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時空恋花~JIKUU-RENWA~を最初からお読みになる方は、こちらからお願いいたします。
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/851f09b9f8160b0f295175131ee18cd8
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第六章 宏幸の両親
「時空移動マシーン動作準備OK・・・・」
柿谷の緊張した声が近代的な小さなホールの中に鳴り響く。
大学の研究室が郊外に建てた小さな実験センターである。
コンクリートをうちつけただけのホールの中に見たことのない奇妙な装置が設置してあった。
その中に、宏幸の両親が乗り込んでいた。
時空移動マシーン
いわゆるタイムマシーンの実地実験の日だった。
「では教授私たちは、今から30年前にタイムトリップしてまいります」
沢田の夫が軽く手をあげて柿谷に向かって敬礼をした。
その横で沢田の妻が小さく微笑んだ。
「うん・・・気をつけてな・・・」
「ラジャー」
ウィ・・・・ン
ドスドス
キンキンキン
キュンキュン
時空移動マシーンは、激しく揺れたと思うと、全体が軋んだような唸り声を上げた。
ビービー
「なんだこの音は・・・・」
ホール内に緊張の空気が走った。
柿谷以下、センターの幹部、研究員は、慌てふためき、制御パネルを操作し始めたが
その時、時空異動マシーンから機械的な声が聞こえた。
「緊急事態発生!緊急事態発生!制御不能制御不能・・・・・安全装置をオンにしてください」
「ウァ!!誰か・・・助けてくれ・・・」
「あなた・・・・安全装置が緊急ランプが・・・!!キャア・・・・・・」
「由紀子!!危ない!ベルトを外して外へでろ!!」
「沢田さん!沢田さん!電源をオフにして外に出てください」
柿谷が、機械に負けないほどの大きな声でどなった。
「柿谷さん!だめですドアが開きません!!スイッチも・・ウァ・・・・・・・」
「きゃーーーーー」
「お父さん!お母さん」
まだ幼い宏幸は、目の前で起こっている事態が何が何だかわからず、時空移動マシーンの方へ駆け寄ろうとした。
「うぁ・・・・・・・・・・・・誰か助けてくれ!!」
「あなた・・・きゃーーー!!」
ガガガガ
ピューンピューン
ガガガガガガ
シ・・・・ン
一瞬するどい光がホールの中で拡散した。
「お父さん!!お母さん!!」
「宏幸君!!危ない!!近寄っちゃだめだ・・・・」
柿谷が宏幸の腕をつかんだ。
「近寄っちゃだめって何に??何もなくなっちゃったよ・・・僕のお父さんとお母さんはどこ?」
そう・・・時空異動マシーンがあったはずの場所には何もなかった。
ただ、機械から発生した黒煙だけがもうもうと立ち込めていた。
~つづき 第七章へ~
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「時空移動マシーン動作準備OK・・・・」
柿谷の緊張した声が近代的な小さなホールの中に鳴り響く。
大学の研究室が郊外に建てた小さな実験センターである。
コンクリートをうちつけただけのホールの中に見たことのない奇妙な装置が設置してあった。
その中に、宏幸の両親が乗り込んでいた。
時空移動マシーン
いわゆるタイムマシーンの実地実験の日だった。
「では教授私たちは、今から30年前にタイムトリップしてまいります」
沢田の夫が軽く手をあげて柿谷に向かって敬礼をした。
その横で沢田の妻が小さく微笑んだ。
「うん・・・気をつけてな・・・」
「ラジャー」
ウィ・・・・ン
ドスドス
キンキンキン
キュンキュン
時空移動マシーンは、激しく揺れたと思うと、全体が軋んだような唸り声を上げた。
ビービー
「なんだこの音は・・・・」
ホール内に緊張の空気が走った。
柿谷以下、センターの幹部、研究員は、慌てふためき、制御パネルを操作し始めたが
その時、時空異動マシーンから機械的な声が聞こえた。
「緊急事態発生!緊急事態発生!制御不能制御不能・・・・・安全装置をオンにしてください」
「ウァ!!誰か・・・助けてくれ・・・」
「あなた・・・・安全装置が緊急ランプが・・・!!キャア・・・・・・」
「由紀子!!危ない!ベルトを外して外へでろ!!」
「沢田さん!沢田さん!電源をオフにして外に出てください」
柿谷が、機械に負けないほどの大きな声でどなった。
「柿谷さん!だめですドアが開きません!!スイッチも・・ウァ・・・・・・・」
「きゃーーーーー」
「お父さん!お母さん」
まだ幼い宏幸は、目の前で起こっている事態が何が何だかわからず、時空移動マシーンの方へ駆け寄ろうとした。
「うぁ・・・・・・・・・・・・誰か助けてくれ!!」
「あなた・・・きゃーーー!!」
ガガガガ
ピューンピューン
ガガガガガガ
シ・・・・ン
一瞬するどい光がホールの中で拡散した。
「お父さん!!お母さん!!」
「宏幸君!!危ない!!近寄っちゃだめだ・・・・」
柿谷が宏幸の腕をつかんだ。
「近寄っちゃだめって何に??何もなくなっちゃったよ・・・僕のお父さんとお母さんはどこ?」
そう・・・時空異動マシーンがあったはずの場所には何もなかった。
ただ、機械から発生した黒煙だけがもうもうと立ち込めていた。
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