土曜は、最も人気の無いブログである、ライトノベルについて書く日です。私のライトノベル愛だけで書き続けている曜日です。今回は先週の土曜(R5.7.22)の続きで、『本好きの下克上』が大河ドラマっぽい理由を書きます。
『本好きの下克上』はライトノベルですから、御都合主義なところが多々あります。困った事があっても魔法の力で何とかなる辺り、御都合主義だなぁ…と、私も感じます。
しかし、妙に現実的な部分も多々あるのです。例えば、この物語では案外簡単に人の命が奪われます。理不尽な理由で殺される(殺されそうになる)事もしばしばあります。この辺りは、現実の世界をリアルに再現していると言える…そう私は感じています。このブログをアップした令和5年7月29日現在、ウクライナでは戦闘状態が続いており、世界各地で沢山の難民が発生しています。直接的に書かれていなくても、『本好きの下克上』の描写は、それらをイメージさせるからです。
また、魔法の力で何とかならない事も多々あります。例えば、この物語で最も重要な「本を沢山作る」事も、魔法の力でちょちょいと…とはいきません。技術を身に付けた職人が、家内制手工業レベルの作業で作っていく必要があります。主人公の魔法の力だけで問題が解決していく、他の多くの作品とは一線を画していると私は考えています。
長々と書いてきましたが、大河ドラマのような重厚長大な物語が楽しめる『本好きの下克上』。笑える場面も随所に織り込まれており、とても面白くテンポ良く読めます。ぜひ、食わず嫌いせずに読んでみてほしいライトノベルです。