序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

彼?彼女?

2009-04-19 18:24:31 | うんちく・小ネタ

200904150601 ちょっと見えにくいかもしれませんが、自宅から駅に行く土手道草むらをねぐらにしている黒猫です。仮にクロと呼びましょう。

彼なのか彼女なのかわかりませんが、クロを初めて目にしたのは二年前の初夏でした。

ある日の朝、その土手道を歩いていると生まれたての黒と白の子猫が数匹草むらで戯れていました。
その中の一匹がクロでした。

それから毎朝の様に子猫たちを見かけるようになりました。

この道は駅と大きな会社を結んでおり、通勤の人の行き来が多いところです。
朝の通勤時はわざわざこの子猫たちに関心を示す人や足を止める人はいません。そんな暇はないのです。
子猫たちにとっても人間は忙しげに行きかうだけの存在で恐怖や脅威の対象ではありません。

初めて子猫たちを目にした時から何日かすると、いつの間にか餌用の小さなアルミのボールが写真の掲示板の下に置かれてありました。

誰かが子猫たちを気の毒に思い餌をやり始めてのでしょう。

それ以来子猫たちの行動は大胆になっていきました。平気で人の前に姿を現すようになったのです。それどころか人を待つようになりました。

子猫たちには人待つ為の所定の場所ができはじめました。
クロは掲示板の下です。

秋口にかかるまで子猫たちはそのかわいらしさ故に人間の温情の中に育ってきました。

しかし冬の寒さが増し草むらが彼果てる頃、この猫達はもう子猫の愛らしさを失っていました。

現金なもので人間の援助はその量をグッと減らしました。

ある時、クロの兄弟の一匹が姿を消しました。その後次々に猫達は姿を消しました。きっと新たな温情を捜す旅に出たのでしょう。

結局ここの場所に残ったのはクロだけでした。

ところが去年の暮れ。そのクロも姿を消しました。

アレから半年。

桜が散り始めた三日前、クロが幾分たくましさ増した姿で掲示板の所定の場所で餌の来るのを待っていました。

多分、明日にはアルミの餌用のボールが置かれているでしょう。

もうすっかり土手道の桜は葉桜になりました。


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