序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

芝居創り4

2008-03-20 10:36:09 | 演劇

2_10 さて前回の続きです。

俳優が作品の役を実体化する為に一番大切な作業が作品の台本を読むという事です。

なんだそんな事かと思われる人もいるかもしれませんね。
そんな事は言われなくてもやっているし、当たり前の事だと思っている人も多いと思います。
しかし、その当たり前の事が出来ていないんですよ。
読むという行為は非常に地道なものです。俳優を志す大部分の人が読む行為を全うしないうちに、書かれてある台詞を見た目の前後に書かれてあるヒントを無視して、言葉の感じだけで声に出してしまう。ここに大きな落とし穴があるんですよ。その様に最初に印象や感じで声に出してしまった台詞の吐き方はは知らない内にその人の大脳皮質に刷り込まれてしまうのです。そしてそれが違うと判ってもそこからなかなか抜け出せなくなるのです。

俳優が台本を読むという行為は二種類あります。
それを私は「読者的読み方」と「役者的読み方」と名付けています。

「読者的読み方」とは文字通り、どのような筋立てで、どんな人物が登場し、どんな事が展開して、何が言いたいかを理解するというごく当たり前の本の読み方です。
この読み方は俯瞰した読み方です。つまり神の眼の如く天上からそこに書かれてある事を見る読み方です。
この読み方は全体の構成の理解から始まり、登場する人物などの個を把握するというものです。そこで作品全体の言いたい事を理解し、その中での人間関係での自分の位置を発見し、要求されている役割を理解する。ここからは自分の役を実体化する為の外側の構成要因を見つける事ができます。しかしこれだけでは役者にはなれないのです。
次に必要になるのが役の内側をつくる作業です。

そこの必要なのが「役者的読み方」という事になります。
この続きは又。


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