月曜日の朝一番で 連絡を貰った クレームの件・・・、再び 器械を東京に戻してもらう事になり その器械が 今朝届いたのでした・・・。 先週の金曜日 出張先で 面倒見たはずの器械・・・・、客先が云うところの不具合症状も 経験豊富?な自分としても 理解に苦しむ状況で 「本当にそんな事があるの・・・?」と疑いたくもなりました。 まあ、電話でどれだけ対応したところで 百聞は一見にしかず・・・・ という事で 器械を返送して貰った訳なのです。 そんな事で 到着早々、開梱し 確認してみる事にしましたが・・・・・。
なんと、全て正常に動作しているではないですか・・・・! ヒアリングしていた不具合症状など 一切再現する事無く 全て正常に動作している・・・・ 正直、これには困りました。 不具合症状が再現出来れば 次に何をするべきか?って事になるものですが 一見したとこと 全てが正常・・・・、何処が異常だというの?ってぐらい まともに動き続ける器械・・・・、ああ、こりゃ 難しい調査になりそう・・・・・、いやはや これは難題だ。
そんな事で 出張時に対応したメモ書きを確認しながら 再びこの患者?を診る事になりましたが、これが 本当に複雑な仕事なのです・・・。
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診療開始から1時間半が経過した頃、「あれっ・・・?」と思う部分を発見、「ひょっとしたら これが原因か?」と 不具合箇所に繋がる部分を確認・・・、 色々といじってみたら 大正解! ああ、こんなところが原因だったのか・・・・。
その原因は 配線材料・・・、いわゆるハーネスって奴でした。 この線材の芯線が 半断線していた・・・・というのが理由。 一見 外からは正常に見える線材・・・、塩ビの被覆に外傷も無いし、端末のコネクタ処理にも問題が無い・・・・・。けれども ある一定の形状に折り曲げてみると 導通が無いという 症状が確認出来たのです。 この線材・・・、銅線の芯線にメッキを施したものですが 可動部分に使用しているために 芯線部分が金属疲労を起こして 断線してしまう・・・というメカニズムに陥ったようです。 もともと 芯線が銅の場合、「たわみ」のような形状変動には強いはずでしたが これをメッキ処理してしまうと メッキの影響で 芯線表面が一気に硬くなってしまい 「たわみ」動作の積算で メッキ割れを生じ、同時に芯線も断線してしまう・・・という現象なのでしょう。 あくまでも 経験値ではあるけれど まずは不具合箇所を特定出来たようです。 早速 新品のハーネス部品に交換の上、再びチェックを行いましたが 何れも正常に動作・・・・、やっぱり原因はこれだったのか・・・!
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こうして 不具合原因が特定出来たものの 今朝 開梱して動作チェックをした時には まともに動いていた訳で これは どう説明するのか・・・・? ま、こちらも良くある事で 荷物移送中の振動や衝撃で このようなハーネス材の接触具合ってのは変わってしまう訳。 完全なる断線だったら まず動く事は無いのだけれど 半断線と字で表すとおり 半分だけ断線している・・・・って状態だから その時の接触具合で 導通したりしなかったり・・・・ なかなか判らないものなのです。 一見 利口そうな顔をしてても 裏では 相当なワルだったりする・・・・ そんな半グレ野郎のせいだったのです・・・・ いや、見事に騙されました・・・(笑)。
とはいえ こんな不具合対処なんて 出張先では なかなか確認出来ないもの・・・・。 それこそ 一発で症状が出てくれれば 次のステップに行ける訳だけど 最初から症状を見せずに黙りこまれてしまうと もうお手上げなのですから・・・・・。
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と・・・、まずは 原因特定と処置が終わりました。 但し 他にも 怪しいところがあると困るので 明日一日 様子を見てから 修理完了!とすることにします・・・。 まあ、一連の診療業務で 個人的には 達成感は得られた反面、不具合に至る複雑なプロセスに 相当なパワーを要しました。
ああ、まずは一安堵出来たかな。