前の説明だったが、30分くらいで終了した。
しかしその後、点検整備に宛てたのとほぼ同じくらいの時間を、メカニックの方は僕と話すことになった。
スバルのメカニックの方々は基本的にスバリストなのだろう。
整備後にクルマの話を始めると、凄く嬉しそうに回答してくれることが多い。
この日整備に当たってくれたメカニックの方も、自身でサンバーを所有しているというサンバー愛好者で、サンバーに関してたくさんご教示頂いた。
例えば赤帽サンバー。
赤帽用車両に搭載されるエンジンには、「赤帽」の名のごとく赤色のヘッドカバーが装着されるというのは有名な話だが、僕はその他の部品も専用のものが使われていると思っていた。
つまり、S401やS402などSTIが手掛けた車両のように、赤帽サンバー専用部品があると思っていたのだ。
ところが、整備等で部品を発注する際には特に赤帽用で品番やコードが異なることはないということだった。
「点火プラグは専用仕様のものが装着されますが、他は一般車両と何も違わないです。だからお客様のサンバーもその気になれば30万km、40万km走れます」と嬉しいことを言われた。
軽自動車で30万kmか。
なかなか実現は困難な話だろう。
エンジン本体の耐久性はあっても他の部品の耐久性が伴わないだろうし。
とは言え、「どうせ軽自動車だろう」と舐めてかかってはいけない素晴らしいクルマだということはよく分かった。
そんなサンバーの話を嬉しそうに話してくれたメカニックの方だが、果たしてトヨタの資本が入ってからのスバル車に対してはどんな感情を持っているのだろうかと思った。
僕は自身で自分を「スバリスト」だと思っている。
街往くスバルを見ると目で追うし嬉しくなる。
出先の駐車場にスバルが停めてあると近くに寄って眺めたくなるし、できれば隣に停めたい。
狭い道でのすれ違い、右左折時や進路変更、合流等の譲り合いなどで相手がスバルだと無礼な運転はできないと気が引き締まる。
複数車線での追い抜きや追い抜かれる相手がスバルだと、緊張感のない運転姿勢ではいけないと襟を正さなければならない思いに駆られる。
でも、そう思えてくるのはトヨタの資本が入ってくる前のスバルに対してだ。
国内市場を見棄てて北米にシフトしたり、MTをラインアップしなくなったり、そもそもトヨタに乗っていたユーザーが「あれいいね!」と選ぶようなクルマになってからのスバルには同胞意識は感じない。
未舗装路を、泥や泥水の飛沫を跳ね上げながら駆け抜けていくのが似合うスバルにしか同胞意識は感じない。
※トヨタの悪口を言っているのではないので誤解なきようよろしくお願いします
皆思っているよ。
スバリストのスバル離れが著しい昨今だが、それはスバリストたちは、スバルがスバルらしかった頃のスバルが好きだからだ。
正直、現在新車で買えるスバルのオーナーになりたいとは思わない。
サンバーは平成19年式で走行91000km。
まだ走れる。
BEは平成15年4月登録。
新車で購入して現在19万1千km走行。
いつまで走れるかな。
※繰り返しますが、トヨタの悪口を言っているのではないので誤解なきようよろしくお願いします。
鮭一さんが感じているようにずいぶんとビジネスライクなメーカーになりましたね。
SUBARUがサンバーをやめてしまったのは、本当に残念。私の弟は、SUBARUが作っていたころのサンバートラックを中古で買って乗っていますよ。
おお、スバル乗りでいらっしゃいましたか。
あの走りに惚れるとスバルでなければ乗れなくなりますよね。
「レヴォーグは往年のスバルファンが泣いて喜びそうなディティールなのにMTはないのか、これも時代の流れだな」と発売当時に少し寂しく思ったものです。
やむをえませんね。
アイサイトを前面に打ち出したいメーカーの意向がありますからね。
僕は今乗っているスバルがとても気に入っているのでまだ買い替えるつもりはないのですが、なんだかんだ残念だとか言いながらも、次に選ぶクルマはやっぱりスバルのような気がします。
ところでレヴォーグだと、山の方に行ったときに顎を擦ったりしませんか?
フロントのオーバーハングがかなり長く見えて人様のクルマとは言え気懸りです。
フォレスターあたりを選ぶのが堅実だと思いますが、SUBARUのダウンサイジングターボが気になったものですから。
地上高も低めのスタイリッシュなクルマですものね。
僕はBEが猪にぶつけられたときに、フォレスターとかランカスターの増車も一瞬だけ脳裏をよぎりました。
アウトバックでなくランカスターのMTを中古でと真剣に考えました(笑)
結局維持を考えてサンバーにしましたが。
それはそうと、よく考えてみたらBL?てことはセダンじゃないですか。
セダンで渓に行く釣り師なんて僕くらいのものだと思っていました(笑)