料理評論家榊鉄幹に扮した浩司が、目論見通り誠達振興会青年部に信用させた、その夜。
寺浜の旅館「志水」。良子は元夫の惣一を見舞う名目で寺浜に来ていた。良子の本当の目的はさくらを気遣ってのことであった。気持ちを落着かせようとロビーにたたずんでいると、貞三が現れる。
二人の再会は良子がさくらの高校の卒業式を陰ながら見に来た以来、十五年ぶりであった。
貞三は良子の来訪の目的がさくらを気遣っての事とすぐに察して、さくらとの対面を進める。
しかし、さくらを捨てたという自責の念に凝り固まっていた良子はなかなか承諾しないのであった。
貞三「良ちゃん、あんたはねそろそろ自分を責めることを卒業して、さくらちゃんに謝ることを考えなくちゃいけねえんじゃねえのかい」
貞三の熱心な勧めにさくらと会おうと思う良子であった。
そんな時、同じ旅館に泊まる鉄幹に扮した浩司が帰ってくる。
浩司を見た良子は顔色を変え、顔を背ける。
果たして浩司と良子の間になにがあったのか。
続く。
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