今回の企画展「黒部今昔」(7月20日まで)に関する書籍やクリアファイル、絵はがきが
美術館前で販売されています。
志水哲也さんの「生きるために登ってきた」という自叙伝もそのひとつ。
登山家となる芽が育まれた少年時代、そして現在の心境が生き生きと記されています。
おしゃれで人当りの良い志水さんを以前のブログで紹介しましたが、
人並み外れたタフな底力を併せ持つ志水さんも紹介しなければ片手落ちというものでしょう。
ビックリ仰天の高校生時代を少し紹介してみたいと思います。
高校1年が終わった春休み、興味の持てない修学旅行に行く代わりに、南九州へ2週間の一人旅、
そこから彼の長旅の挑戦が始まります。
新聞配達のバイトで買ったカメラと大きなリュックと共に。
3か月後の高校2年生の夏休みには24日間の南アルプス全山縦走の一人旅へ。
常に新聞配達のバイト料が資金源だったようです。
その次の年の夏休みには(高3ですね)いよいよ北アルプス全山縦走45日間を企てた。
壮絶としか言いようのない自分との闘いの長い旅です。
身も心もボロボロになってやっとたどり着いた親不知海岸。
長い旅を終えて生きているだけで満足と感じた。
さて、通信簿を学校に取りに行かなきゃ(笑
何が高校生の彼を過酷な山旅へと導いたのでしょう。
「生きるために登ってきた」・・・・・自分を思いっきり試したい、そうでもしないと
生きている確証が掴めなかったのでしょうか?
「脱皮しない蛇は滅びるとニーチェはいう。暖かい山小屋から、
一人で吹雪のなかに出ていくときのような、あの気合が必要だ。
自分を無にしても新しいものに挑戦しなければ・・・・・」
志水さんの挑戦はまだまだ続くようです。