詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.2

2011年02月17日 | 小説「時空恋話」
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第二章  過去への到着

宏幸は過去へ降り立つと、そこは平城大学の大教室だった。

「大学のキャンパスね・・あまり、今の時代とほとんど変わっていないんだね・・・ってか、うちの大学が古きよき時代の懐古主義の塊って感じか。ちょっと酔った感じがするけど、時空移動マシーンの影響かな?」
というと少し頭を左右に振った。
「それより任務・・任務・・・日記を書いている学生ね・・・。本当にうちのセンターの出す、調査項目ってわけわかんないもんばっかだよな・・・。まぁあとで調査目的については、教授が携帯通信機器に送ってくれるっていっていたから。」

宏幸が見渡しても学生達は、銘々に携帯ゲームをやっているか携帯電話をいじっているか、携帯PCで何かを打っている姿しか見えなかった。

「未だに・・・ってかここは過去か・・過去って言ったってこれだけPCが普及しているこの時代に直筆で日記を書いている女性なんてみつかるかな・・・ってか俺勝手にターゲット女性にしようとしているしwww」
と言うと宏幸は頭をぽりぽりかいた

そこで宏幸は近未来で利用している赤外線付き特殊望遠鏡を覗いてみた。

「え・・・・っと・・ん?何か彼女書いているぞ!早くもターゲット発見か!?
え・・っと4月15日晴れ・・ああ、日記のようだな。それにしても綺麗な字で書いているな…」

宏幸は自分でも知らず知らずの内に望遠鏡を覗いたまま、フラフラとその日記を書いている一人の女性の方に近づいていった。 気がつくと宏幸は、彼女の日記を一心不乱に見つめていた。

日記を書いている女学生は怪しい行動を取っている宏幸に気づいた。

「ちょ、ちょっと何やっているんですか!?」

「ヤベ…」

宏幸はあわてて逃げ出したがその場で足をすべらし、転倒をしてしまった。

「ちょっと!何やってんのよ!勝手に人の書いているのを覗かないでくれる?」

「す、すいません・・・僕ちょっと迷子になっちゃって」
宏幸は、顔を真っ赤にしながらしどろもどろに答えた。

「まぁ、確かにこのキャンバス広いもんね」
ここ平城大学は、都下にある広大な土地にある、とてつもなく大きなマンモス大学だった。

「紗枝・・誰この人?」
そこに彼女の友達らしき女性が近づいてきた。

「あ~理奈。おはよう!わかんない。遠くから望遠鏡で覗いていたと思ったら、ずんずん真っ直ぐ近づいてくるから」
と紗枝と呼ばれたその学生はいぶかしがるような顔で宏幸を真っ直ぐに見た。

「あ・・・怪しいものじゃありません。だた綺麗な字だなって」
宏幸は、頭をかきながら言った。

「ごまかされないわよ」
紗枝が宏幸の手から望遠鏡を取り上げようとすると宏幸のポケットから小さな手帳が転げ落ちた

「あれ?これな~に?」

「あ、ちょ、ちょっと…」
宏幸は、みつかってはいけないものを見られた少年のように慌てふためいた。

「いいじゃん!私が書いているのを覗いた罰だから!」

「…」

「へぇ~、あなたも日記書くんだ。私と同じだね…」
というと紗枝は、さきほどまでの犯罪者をみるような表情をちょっと崩した。

「そ・・・そうなんだよ・・奇遇だなって。それでついついフラフラと」

「紗枝にひかれて来ちゃったってわけね・・」
と理奈と呼ばれた紗枝の友達がにやりと笑った。

「さ・・紗枝さんっていうんだ・・綺麗な名前だね。その美しい字にぴったりな名前だね。」
普段は、絶対にいわないような歯の浮くようなセリフが宏幸の口をついてでてた。

「ごまかしてもだめ・・・っていいたいんだけどまぁいいか・・・でどこの学部?」

(やべ・・・・そこまで考えていなかった・・)
急に話の矛先を変えられて宏幸はあせった。

「私・・渡辺紗枝よろしくね・・・こっちは城山理奈。私の親友よ。」

「ぼ・・・僕は、宏幸・・・沢田宏幸です。」

「同じ三年生?」

「う・・・うん」
といい、柿谷さんに事前に用意をしてもらっていた平城大学の学生証を紗枝と理奈に見せた。

「へぇ、紗枝、この沢田君って私たちと同じ文学部じゃん」

宏幸が学生証を見るときちんと平城大学文学部学生と記載してあった。
(まぁ確かに文学部のほうが、日記を直筆で書いている学生にヒットする可能性が高いってことね・・)

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