さざなみいんこ どっとこむ

サザナミインコの普及を目指しています。
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サザナミについての考察 その12

2011-10-21 13:35:28 | サザナミインコ
前回、私共 さざなみいんこ どっとこむにおりますSL SFグレイウイングのスプリット イノ♂のペアを例に遺伝についてご説明致しましたが、もう1ペア居ることが判りました。

今回判明したペアは下記の通りです。
【SL SFグレイウイング オリーブ/イノかイノ+ブルー♂×SL SFグレイウイング ブルー♀】
このペアの雛の中に赤目ちゃんが居ましたので、判明致しました。
下の写真が、このペアの雛達です。


このペアの遺伝計算は以下の通りです。
【SL SFグレイウイング オリーブ/イノ♂×SL SFグレイウイング ブルー♀】
12.5% ♂ SL DFグレイウイング ダークグリーン/ブルー
12.5% ♂ SL DFグレイウイング ダークグリーン/イノ+ブルー
12.5% ♂ SL SFグレイウイング ダークグリーン/ブルー
12.5% ♂ SL SFグレイウイング ダークグリーン/イノ+ブルー
12.5% ♀ SL SFグレイウイング ダークグリーン/ブルー
12.5% ♀ SL SFグレイウイング ルチノーDd/ブルー
12.5% ♀ ダークグリーン/ブルー
12.5% ♀ ルチノーDd/ブルー

【SL SFグレイウイング オリーブ/イノ+ブルー♂×SL SFグレイウイング ブルー♀】
6.25% ♂ SL DFグレイウイング ダークグリーン/ブルー
6.25% ♂ SL DFグレイウイング ダークグリーン/イノ+ブルー
6.25% ♂ SL DFグレイウイング コバルト
6.25% ♂ SL DFグレイウイング コバルト/イノ
6.25% ♂ SL SFグレイウイング ダークグリーン/ブルー
6.25% ♂ SL SFグレイウイング ダークグリーン/イノ+ブルー
6.25% ♂ SL SFグレイウイング コバルト
6.25% ♂ SL SFグレイウイング コバルト/イノ
6.25% ♀ SL SFグレイウイング ダークグリーン/ブルー
6.25% ♀ SL SFグレイウイング コバルト
6.25% ♀ SL SFグレイウイング ルチノーDd/ブルー
6.25% ♀ SL SFグレイウイング クリームイノDd
6.25% ♀ ダークグリーン/ブルー
6.25% ♀ コバルト
6.25% ♀ ルチノーDd/ブルー
6.25% ♀ クリームイノDd

何れの場合も12.5%の確率ですが、赤目(ルチノー・クリームイノ)としては50%の確率でSL SFグレイウイングとなります。
残念ながら、♀がSL SFグレイウイング ブルーですので、♂のSL SFグレイウイング ルチノー・クリームイノは出ません。

さて、このペアですが今回、自分達で子育てをするのが初めてです。
それでも♂親も頻繁に給餌を行なっています。
このペアは、今まで、何度も産卵はしていましたが、何れも巣箱以外で産卵・抱卵をしてしまい孵化に至らなかったからです。
他の親に抱卵を頼んで、孵化した実績はありました。

今回も、どうしても巣箱に入らないので、ケージの糞きり網を外して、底板部分全面に巣材を敷き詰めて、その上に新聞紙を5枚重ねて見ました。


因みにケージは、マルカン バードパレス・キングで、巣材はサンコー バードマットです。

今回は、巣材を入れてセットしたところ、早々に♂が巣作りをして、その後は♀が入りっきりでしたのでそろそろかなと思っていると数日前に孵化が始まり、昨日までに3羽が孵りました。
まだ、卵も3つあります。
皆さんも、もし、巣箱に入らないペアが居ましたら、試してみて下さい。

次回は、この雛達の成長をご報告します。

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サザナミについての考察 その11

2011-10-10 09:53:07 | サザナミインコ
さて、前回、サザナミインコの新しい品種 SLグレイウイング クリームイノ (SLG クリームイノ)とSLグレイウイング ルチノー (SLG ルチノー)につきまして、ご報告させて頂きました。

サザナミインコでは今の所、レースウィング(シナモンイノ)はまだ確認されていないという事と、レースウィングと誤って呼ばれていた品種はSLグレイウイング クリームイノ (SLG クリームイノ)とSLグレイウイング ルチノー (SLG ルチノー)であるということを改めてお知らせさせて頂きます。

今回は私共 さざなみいんこ どっとこむにおりますSL SFグレイウイングのスプリット イノ♂のペアを例にSLグレイウイング クリームイノ (SLG クリームイノ)とSLグレイウイング ルチノー (SLG ルチノー)の遺伝についてご説明して行きたいと思います。

その前に、近日、里親様にお渡しする予定の2羽をご紹介致します。

左側がSL SF/DFグレイウイング オリーブのサニーちゃんです。
右側がSL SFグレイウイング コバルト♀のうぶげちゃんです。
どちらも母鳥の影響か大変、体格がよく標準より少し大きめです。
一昨日から完全一人餌で、大変、馴れていて呼ぶと直ぐに着ます。
さざなみいんこ どっとこむブリードのご紹介でした。

では、本題に移り私共のSL SFグレイウイングのスプリット イノ♂のペアについての遺伝をご説明致します。
私共に居りますSL SFグレイウイングのスプリット イノ♂のペアは下記の通りです。
【SL SFグレイウイング グリーン/イノ♂×SL SFグレイウイング モーヴ♀】
【SL SFグレイウイング コバルト/イノ♂×SL SFグレイウイング コバルト♀】
*♂同士は兄弟です。

さて、それではそれぞれどの位の確率でSLグレイウイング ルチノー (SLG ルチノー)とSLグレイウイング クリームイノ (SLG クリームイノ)が生まれるかを計算して見たいと思います。

【SL SFグレイウイング グリーン/イノ♂×SL SFグレイウイング モーヴ♀】
12.5% ♂ SL DFグレイウイング ダークグリーン/ブルー
12.5% ♂ SL DFグレイウイング ダークグリーン/イノ+ブルー
12.5% ♂ SL SFグレイウイング ダークグリーン/ブルー
12.5% ♂ SL SFグレイウイング ダークグリーン/イノ+ブルー
12.5% ♀ SL SFグレイウイング ダークグリーン/ブルー
12.5% ♀ ダークグリーン/ブルー
12.5% ♀ SL SFグレイウイング ルチノーDd/ブルー
12.5% ♀ ルチノーDd/ブルー

この場合は、♂がグリーン系ですのでSL SFグレイウイング ルチノー♀が出ますが、その確率は12.5%となります。
赤目(ルチノー)としては50%の確率でSL SFグレイウイングとなります。(ルチノーとSLGルチノーが半々です。)
しかし、♀がSL SFグレイウイング モーヴですので、♂のSL SFグレイウイング ルチノーは出ません。
♂が生まれて、且つ、確率を上げる為には、♀をSL SFグレイウイング ルチノーとするのが良いと思います。

【SL SFグレイウイング コバルト/イノ♂×SL SFグレイウイング コバルト♀】
3.125% ♂ SL DFグレイウイング ブルー
6.250% ♂ SL DFグレイウイング コバルト
3.125% ♂ SL DFグレイウイング モーヴ
3.125% ♂ SL DFグレイウイング ブルー/イノ
6.250% ♂ SL DFグレイウイング コバルト/イノ
3.125% ♂ SL DFグレイウイング モーヴ/イノ
3.125% ♂ SL SFグレイウイング ブルー
6.250% ♂ SL SFグレイウイング コバルト
3.125% ♂ SL SFグレイウイング モーヴ
3.125% ♂ SL SFグレイウイング ブルー/イノ
6.250% ♂ SL SFグレイウイング コバルト/イノ
3.125% ♂ SL SFグレイウイング モーヴ/イノ
3.125% ♀ SL SFグレイウイング ブルー
6.250% ♀ SL SFグレイウイング コバルト
3.125% ♀ SL SFグレイウイング モーヴ
3.125% ♀ ブルー
6.250% ♀ コバルト
3.125% ♀ モーヴ
3.125% ♀ SL SFグレイウイング クリームイノdd
6.250% ♀ SL SFグレイウイング クリームイノDd
3.125% ♀ SL SFグレイウイング クリームイノDD
3.125% ♀ クリームイノdd
6.250% ♀ クリームイノDd
3.125% ♀ クリームイノDD

こちらは、♂がブルー系ですのでSL SFグレイウイング クリームイノ♀が出ますが、その確率は12.5%となります。
赤目(クリームイノ)としては50%の確率でSL SFグレイウイングとなります。(クリームイノとSLGクリームイノが半々です。)
しかし、♀がSL SFグレイウイング コバルトですので、♂のSL SFグレイウイング クリームイノは出ません。
♂が生まれて、且つ、確率を上げる為には、♀をSL SFグレイウイング クリームイノとするのが良いと思います。

この様にSL SFグレイウイングのスプリット イノ♂に掛け合わせることにより、比較的容易にSLグレイウイング クリームイノ (SLG クリームイノ)とSLグレイウイング ルチノー (SLG ルチノー)を得ることが出来ますが、圧倒的に♀の確率が高くなります。
従いまして、♂親がSL SFグレイウイングのスプリット イノの場合、♀親はルチノー・クリームイノ・SLグレイウイング クリームイノ・SLグレイウイング ルチノーを用いないと、♂のSLグレイウイング クリームイノ・SLグレイウイング ルチノーを得ることは出来ません。

一番容易いのは、生まれてきた♀のSLグレイウイング クリームイノ (SLG クリームイノ)とSLグレイウイング ルチノー (SLG ルチノー)を戻し交配すれば良いのですが、このケースでは父親と娘と言うインブリード(近親交配)でも一番血が濃くなりますので、一般的に行ないません。
従って、別系統のSL SFグレイウイングのスプリット イノを用意して交配をする必要があります。

因みに私共のSLグレイウイング クリームイノ 2羽は何れもDNA性別鑑定の結果♀でした。
SLグレイウイング クリームイノとSLグレイウイング ルチノーの♂は、意図して交配しないと偶然では難しいと思います。

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サザナミについての考察 その10

2011-10-01 15:12:58 | サザナミインコ
「サザナミについての考察」シリーズも早い物で、「その10」になりました。
3月の「サザナミについての考察 その2」では、日本で「スパングル」と呼ばれている品種について遺伝的にスパングルと呼ぶのはおかしいと問題提起させて頂き、欧米でスタンダードとなる「SLグレイウイング」が適切な品種名であることをご報告させて頂きましたが、今だ 国内ではスパングルという呼称が多く使用されていることは、誠に残念に思います。

欧米では、「DILUTE」「EDGED」「PASTEL」「CINNAMON」など色々な品種名で呼ばれておりましたが、各国の各サザナミインコの協会が正式に「SLグレイウイング」という品種名で統一を計る様に推進しております。
また、略称では「SLG」を使用しております。
例. SL DFグレイウイング コバルト → DF SLG コバルト

今回は、サザナミインコの「レースウィング」は本当にレースウィングなのかと言う疑問を解明致しました。
この件につきましては、今年6月にまぁこさんから情報を頂き、先月にはひろりんさんから同様の情報を頂きまして、今回、オランダ・ベルギーのブリーダや各協会・機関を中心に調査して、結論を得る事が出来ました。
お二人の情報提供に関しまして、この場をお借りしてお礼申し上げます。

サザナミインコの「レースウィング」と呼ばれている個体の写真は以下の通りです。(こちらはクリームイノ タイプです。)


サザナミインコの「レースウィング」ですが、この品種は私が知る限りでは 2005年にオランダのゴーダ地方(チーズで有名な所です。)のブリーダにより発見されました。
その時に外観から見て「レースウィング」と言う名前で呼ばれた様です。

しかし、インコの品種名では「レースウィング」と言う品種は、遺伝的にシナモン因子とイノ因子が遺伝子の乗換え(クロッシング オーバー)により偶然に発生したものを指し、別名を「シナモンイノ」と呼ばれています。
この遺伝子の乗換え(クロッシング オーバー)はZ遺伝子を2つ持つ♂(オス)でしか発生しませんので、まずこの偶発的に発生した♂の「レースウィング」を得るところから始まります。

さて、ではこのサザナミインコの場合はどうかと言うと、これが全く異なります。
サザナミインコのレースウィングと呼ばれたものは、SL SFグレイウイングのスプリット イノ♂の掛け合わせにより発生していたのです。 
それも、偶発的ではありません。
しかし、発生するのは全て♀(メス)なのです。

従いまして、この時点でこのサザナミインコの品種はレースウィングでは無いことが明らかです。
ではこのサザナミインコの新しい品種は何かと言えば、SLグレイウイング クリームイノSLグレイウイング ルチノーと言うことになります。

他のSLグレイウイングと同様に♂はDF(ダブルファクター)とSF(シングルファクター)が居り、♀はSF(シングルファクター)のみとなります。
♂のDFは外見上 ♀のSFと同じで写真の通り、羽や胸・腰部分に薄っすらと墨で汚れた様な模様が出ますが、この模様の濃淡は個体差が大きく大変薄いものも居ります。
これに対して、♂のSFには殆ど特徴が見られず、クリームイノ・ルチノーとの違いが見出せません。
それで、♀しか生まれないと思われていました。

また、クリームイノ・ルチノーと同様にダーク因子が隠れ因子として存在しますのでdd, Dd, DDが居ります。
ルチノーにはスプリット ブルーも存在します。

従いまして、下記の品種が居ります。
【SLGクリームイノ】                       
・SL DFグレイウイング クリームイノ(dd,Dd,DD)    
・SL SFグレイウイング クリームイノ(dd,Dd,DD)♂    
・SL SFグレイウイング クリームイノ(dd,Dd,DD)♀ 
 
【SLG ルチノー】
・SL DFグレイウイング ルチノー(dd,Dd,DD)
・SL SFグレイウイング ルチノー(dd,Dd,DD)♂
・SL SFグレイウイング ルチノー(dd,Dd,DD)♀
・SL DFグレイウイング ルチノー(dd,Dd,DD)/ブルー
・SL SFグレイウイング ルチノー(dd,Dd,DD)/ブルー♂
・SL SFグレイウイング ルチノー(dd,Dd,DD)/ブルー♀

SLGクリームイノの遺伝例
【SL DFグレイウイング クリームイノ×SL SFグレイウイング クリームイノ♀】
50% ♂ SL DFグレイウイング クリームイノ
50% ♀ SL SFグレイウイング クリームイノ

【SL DFグレイウイング クリームイノ×クリームイノ♀】
50% ♂ SL SFグレイウイング クリームイノ
50% ♀ SL SFグレイウイング クリームイノ

【SL SFグレイウイング クリームイノ♂×SL SFグレイウイング クリームイノ♀】
25% ♂ SL DFグレイウイング クリームイノ
25% ♂ SL SFグレイウイング クリームイノ
25% ♀ SL SFグレイウイング クリームイノ
25% ♀ クリームイノ

【SL SFグレイウイング クリームイノ♂×クリームイノ♀】
25% ♂ SL SFグレイウイング クリームイノ
25% ♂ クリームイノ
25% ♀ SL SFグレイウイング クリームイノ
25% ♀ クリームイノ

【クリームイノ♂×SL SFグレイウイング クリームイノ♀】
50% ♂ SL SFグレイウイング クリームイノ
50% ♀ クリームイノ
*ルチノーは、上記のクリームイノをルチノーに置き換えた遺伝となります。

と言うことで、前回までレースウィングとしてご紹介させて頂いておりました品種は、正しくはSLグレイウイング クリームイノ (SLG クリームイノ)とSLグレイウイング ルチノー (SLG ルチノー)と訂正させて頂きます。

次回は、実際に私共「さざなみいんこ どっとこむ」に居りますSLグレイウイング スプリット イノ♂のペアを例に、より詳しくSLグレイウイング クリームイノとSLグレイウイング ルチノーの遺伝をご紹介致します。

どうかお楽しみに!


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