序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

プレーバック劇団芝居屋第40回公演「立飲み横丁物語」NO3

2022-11-17 17:23:53 | 演出家



さてさて第一場の続きでございます。

日日江南新聞の小杉瑠香が待つ幾松の女将瀬村幾久が的屋大城組の大城大輔を伴いご帰還でございます。


女将が帰ってきたら先ず聞きたいのが会議の結果。
半ば諦めの気持ちはあったとしても、これからの街の方針が気がかりです。

大輔 「それがよ、これまでの感染状況を見ると、コロナのいろんな事はわかってきたんで、今迄の対策を見直して良いっていう政府の方針が報告されてな。その結論を各自治体に任せるって事になったんだってよ。その流れで市議会でいろんな行事の規制の緩和をしていこうって事が決定したんだ。まあ、それは個々の地域の感染状況で案配していくってことなんだが・・・でな、この港北地区は感染者も押さえ込まれているんで、屋内は今まで通りだけど繁華街や歓楽街でも通行の時はノーマスクよくなったんだ」
綾子 「ああそう。今までより少しはましになるね」



大輔 「ここで喜んじゃいけないよ、もっといい話があるんだから。ねえ、カアサン」
幾久 「そうだよ」
凛子 「カアサン、何さ。勿体ぶりすぎだよ」
幾久 「聞きたいかい」
凛子 「勿の論」
大輔 「カアサン、言って言って」
幾久 「出来るようになったんだよ」
綾子 「何が!」


幾久 「だから、六月四日の海道神社の例祭から実験的に露店出して良いって事になったんだよ」
綾子・凛子 「エッ!」
新司 「ホントすか」
大輔 「そうなんだよ、いよいよ解禁だ」
凛子・新司 「万歳!」



そりゃ喜びますよ、的屋瀬村組にとって三年ぶりの仕事ですから。
と、そこへ三年前から常連の仲間入りをした有村仁が現れ、凛子を祝福します。

こんな時は先ずはさておき乾杯です。

ところがすんなり乾杯には行けない小杉瑠香。
凛子を介して自己紹介。

瑠香 「(緊張)ワタクシ、日日江南の小杉瑠香と申します。よろしくお願いいたします」
幾久 「瀬村幾久です。・・・えーと、どんな御用」
瑠香 「実は、今度の特集での的屋さんのコロナ禍での生活を取り上げようと思いまして、港北露店商組合の組合長さんにインタビューしたいもんですから。その仲立ちを女将さんにお願いしたいと思いまして」

幾久 「あたしを通さなくてもしなくても組合長は受けてくれると思うけどね」
瑠香 「そうかもしれませんけど、デスクに相談したらあの世界は序列に厳しいところだから、今の組合長さんにあたる前に、親筋の立飲み横丁で「幾松」やってる女将さんの瀬村幾久さんに話を通した方がいいといわ
れまして」
こう言われますと悪い気はしないもんです。


幾久 「そうかい。村山にだったら何時でも口きいてあげるよ」
瑠香 「そうですか?ああ、よかった。じゃ、よろしくお願いします」
幾久 「村山にはあたしがナシつけとくから、直接連絡取りな。もういいね」
瑠香 「・・・ハイ、ありがとうございます」

気持ちよく二度目の乾杯に。

第一場終了。
次回は第二場に移ります。

撮影 鈴木淳


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