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精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

政務調査費の使途

2009年06月28日 10時38分01秒 | 議会・地方自治
 6月定例会の会は代表者会議で、おかしな議論があった。私はメンバーではないが、若干傍聴していたのでコメントしたい。
 きっかけは、たぶん町内在住者のホームページで「会派だよりの新聞折り込みに政務調査費を使うのはおかしい」というコメントだと思われる。個々の住民の思い・考え方は理解できる。ただ、それを書かれたからといって、うろたえすぎである。
 政務調査費は、いわば議会会派の事務費である。私たち地方議員は、税金から受け取れる範囲が限定されている。それは、議員報酬・期末手当・費用弁償・政務調査費のみである。すべて条例で規定されている。それ以外は、「通勤手当」「事務費」などの名目で受け取ることは法的にできない。政務調査費は、名前は調査費なので視察や資料購入に充てられると思いがちだが、実際はもう少し広い使途がどこの議会でも認められている。いわば、首長と議員は対等の関係であるという前提で、公費による活動を認められているのである。ただ、首長と違うのは、首長が1人であるのに対して、議会は多人数いて会派もいくつかあるということだ。精華町でも町の広報には、客観記事だけでなく町長の「コラム」的な記事も掲載されている。いいことだと思う。議会だよりもあるが、ここには原則として議員個人の思い(コラム)は書けない。客観的な記事が原則とされている。
 さて、話を戻して、政務調査費は補助金でもある。実際に、私も私の会派も政務調査費の範囲の金額だけで活動はまかないきれていない。議員報酬から研修費・交通費・資料購入費・会議費などの一部を身銭を切って活動している。私に関して言えば、年収の2割程度を充てている。公務員であろうと民間サラリーマンであろうと、原則公費で仕事をしているのではないかと思う(もちろん自己啓発的な費用は自己負担だろうが)。また、議員の中には、私のような政党公認議員もいれば、完全無所属議員もいる。議員報酬以外の収入の有無もいろいろである。だから、できるだけ幅広く使途を認めてあげないと、実質的な議員間の公平さは確保できない。前述のような会派だより(共産党会派の場合は「精華民報」という名前のもの)の配り方であるが、私たちは通常、自分達と後援会の方で手まきしている。お金がないからだ(折り込むと1回3~4万円かかる)。しかし、もし緊急的に知らせなければならないことがあれば、新聞折込にする場合もあり得る。議員の中には、経済的に豊かな方もいる。そういう議員が大量のアルバイトを雇って手まきすることもできる。もし、新聞折り込みを禁止したら、金のある議員・会派はいつでもアルバイトを雇って広報できるが、金のない議員・会派は何日もかかって場合によっては地域を限定せざるを得なくなる場合もある。これでは不公平であるし、前述のような緊急的な場合に、各議員・会派の見解を住民に知らせる前にものごとが決まってしまうこともある。
 要するに、政務調査費の使途は、可能な限り広く認めながら、実際に範囲100%使うかは、それぞれの議員・会派の実情と考え方に任すしかない。その結果を、個々の住民がそれぞれの考え方で評価すればいいのである。私たちの会派も、視察関係・広報関係・資料購入関係・住民との対話関係など、できるだけバランスよく使うようにしている。また、政務調査費で使えるものも、自主的に避けて個人負担にしている費目もある。全国的には、政務調査費の大半を視察に使っている議会や会派がある。私としては疑問に思うが、個々意味があったのかなかったのか、それが許されるのかは、その地域の住民が評価することである。それが、地方自治でもある。
 住民の方にお願いしたいのは、形式のみにとらわれず、個々の議員・会派の活動の中味を批評してほしい。上記の例では、「手まきしているが、中味のない会派だより」と「新聞折り込みだが、内容的には納得できる会派だより」があれば、どちらを評価するかということだ。
コメント
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