今年も終戦記念日が巡ってきた。いつもの通り、日和山公園内にある酒田市招魂祭殿に眠る2340柱の英霊にお参りをした。戦地に命を散らした人々、惨禍の犠牲となった日本、アジアの人々に改めて哀悼の誠をささげ、平和であり続けられるよう祈念した。
今年の遺族会が主催する「戦没者を追悼し、平和を祈念する8月15日の集い」は簡素化されていた。昨年までは太平洋戦争を振り返る研修会があり、ビデオでの学習会もあった。正午の時報に合わせて全国戦没者追悼式と一緒に黙とうもした。「酒田市遺族会会長が代わり、遺族の高齢化も進み簡素化した」と説明があった。これも69年経過した変遷なのか。戦時下を必死に生き抜き、良し悪しは別として命令に従い情熱をもって任務を遂行した、当時の心と知恵の検証なしに戦後は語れない。戦争の惨禍を風化させることなく当時の生きた重い証言を語り継いでいかねばならない責任が、私たちにはある様に思える。
平和は万民の願いである。しかし、現実は世界のどこかで戦争や殺戮が絶えない。ナショナリズムの対立、宗教の対立、利権の対立、秩序を保つのは弱肉強食だけなのだろうか。人類に与えられた知性はそれを克服できるものと信じたい。そのための不断の努力を誓う日が8月15日なのだと改めて肝に銘じたところである。
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