月・火曜は学校教育の話です。今回も、1年生の初期指導についてです。
1年生の序盤10日間くらいは、平仮名の練習プリントなどが届いていないので、何を書かせるか本当に困ります。多くの場合、市販のプリント集やネットの無料サービスで線なぞりのプリントを入手し、それを行う事が多いのではないでしょうか。
線なぞりのプリントと言うのは、その名の通り、点線や薄墨色で描かれた様々な線をなぞるプリントです。ここで、はみ出さない様に線をなぞらせる事で、後々の平仮名練習でも丁寧に取り組む気持ちを醸成する訳です。
とは言え、何本かある線をなぞるだけですから、大半の子はササッと終わってしまいます。あまりに雑な場合は、「うん、もう1枚あげるから、はみ出さない様にやってみようか」と言う事もありますが、多くの場合は、「うん、この部分は丁寧に書けてるね」と言ってOKする事が多いです。
でも、丁寧にやってる子は時間がかかりますから、ササッと終わった子と丁寧な子の時間差を何とかしなくてはなりません。
多くの線なぞりプリントには、可愛いイラストが描かれています。そこで、「終わったら、色鉛筆で絵を塗ってください」と指示します。
もちろん、この指示だけだと雑にササッと塗って終わる子が沢山います。ですから、「線からはみ出さない様に、丁寧に塗るんですよ」と一言。これで、丁寧に塗る子が増えますが、それでも雑な子は雑です。ササッと終わらせる子が出て、なかなか時間差が解消できません。
そこで、私の得意技、「プリントの裏に好きな絵を描いてイイよ」攻撃の登場です。この時、ただ「プリントの裏に好きな絵を描いてイイよ」と言うのではなく、勿体ぶって偉そうに言います。「丁寧に線をなぞって、丁寧に色も塗ったなら、『ごほうびタイム』として、プリントの裏に好きな絵を描かせてあげます」と。
たったコレだけで、プリントの裏に好きな絵を描く事は、子供たちにとって特別な事になります。作業を丁寧に行う子が少し増えますし、終わって私から「よし、ごほうびタイムをスタートしていいです」と言われると、すっごく喜んで活動に取り組みます。
ここまで行えば、かなり時間差は解消されます。ごほうびタイムの絵を描き終わる子が出る頃には、全員が線なぞりを終えているでしょう。私もにっこり、子供たちもにっこり…です。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。