序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

プレーバック劇団芝居屋第40回公演「立飲み横丁物語」NO2

2022-11-15 13:50:33 | 演出家

さてさて劇団芝居屋第40回公演「立飲み横丁物語」の開演でございます。

と、その前にこの物語の背景なんぞをご説明いたします。

今も続いているコロナ禍。
この三年間、その為に大きな被害を被った人々の何と多岐に渡る事か、今回はその中でも人が集まらなければ成立しない的屋稼業に焦点を絞りまして物語を進めていきます。



北国の小都市。
その都市の一角に多くの寺社が集まった寺町がある。
ここは長年縁日や例祭が盛んに行なわれ正統派の的屋組合によって円滑に運営されていた。
ところが2018年に始まったコロナ禍のため全国的に縁日や例祭は中止が相次ぎこの町
もご多聞に漏れずすっかり火が消えた町となっていた。
この地区の祭りに携わっていた露天商(的屋)組合も3年に及ぶコロナ禍の為、廃業をする
人間が相次ぎ存続の危機にいた。

こんな所から物語は始まります。

第一場 2022年五月 幾松・夕方


暗闇に鯉口に腹巻姿で忽然と現れましたのは三代目瀬村組組内花村組組長花村凛子。
七色唐辛子の啖呵売の口上を朗々と謳いあげます。


では、七味七色、七通り先ずは中辛から七種類を順番に入れて調合して参りましょう。最初に入りますのは、主役の八房。不思議にも必ず八つの房を実らせると言うこの八房、四国讃岐の名産物です。主成分であるカプサイシンには、脂肪をよく燃やしエネルギー代謝を活発にする効果がありますさらに、免疫力を高める効果もあることがわかっています・・・・


明かりが入りますと、そこは立飲み横丁にある小料理「幾松」の店内。

本来的屋稼業は祭りや縁日を渡り歩く稼業ですから年がら年中できる職業じゃありません。ですから的屋の他に副業を持っております。
この「幾松」は今は亡き先代組長の奥さんの瀬村幾久が営んでいる、立飲み酒場です。
この空白の三年間、凛子はここでアルバイトをやっております。
本日凛子久々の仕事でスーパー橋南で七色唐辛子の啖呵売をしましたが、納得できずに一人反省会でございます。

そこへ同じく幾久松で働いているこれも三代目瀬村組組内大城組大城大輔の女房綾子が参ります。

この綾子、本来なら今日はコロナ禍後の街をどうするかという大事な会議のため女将と一緒に同席したはずですが、そういう事にはとんと苦手なタイプで、女将に任して逃げて来たのでした。

一見お気楽にやっている様な綾子も、的屋の女房として旦那がコロナの為に生きがいの的屋稼業ができない苦しさを目の当たりにして悲しんでいる様子。
その気持ちを痛いほど分かる凛子でした。
そこへ凛子の花村組の新入り谷田新司が現れます。

彼は初めて啖呵売の片付けを任されてその完了報告に来たのでした。

続いてまいりましたのがこの街で北交というタクシー会社の専務をやってる神崎誠。
彼、商工会議所青年部で地域振興貢献活動の責任者という顔を持ち祭りや縁日全般の催事を応援する
事に情熱を燃やしている熱血漢。
凛子のスーパー橋南の仕事も誠の紹介が切っ掛けでした。

誠は凛子の啖呵売が好評だった為、鼻高々。
手放しで凛子で褒めまくる誠。

誠、余程気分が良かったのか普段あまり飲まない酒を新司を誘い乾杯。


そこへ地元新聞日日江南新聞の記者小杉瑠香が女将を訪ねて来ます。
瑠香はコロナ禍前の新人当時、凛子の啖呵売をテーマに特集記事を書いて好評を得、認められた過去がありました。


その記事も宣伝の為には貢献していたという事実を知らせ感謝する凛子でした。

一緒に飲もうという誠達の誘いを断り緊張した面持ちで女将の帰りを待つという瑠香。
果たしてどんな用なのか。



続きは次回。

撮影 鈴木淳



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