詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.7

2011年02月25日 | 小説「時空恋話」
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第七章 古文の授業

宏幸(嫌なことを思い出しちゃったな・・・
結局両親の遺体は発見できず・・・
医師兼開発責任者だった両親の不慮の事故は、単なる事故と結論づけられた。
時空移動マシーンの開発の失敗は秘密裏に処理され、関係者には皆緘口令がしかれた。
その後の時空移動マシーンの研究に影響を与えないために。
両親の事故は交通事故として記録され、その代わりに、莫大な養育費という名の慰謝料をうけとった・・・)

「ごめんね・・・嫌なこと思い出させちゃったね」
紗枝が心配そうに宏幸の顔を覗き込んだ。

「あ・・・ごめんボーっとしていて・・・ちょっとね」

「ほら!そこの二人何を話ししている!!今は授業中だぞ!!」
いつのまにか、講師が来て古文の授業が始まっていた。

隣に座っている紗枝が自分のノートを破り、ペンでメッセージを書いてきた。あいかわらずの達筆だ。
みんなノートをとるのに必死だというのにこの二人は何をやっているのだか(笑)
この古文の教授は厳しいことで有名だからだれも私語をしている者はいなかった。

『宏幸さんって・・・学校へは車?電車?』

紗枝から回ってきた紙を読むと宏幸はその下に返事を書いた。
(紗枝さんの字の下に書くと俺の字の下手さかげんがよくわかるよ)

『車だけど・・なんで・・・』
『次、私休講なんだけど・・・ちょっと買い物行きたいんだけどよければ、車で連れて行ってくれないかなって思って』
『僕でよければ乗せていくけど・・どうせ自分も休講だし・・』
『次って沢田さんも経済?』
『そうそう』
『同じ授業多いんだね・・・』
(げ・・・やばい・・・だってミッションが紗枝の観察だから、他の授業とっても意味ないし)

核心をつかれたようで宏幸はちょっと焦った。でも平常心を装って返事をしたためた。

『うん・・・でどこに行くの?』

ノートに紗枝と宏幸の字が交互に書かれていく。

『日記帳が今日で切れちゃうから、新しい日記帳買いたいんだ・・もっと早く気づくべきだったんだけどさっき気がついたから(^^;』
いつもは、よく利用している顔文字も直筆で書かれているとまた違った味がでてくる
『ならいいトコ知ってるよ・・日記帳専門店~ダイアリー~』
『どこそれ?』
『代官山にオープンしたての日記帳専門店。かぎ付きから光るペンつきからなんでもあるよ・・・』
『鍵はついてなくてもいいから・・シンプルなかわいいのがいいな・・』
『オリジナル日記帳も作ってくれるよ・・・』
『私それがいいな♪』
『じゃぁ・・経済の時間だけじゃ帰ってくるの無理だから、その次の体育の授業ブッチして買いに行っちゃおう・・・』
『うん・・ありがとう・・・よかった★』

~つづき 第八章~
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