詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.5

2011年02月22日 | 小説「時空恋話」
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第五章 春小鳥が歌い

「おはよう・・理奈」

「おはよう・・紗枝・・ねぇねぇ・・あそこにいるのって昨日あった、
沢田さんじゃない?」

「あ!本当だ・・・ 」

「せっかくだからこっちの席に呼んでこようよ・・どうせ古文の時間
つまんないし」
というやいなや理奈は沢田の手をひっぱって連れてきた。

「おはよう・・紗枝さん、理奈さん」

「おはよう・・今日はへんな双眼鏡のぞいていないんだ」
と紗枝はちょっといたずらっぽく目を細めた。

「昨日は本当にごめんなさい。あのあともしかして日記に自分登場していたりして・・」

「当たり!・・・ってかまた私の日記、盗み見したな???」

「ち・・・違いますよ・・・なんとなく言ってみただけで・・」

真剣な顔で否定する宏幸の顔をみて、紗枝は噴出した。
「冗談よ・・昨日続きは帰ってから部屋で書いたから・・沢田さんって
一人暮らし?」

「は・・はい。紗枝さんは?」

「私は両親と一緒よ・・私も理奈みたいに一人暮らししたいんだけど・・
なかなか両親がOKしてくれなくて」
というと理奈のほうをチラっと見た。

「両親と一緒にいられるならいられる間は一緒にいたほうがいいに決まってます。」

宏幸はちょっと不機嫌な顔をして声を荒げた。

「ご・・・・ごめんなさい・」

「紗枝さん、こちらこそ大きな声をだしてすみません。でも僕、実は自分は小さいときに両輪を事故で亡くしていて・・・・」

(そう僕の両親は、時空移動マシーンの開発グループ責任者であり・・そして第一号の搭乗者だった・・自らの命をかけて・・・)

「ご・・ごめんなさい。私たち知らなくて」
紗枝と理奈は宏幸を気遣うように神妙な顔で謝った。

「大丈夫だよ・・このことはほとんど誰にも話をしていないから」

(そう・・あの事故さえなければ今ごろ・・・・)


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