序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

「ともしび」演出ノート・その二

2011-05-06 16:30:02 | うんちく・小ネタ

Tomoshibi_omote 劇団芝居屋第21回公演「ともしび」の稽古も本番まで一ヶ月を切りましたが、
演出の私にとってまだまだ忍耐の時期です。

この時期の私の演出の役目は、それぞれの役者の役創りの深化の為に、あらゆる角度からアドバイスやサゼッションを与え、それが形になって来るのをひたすら待つ事です。

私がこの時期を創ったのは、劇団芝居屋の創立する主旨の中の「自立した役者創り」という項目の実現の為です。

それはそうなのですが、この時期の私の腹の中は煮えくり返っています。

「まったく!」と私は思うのです。

何かにつけて役者のやることは遅いのです。

役者という人種はなんと、保守的で、怠け者で、臆病者で、鈍い健忘症のでしょう。

役者という人種は、自分を疑うという事ができません。

私は役者の新たな可能性を引き出す為に、それぞれに役を振ります。

それに挑戦する為には、今までの自分を疑うことを知らなければその階段は登れません。

その登りの階段を前に躊躇し、何とか今までの自分の中にあるもので処理しようとするのです。

「今までのお前じゃ出来ない役を当ててるんだよ、バカヤロウ!」とは云いませんが、喉もとまでは出ています。

役者は安心したがり屋です。

役者は自分が今どこにいるのか自分の位置を確かめる為に一々立ち止まります。

その為に無為な時間が過ぎていくのです。

「演出家の目が信じられないなら始めから出るな、クソッタレ!」とはいいませんが、心の中はそうです。

元来、役者にとって芝居に関るという事は、面白い遊びな筈です。

その最も必要なワクワク感がないなら役者を辞めた方がいいですよ。

胸の中の蓄積された罵詈雑言の数々を直接役者にぶつける事できる時期まで後残り二週間です。

劇団芝居屋では本番10日前から演出家の独裁が始まります。


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