この度の「東北地方太平洋沖地震」に於きまして、被災されました方々、並びにご家族・ご親戚の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
2011年 第二弾としてご紹介する予定の雛達が孵っておりますが、今週初めから孵化し始めたので、ご紹介はもう少し時間が掛かります。
現在は、グリーン♂×ダークグリーン♀の雛1羽とスパングルコバルトSF♂×スパングルコバルトSF♀の雛1羽が孵っております。
ペアリングした親鳥の中でも、また、問題が発生しました。
何と、クリームイノ レースウィング♀と再ペアしたルチノーがまたしても♀の様で、2羽共、巣箱に籠もり下腹部が大きくなっています。
さて、主題のサザナミについての考察 その2では、スパングル(Spangle)について、色々と調査致しました。
その結果、以前の「サザナミのカラーバリエーション」でも触れておりますが、Spangle(スパングル)と言う表現が大変疑問に成ってきました。
サザナミのスパングルは2000年にベルギーで誕生しました。
ベルギー及びオランダでは、SL Grijsvleugel(英語表記:SL Graywing)です。
以前ご紹介しました通り、欧州ではGreywing, Cinamonと言う表現で米国ではDilute, Edged, Pastelと言う表現があります。
しかし、スパングル(Spangle)と言う表現は、セキセイやオカメ、ラブバードでは日本を含めて各国で使われておりますが、海外ではサザナミには使用しておりません。
(米国のごく一部と英国のごく一部ではスパングルと言う表現をしているブリーダーがいる様ですが…。)
今回は、この疑問を深く掘り下げて調査致しました。
まず、外観的ですがサザナミのスパングルが、その語源であるスパンコールに見えるでしょうか?
サザナミの羽模様から言うと、ノーマルでも羽の縁に黒色の輪郭があるので、スパンコール模様に見えるのは私だけでしょうか?
ブルー(ノーマル)
スパングルブルーDF
そこで、遺伝の観点から調べて見ることに致しました。
サザナミインコ ノーマル及びイノ系
【常染色体優性遺伝】(A-C-D)
グリーン
【常染色体中間遺伝】(A-Co-D)
Dグリーン、オリーブ
【常染色体劣性遺伝】(A-R)
ブルー、コバルト、モーヴ
【性染色体劣性遺伝】(S-L-R)
ルチノー、クリームイノ
そして一般的なスパングル(セキセイ、オカメ他)は、常染色体不完全優性遺伝(A-I-D)です。
ところが、サザナミのスパングルは、性染色体中間遺伝(S-L-Co-D)となります。
*インコ類で性染色体中間遺伝は現在の所、サザナミインコのみで確認されています。
因みに、Greywingは常染色体中間遺伝(A-Co-D)、Cinamonは性染色体劣性遺伝(S-L-R)、Diluteは常染色体劣性遺伝(A-R)です。
と言う事で、実際はサザナミインコと同じ変異は無いのです。
そこで、発祥の地であるベルギーでは、SL(Sex-Link:性染色体)を前に付けて、一番近いGreywing(A-Co-D)を適用している様です。
現在の状況では、欧州及び米国でもSL Graywing表記が多くなって来ています。
ここで、SLグレイウイング(SL Graywing)の遺伝確率をご紹介致します。
(日本でも、スパングルの遺伝確率として、表記されているのを目にしたことがありますが、常染色体不完全優性遺伝で考えている為、間違っている物も多いので、正しく表記します。)
【SL SFグレイウイング♂×ノーマル♀】
25% ♂ SL SFグレイウイング(Zd Z-)
25% ♂ ノーマル(Z- Z-)
25% ♀ SL SFグレイウイング(Zd W)
25% ♀ ノーマル(Z- W)
【SL DFグレイウイング♂×ノーマル♀】
50% ♂ SL SFグレイウイング(Zd Z-)
50% ♀ SL SFグレイウイング(Zd W)
【ノーマル♂×SL SFグレイウイング♀】
50% ♂ SL SFグレイウイング(Z- Zd)
50% ♀ ノーマル(Z- W)
【SL SFグレイウイング♂×SL SFグレイウイング♀】
25% ♂ SL DFグレイウイング(Zd Zd)
25% ♂ SL SFグレイウイング(Z- Zd)
25% ♀ SL SFグレイウイング(Zd W)
25% ♀ ノーマル(Z- W)
【SL DFグレイウイング♂×SL SFグレイウイング♀】
50% ♂ SL DFグレイウイング(Zd Zd)
50% ♀ SL SFグレイウイング(Zd W)
*ノーマルは、ルチノー、クリームイノを除く各色です。
*ZとWは染色体を表示しています。dは対立遺伝子です。
*染色体遺伝は伴性遺伝とも言われ、♂と♀の性別組合せにより、産まれて来る仔の内容が異なります。
(イノ系も同様です。)
*SLグレイウイングでは♀のDFは存在しません。
(♀はZ染色体が1つで、♂の様に2つ無い為です。)
*外見的には、SL DFグレイウイング♂とSL SFグレイウイング♀の発色は同じですので、区別は付きません。
また、上記にてSF(シングルファクター)、DF(ダブルファクター)と言う英語表記をしておりますが、オランダ語圏の場合は、DFは同じですが、SFはEF(Enkel:シングルの意味)となります。
従いまして、従来、日本で言われていた常染色体不完全優性遺伝のスパングル因子と言うのは大きな間違いになります。
SLグレイウイング(日本ではスパングルと呼ばれている。)の因子は、まだ、名前が決まっていないのです。
欧米では、サザナミの協会が多数あり、品種名としてはSL ** グレイウイング(**:SF/EFまたはDF)で統一する動きがありますので、そうなるとSLグレイウイング因子となるのでしょうか?!
前記の通り、ベルギーで2000年に誕生したSLグレイウイングですが、当初は正式な名前が決まっていなかったので、色々と名前が付けられてしまった様です。
数年前に日本に輸入された時も、輸出業者、輸入業者、販売業者のいずれかが、スパングルと言う名前をつけてしまい、それが使われてしまった為に、日本だけ誤った品種名を使っていると思います。
折角、日本ではサザナミインコと言う大変良い名前があるこのインコの品種名が、日本だけ間違っているというのは非常に悲しいことです。
日本では、どうすれば良いのでしょうか?!
欧米と合わせた品種名ですと以下の様になります。
・SL SFグレイウイング グリーン
・SL DFグレイウイング グリーン
・SL SFグレイウイング ダークグリーン
・SL DFグレイウイング ダーク グリーン
・SL SFグレイウイング オリーブ
・SL DFグレイウイング オリーブ
・SL SFグレイウイング ブルー
・SL DFグレイウイング ブルー
・SL SFグレイウイング コバルト
・SL DFグレイウイング コバルト
・SL SFグレイウイング モーヴ
・SL DFグレイウイング モーヴ
良識ある皆様のご意見を伺いたいと思っております。
お手数ですが、コメントよりご意見をお願い申し上げます。
宜しければ、下のバナーをクリックして下さい!
にほんブログ村
2011年 第二弾としてご紹介する予定の雛達が孵っておりますが、今週初めから孵化し始めたので、ご紹介はもう少し時間が掛かります。
現在は、グリーン♂×ダークグリーン♀の雛1羽とスパングルコバルトSF♂×スパングルコバルトSF♀の雛1羽が孵っております。
ペアリングした親鳥の中でも、また、問題が発生しました。
何と、クリームイノ レースウィング♀と再ペアしたルチノーがまたしても♀の様で、2羽共、巣箱に籠もり下腹部が大きくなっています。
さて、主題のサザナミについての考察 その2では、スパングル(Spangle)について、色々と調査致しました。
その結果、以前の「サザナミのカラーバリエーション」でも触れておりますが、Spangle(スパングル)と言う表現が大変疑問に成ってきました。
サザナミのスパングルは2000年にベルギーで誕生しました。
ベルギー及びオランダでは、SL Grijsvleugel(英語表記:SL Graywing)です。
以前ご紹介しました通り、欧州ではGreywing, Cinamonと言う表現で米国ではDilute, Edged, Pastelと言う表現があります。
しかし、スパングル(Spangle)と言う表現は、セキセイやオカメ、ラブバードでは日本を含めて各国で使われておりますが、海外ではサザナミには使用しておりません。
(米国のごく一部と英国のごく一部ではスパングルと言う表現をしているブリーダーがいる様ですが…。)
今回は、この疑問を深く掘り下げて調査致しました。
まず、外観的ですがサザナミのスパングルが、その語源であるスパンコールに見えるでしょうか?
サザナミの羽模様から言うと、ノーマルでも羽の縁に黒色の輪郭があるので、スパンコール模様に見えるのは私だけでしょうか?
ブルー(ノーマル)
スパングルブルーDF
そこで、遺伝の観点から調べて見ることに致しました。
サザナミインコ ノーマル及びイノ系
【常染色体優性遺伝】(A-C-D)
グリーン
【常染色体中間遺伝】(A-Co-D)
Dグリーン、オリーブ
【常染色体劣性遺伝】(A-R)
ブルー、コバルト、モーヴ
【性染色体劣性遺伝】(S-L-R)
ルチノー、クリームイノ
そして一般的なスパングル(セキセイ、オカメ他)は、常染色体不完全優性遺伝(A-I-D)です。
ところが、サザナミのスパングルは、性染色体中間遺伝(S-L-Co-D)となります。
*インコ類で性染色体中間遺伝は現在の所、サザナミインコのみで確認されています。
因みに、Greywingは常染色体中間遺伝(A-Co-D)、Cinamonは性染色体劣性遺伝(S-L-R)、Diluteは常染色体劣性遺伝(A-R)です。
と言う事で、実際はサザナミインコと同じ変異は無いのです。
そこで、発祥の地であるベルギーでは、SL(Sex-Link:性染色体)を前に付けて、一番近いGreywing(A-Co-D)を適用している様です。
現在の状況では、欧州及び米国でもSL Graywing表記が多くなって来ています。
ここで、SLグレイウイング(SL Graywing)の遺伝確率をご紹介致します。
(日本でも、スパングルの遺伝確率として、表記されているのを目にしたことがありますが、常染色体不完全優性遺伝で考えている為、間違っている物も多いので、正しく表記します。)
【SL SFグレイウイング♂×ノーマル♀】
25% ♂ SL SFグレイウイング(Zd Z-)
25% ♂ ノーマル(Z- Z-)
25% ♀ SL SFグレイウイング(Zd W)
25% ♀ ノーマル(Z- W)
【SL DFグレイウイング♂×ノーマル♀】
50% ♂ SL SFグレイウイング(Zd Z-)
50% ♀ SL SFグレイウイング(Zd W)
【ノーマル♂×SL SFグレイウイング♀】
50% ♂ SL SFグレイウイング(Z- Zd)
50% ♀ ノーマル(Z- W)
【SL SFグレイウイング♂×SL SFグレイウイング♀】
25% ♂ SL DFグレイウイング(Zd Zd)
25% ♂ SL SFグレイウイング(Z- Zd)
25% ♀ SL SFグレイウイング(Zd W)
25% ♀ ノーマル(Z- W)
【SL DFグレイウイング♂×SL SFグレイウイング♀】
50% ♂ SL DFグレイウイング(Zd Zd)
50% ♀ SL SFグレイウイング(Zd W)
*ノーマルは、ルチノー、クリームイノを除く各色です。
*ZとWは染色体を表示しています。dは対立遺伝子です。
*染色体遺伝は伴性遺伝とも言われ、♂と♀の性別組合せにより、産まれて来る仔の内容が異なります。
(イノ系も同様です。)
*SLグレイウイングでは♀のDFは存在しません。
(♀はZ染色体が1つで、♂の様に2つ無い為です。)
*外見的には、SL DFグレイウイング♂とSL SFグレイウイング♀の発色は同じですので、区別は付きません。
また、上記にてSF(シングルファクター)、DF(ダブルファクター)と言う英語表記をしておりますが、オランダ語圏の場合は、DFは同じですが、SFはEF(Enkel:シングルの意味)となります。
従いまして、従来、日本で言われていた常染色体不完全優性遺伝のスパングル因子と言うのは大きな間違いになります。
SLグレイウイング(日本ではスパングルと呼ばれている。)の因子は、まだ、名前が決まっていないのです。
欧米では、サザナミの協会が多数あり、品種名としてはSL ** グレイウイング(**:SF/EFまたはDF)で統一する動きがありますので、そうなるとSLグレイウイング因子となるのでしょうか?!
前記の通り、ベルギーで2000年に誕生したSLグレイウイングですが、当初は正式な名前が決まっていなかったので、色々と名前が付けられてしまった様です。
数年前に日本に輸入された時も、輸出業者、輸入業者、販売業者のいずれかが、スパングルと言う名前をつけてしまい、それが使われてしまった為に、日本だけ誤った品種名を使っていると思います。
折角、日本ではサザナミインコと言う大変良い名前があるこのインコの品種名が、日本だけ間違っているというのは非常に悲しいことです。
日本では、どうすれば良いのでしょうか?!
欧米と合わせた品種名ですと以下の様になります。
・SL SFグレイウイング グリーン
・SL DFグレイウイング グリーン
・SL SFグレイウイング ダークグリーン
・SL DFグレイウイング ダーク グリーン
・SL SFグレイウイング オリーブ
・SL DFグレイウイング オリーブ
・SL SFグレイウイング ブルー
・SL DFグレイウイング ブルー
・SL SFグレイウイング コバルト
・SL DFグレイウイング コバルト
・SL SFグレイウイング モーヴ
・SL DFグレイウイング モーヴ
良識ある皆様のご意見を伺いたいと思っております。
お手数ですが、コメントよりご意見をお願い申し上げます。
宜しければ、下のバナーをクリックして下さい!
にほんブログ村
協会作ったほうが良いですね。デザイナーとしてなら微力ながらお手伝いできまする(笑)