気の迷い

といっても、ジョシに横恋慕したなんて老いらくの恋の話でもない。
そんなものは気の迷いではなく「ホンキの恋」なのである（苦笑）。
気の迷いというのはカメラの話である。
たまにはカメラの話でもしないと”写真日記”の名前に恥じるというものだろう。
と言いつつ、どこかのだれかみたいにカメラを買うことが趣味なんて高尚なものを持ち合わせていないので、所有しているカメラなどわずかである。
いつも使うカメラはコンデジで、それで十分”実力”に見合った写りをするので文句はない。
文句はないが不満はある。
コンデジはスイッチを入れるとジーとレンズが出てきて撮影開始できるまでしばらく時間がかかる。
今持っているものは、設定が完了するまで5秒ぐらいかかる。
その間ジッと路上に佇んでいるのだから不審者だ。
これがマニュアルのフィルムカメラだと待つ必要もなく構えればすぐにシャッターが切れて傑作が撮れる（ことも時にはあるかもしれないと期待を抱かせる場合もわずかであるがないこともない気がしないでもない）。
現在使用している口絵はカシオのコンデジで、これはスイッチを入れてすぐに撮れて便利だったが寿命で死んだ。
こんな便利なカメラが今もないかと探したのが気の迷いであった。
ないのである。
あるにはあるが気に入らない。
デジカメってなんでも盛り込んである万能カメラなんだろうけど、万能は煩悩であって覚めるとなんだかなぁって思ってしまうんだよね。
究極のスナップカメラみたいに言われるリコーのGRは28mmレンズで、どうして40mmが出ないのかと不思議なんだけど、みんな28mmがスナップサイズだと言わんばかりに”愛用”しているけど、”それに見合った”写真を見たことがないのは余計なお世話なのかもしれないな。
まあ単にポケットから取り出してすぐに撮影できるカメラがあれば便利なのになぁという話なんで、それを求めるってことが気の迷いであるわけである。
カメラで写真が上手くなるわけではないしね。
「持つ喜び」なんてことを言う人もいるが、唯一持つ喜びがあるのはお金だけでしょ。



三春町の街並み 3
神奈川県横須賀市三春町1丁目
撮影 2015年9月5日 土曜日 14時15分