序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

バビソア10

2008-05-05 21:56:30 | アート・文化

次回作品のオーデション&ワークショップが今月の13日から二週間、延べ5回のワークショップが行われます。応募者もボツボツ来ているようです。これは芝居屋の芝居創りを体験して貰い、お互いにオーデションし合おういうものです。お互いにというのは私達は応募者を、応募者は劇団芝居屋をお互いに合うか合わないかを探ろうという試みです。そこでお互いに相思になったら劇団芝居屋に入団することもあるでしょうし、同じ舞台を踏み事もあるでしょう。
いま私がおこなっている台本創りは、そのワークショップの為の稽古台本の作成というわけです。あともう少しで完成です。

という訳で「バビソア」の続き。

11 消えて行く人

B12

その夜 ジュンちゃんは眠れなかったので

散歩した

降るようなきれいな星空だ

いつの間にかジュンちゃんはエントーリア

のある大きな湖のところにきていた

ガサッ

人の気配に思わずジュンちゃんは隠れた

二つの影が現れた

「誰にも見つからなかった?」

「ええ、大丈夫」

「迷ってない?」

「決めたから」

「一度このバビソアを出たら、もう二度

と帰ってこれないのよ」

「わかっているわ」

月明かりで二人の姿が見えた

チグサさんとヤヨイさんだった

バビソアに来たジュンちゃんに最初に声を

かけてくれたやさしいお姉さんたちだ

 ありがとうバビソア

    とてもとても楽しかったわ

 もう少し遊んでいたいけど 

もう少し子どもでいたいけど

 今日より明日を見たくなったの

  どこか遠くに行ってみたい 

知らない誰かと話してみたい

  いろんな不思議とあってみたい 

何かをこの手でつかんでみたい

 だからここでお別れするの 

幼いわたしとお別れするの

 バビソアあなたに背をむけて 

はじめの一歩を踏み出すの

 心で言うわ バビソアにさよならと

二人は暗闇に消えた行った

月に光の中でエントーリアがお墓のように見えた

「プーちゃんに会いたい・・」

ジュンちゃんは思った


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