はじめに
木曜はラノベ愛語り…なのですが、今回はnoteで親しく交流させていただいている笹目いく子先生の本を紹介します。その本とは、令和7年2月4日に発売となった『深川あやかし屋敷奇譚』です。
この本、語りたくなる部分は山の様にあります。美しい文章、巧みな構成、見事な風景や季節の描写、江戸情緒を感じさせる服装や食べ物などの描き方、美麗な表紙…特に、食べ物については、読んでいると小腹が空いてくる感じがする程の見事さです。
しかし、今回は、私らしいマニアックな面…「怪奇現象と謎解きの見事な融合」についてのみ記事にしようと思います。
なお、ネタバレとも言えそうな部分がありますので、気になる方は、この先を読まない方が良いでしょう。
記事の前に言い訳&長々しい分類
マニアックな記事を書く前に、ちょっと言い訳を書きます。
実は私、俗に言う「あやかし物」の小説は今回が初めてです。コミックを含めても、江戸時代を舞台にした「あやかし物」は、レディコミック作家の魔木子先生の『うらめしや』しか読んでいません。もちろん、『雨月物語』や『怪談』などは読んでいますが、これらは「古典文学」の仲間で、「あやかし物」には含まれないのでは…と考えています。
ただ、現代を舞台にした作品や、怪奇現象全般を含む作品であれば幾つか読んでいます。また、TVドラマや映画も含めて宜しければ、かなりの数を視聴しています。ですから、これから述べる内容は、「あやかし物」と言う限定されたジャンルに関する感想ではなく、広く「怪奇現象と謎解きのある作品」に関する感想と考えてください。
早速ですが、この手の「怪奇現象と謎解きのある作品」は、怪奇現象と事件との関係性から3種類に分けられる…と、私は考えます。
1つ目は、「事件を発生させたのは怪奇現象であり、その怪奇現象には超常の力(あるいは人外や怪異そのもの)が関わっている」です。先程、ちらっと触れた魔木子先生の『うらめしや』は正にコレです。妖怪だの怨霊だのが事件を引き起こしており、それらを退治しなければ事件は解決しません。現代物ですが、城平京先生の『虚構推理 鋼人七瀬』も同様です。これらの作品では、事件を引き起こす怪奇現象を何とかするためには、それなりの知恵や能力が必要となる為、特殊能力をもった登場人物が解決に奔走します。
2つ目は、「事件には怪奇現象が関わっているが、その怪奇現象は人間により作り出されている」です。こちらの代表作は、東野圭吾先生の「ガリレオ」シリーズでしょう。一見、事件は怪奇現象の様に見えますが、普通の人間が何らかの工夫(「ガリレオ」シリーズだと科学的な知識)により作り出しただけで、超常の力も人外も怪異も関係ありません。当然、特殊能力をもった登場人物は必要なく、(かなり頭はイイですが)普通の人間が事件を解決します。
実は、『深川あやかし屋敷奇譚』を読み始めた時、この2つ目のパターンだな…と、私は思っていました。ごく普通の人間である主人公たちが、普通に推理して解決へと向かっていたからです。
しかし、途中で気付きました。これは3つ目のパターン、「事件は人間が引き起こしたが、怪奇現象には超常の力や人外や怪異も関わっている」だと。
そう気付いた途端、私にとっては懐かしい作品を思い出しました。円谷プロが製作した「怪奇大作戦」です。「怪奇大作戦」は、基本的に2つ目のパターンなのですが、幾つか3つ目のパターンもあります。「果てしなき暴走」や「京都買います」、「怪奇大作戦セカンドファイル」の「昭和幻灯小路」、「怪奇大作戦ミステリー・ファイル」の「深淵を覗く者」などが代表作と言えるでしょう。事件は人間が引き起こしたし、トリックにも人間が関わっている…が、それだけではない「何か」も存在し、事件に関わっていた…これが、作品の奥行きを深め、面白さをぐぐっと増していました。
そう…『深川あやかし屋敷奇譚』も同じで、それにより面白さがぐぐっと増しているのです。
魅力的なバディによる謎解き
お待たせしました! やっと、『深川あやかし屋敷奇譚』本編の感想に入ります。
『深川あやかし屋敷奇譚』は、深川にある「あやかし屋敷」と呼ばれる屋敷に住む、「天眼通(テンゲンツウ)の旦那」とアダ名される仙之助と、その屋敷の女中お凛を主人公とした連作短編集です。仙之助は怪奇現象が大好きで、その事は周囲に広く知れ渡っており、「火をふく振り袖」や「生きている人形」、「化け猫」「妖怪と思われる緋インコ」などが持ち込まれる事で、何やら怪しい事件に巻き込まれていきます。
その事件の謎を解いていくのが仙之助とお凛のバディ…なのですが、これがバディ物らしい凸凹コンビなのです。
まず仙之助。瞳の大きい二十五歳になる優男ですが、真面目に働く気持ちは全くなく、メッチャお洒落な格好をして、美味い物を食い、いつも遊び歩いています。何せ、大店の次男坊で、親も子供可愛さで大甘なものですから、それでも生活していける訳です。いや~、羨ましい身分です。
そして、お凛。こちらは十五歳で奉公に出た子で、真面目で働き者の両親に育てられた、真っ直ぐな気性の少女です。かなり力があり、主である仙之助に対しても、必要なら容赦ない態度で接します。もっとも、仙之助も遠慮なくズケズケ言ってますから、お互い様と感じますが…。
物語の基本的な展開は、まず仙之助とお凛が事件に巻き込まれるところから始まります。事件の関係者に対し、お凛が同情したり義憤にかられたりしながら事件は進んでいきます。そして、仙之助の推理と活躍で謎が解けて事件解決…となります。
一見、ちゃらんぽらんで適当そうに見える仙之助ですが、よくよく読むと、意外と真っ当な価値観の持ち主である事が分かります。悪事を行っている連中は軽蔑しているし、真っ当な人が真っ当に幸せになる事を望んでいます。そして、事件の解決の為に、一応は奔走しています。
ただ表面上、仙之助はテキトー&ちゃらんぽらんな発言や態度ばかりしています。種明かしの瞬間まで、お凛に謎解きについては語ろうとしません。この辺りは、シャーロック・ホームズとワトソンの関係に近い印象を受けました。
ホームズとワトソンとの大きな違いは、探偵役に対するリスペクトと言うか、敬意があるかどうか…でしょうか。ワトソンはホームズに厳しい態度を取ったり、辛口のコメントをしたりしませんが、お凛はします。この辺り、お凛は常識人の代表であり、ちゃらんぽらんな仙之助に世間一般の意見を述べる事で、「読者と事件」や「読者と仙之助」の結び付きを深める役割もあるのではないか…そう、私は受け止めています。
いずれにしても、お凛と仙之助の掛け合いは大変面白く、すいすい作品を読ませる見事なバディだと感じました。
そして「怪奇現象と謎解きの見事な融合」
いよいよ、ちょっとネタバレな部分…「怪奇現象と謎解きの見事な融合」についてです。
『深川あやかし屋敷奇譚』は「たたり振袖」、「生き人形」、「化け猫こわい」、「百物語」の4つの短編で構成されています。この4つの短編、どれも事件を引き起こしているのは人間です。ですから、仙之助が行う謎解きは、誰が、何の為に、どの様に事件を引き起こしたか…を明らかにしていく事になります。中には、「ガリレオ」シリーズみたいに、人間が行ったトリックによって、怪奇現象が発生した事件もあり、仙之助によってトリックが暴かれる訳です。
これはこれで面白いんです。「ガリレオ」シリーズでも描かれていましたが、誰が、何の為に、その様に事件を引き起こしたか…を明らかにしていく事で、人物像が深まったり、様々な心の動きが伝わったりするからです。
しかし、『深川あやかし屋敷奇譚』は…それだけじゃあない!
事件に関わる怪奇現象には、何らかの超常の力が働いていたり、人外や怪異などが関わっていたりするのです。もちろん、人外や怪異が事件を発生させているとなると、ただの普通の人間である仙之助やお凛では対応できません。何の霊能力ももってませんから。
少し横道に逸れますが、他の物語では、普通の人間が、自分たちの力だけで人外や怪異と対決する話もあります。スティーブン・キングの作品は基本的にその展開です…が、対決する為に支払う代償が必ず必要となります。『IT』でも『クリスティーン』でも『呪われた街』でも、高い代償を支払った末に、人外なり怪異なりを倒す事が出来るのです。それは、明るく楽しく少々怖い『深川あやかし屋敷奇譚』には似合わない展開だ…と、私は思いました。
おそらく、笹目先生も同じ様に考えたのではないでしょうか。『深川あやかし屋敷奇譚』に出てくる超常の力や人外や怪異は、怪奇現象に関わってはいても、事件を発生させている訳では…ないです。1つ以外は(その1つについては、結果として、仙之助やお凛に力を貸す存在が出てくる…とだけ述べておきます)。
話を戻します。
超常の力や人外や怪異が怪奇現象に関わる事で、『深川あやかし屋敷奇譚』の物語は広がりや深まりが出ています。人知を越えた存在が関与する…それは何故か? それを考える事で謎解きのヒントを得る事もありますし、登場人物の心を大きく変化させる事もあります。あるいは、何とも言えない余韻を残す事も…。
それは、私の大好きな「怪奇大作戦」に通じるものがあります。正に、「怪奇現象と謎解きの見事な融合」! お江戸版「怪奇大作戦」と言っても間違いではないのでは…そう、私は考えています。
おわりに
何だかマニアックな話を延々と書いてしまって…申し訳ありません。この、最後の章まで読んでくださった方には、心から感謝申し上げます。どうも、ありがとうございました。
因みに、ネットでは4つの短編以外の短編もアップされている様です。ならば、「怪奇大作戦ミステリー・ファイル」の様に、第2シーズンならぬ続編も大いに期待したいところです。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
木曜はラノベ愛語り…なのですが、今回はnoteで親しく交流させていただいている笹目いく子先生の本を紹介します。その本とは、令和7年2月4日に発売となった『深川あやかし屋敷奇譚』です。
この本、語りたくなる部分は山の様にあります。美しい文章、巧みな構成、見事な風景や季節の描写、江戸情緒を感じさせる服装や食べ物などの描き方、美麗な表紙…特に、食べ物については、読んでいると小腹が空いてくる感じがする程の見事さです。
しかし、今回は、私らしいマニアックな面…「怪奇現象と謎解きの見事な融合」についてのみ記事にしようと思います。
なお、ネタバレとも言えそうな部分がありますので、気になる方は、この先を読まない方が良いでしょう。
記事の前に言い訳&長々しい分類
マニアックな記事を書く前に、ちょっと言い訳を書きます。
実は私、俗に言う「あやかし物」の小説は今回が初めてです。コミックを含めても、江戸時代を舞台にした「あやかし物」は、レディコミック作家の魔木子先生の『うらめしや』しか読んでいません。もちろん、『雨月物語』や『怪談』などは読んでいますが、これらは「古典文学」の仲間で、「あやかし物」には含まれないのでは…と考えています。
ただ、現代を舞台にした作品や、怪奇現象全般を含む作品であれば幾つか読んでいます。また、TVドラマや映画も含めて宜しければ、かなりの数を視聴しています。ですから、これから述べる内容は、「あやかし物」と言う限定されたジャンルに関する感想ではなく、広く「怪奇現象と謎解きのある作品」に関する感想と考えてください。
早速ですが、この手の「怪奇現象と謎解きのある作品」は、怪奇現象と事件との関係性から3種類に分けられる…と、私は考えます。
1つ目は、「事件を発生させたのは怪奇現象であり、その怪奇現象には超常の力(あるいは人外や怪異そのもの)が関わっている」です。先程、ちらっと触れた魔木子先生の『うらめしや』は正にコレです。妖怪だの怨霊だのが事件を引き起こしており、それらを退治しなければ事件は解決しません。現代物ですが、城平京先生の『虚構推理 鋼人七瀬』も同様です。これらの作品では、事件を引き起こす怪奇現象を何とかするためには、それなりの知恵や能力が必要となる為、特殊能力をもった登場人物が解決に奔走します。
2つ目は、「事件には怪奇現象が関わっているが、その怪奇現象は人間により作り出されている」です。こちらの代表作は、東野圭吾先生の「ガリレオ」シリーズでしょう。一見、事件は怪奇現象の様に見えますが、普通の人間が何らかの工夫(「ガリレオ」シリーズだと科学的な知識)により作り出しただけで、超常の力も人外も怪異も関係ありません。当然、特殊能力をもった登場人物は必要なく、(かなり頭はイイですが)普通の人間が事件を解決します。
実は、『深川あやかし屋敷奇譚』を読み始めた時、この2つ目のパターンだな…と、私は思っていました。ごく普通の人間である主人公たちが、普通に推理して解決へと向かっていたからです。
しかし、途中で気付きました。これは3つ目のパターン、「事件は人間が引き起こしたが、怪奇現象には超常の力や人外や怪異も関わっている」だと。
そう気付いた途端、私にとっては懐かしい作品を思い出しました。円谷プロが製作した「怪奇大作戦」です。「怪奇大作戦」は、基本的に2つ目のパターンなのですが、幾つか3つ目のパターンもあります。「果てしなき暴走」や「京都買います」、「怪奇大作戦セカンドファイル」の「昭和幻灯小路」、「怪奇大作戦ミステリー・ファイル」の「深淵を覗く者」などが代表作と言えるでしょう。事件は人間が引き起こしたし、トリックにも人間が関わっている…が、それだけではない「何か」も存在し、事件に関わっていた…これが、作品の奥行きを深め、面白さをぐぐっと増していました。
そう…『深川あやかし屋敷奇譚』も同じで、それにより面白さがぐぐっと増しているのです。
魅力的なバディによる謎解き
お待たせしました! やっと、『深川あやかし屋敷奇譚』本編の感想に入ります。
『深川あやかし屋敷奇譚』は、深川にある「あやかし屋敷」と呼ばれる屋敷に住む、「天眼通(テンゲンツウ)の旦那」とアダ名される仙之助と、その屋敷の女中お凛を主人公とした連作短編集です。仙之助は怪奇現象が大好きで、その事は周囲に広く知れ渡っており、「火をふく振り袖」や「生きている人形」、「化け猫」「妖怪と思われる緋インコ」などが持ち込まれる事で、何やら怪しい事件に巻き込まれていきます。
その事件の謎を解いていくのが仙之助とお凛のバディ…なのですが、これがバディ物らしい凸凹コンビなのです。
まず仙之助。瞳の大きい二十五歳になる優男ですが、真面目に働く気持ちは全くなく、メッチャお洒落な格好をして、美味い物を食い、いつも遊び歩いています。何せ、大店の次男坊で、親も子供可愛さで大甘なものですから、それでも生活していける訳です。いや~、羨ましい身分です。
そして、お凛。こちらは十五歳で奉公に出た子で、真面目で働き者の両親に育てられた、真っ直ぐな気性の少女です。かなり力があり、主である仙之助に対しても、必要なら容赦ない態度で接します。もっとも、仙之助も遠慮なくズケズケ言ってますから、お互い様と感じますが…。
物語の基本的な展開は、まず仙之助とお凛が事件に巻き込まれるところから始まります。事件の関係者に対し、お凛が同情したり義憤にかられたりしながら事件は進んでいきます。そして、仙之助の推理と活躍で謎が解けて事件解決…となります。
一見、ちゃらんぽらんで適当そうに見える仙之助ですが、よくよく読むと、意外と真っ当な価値観の持ち主である事が分かります。悪事を行っている連中は軽蔑しているし、真っ当な人が真っ当に幸せになる事を望んでいます。そして、事件の解決の為に、一応は奔走しています。
ただ表面上、仙之助はテキトー&ちゃらんぽらんな発言や態度ばかりしています。種明かしの瞬間まで、お凛に謎解きについては語ろうとしません。この辺りは、シャーロック・ホームズとワトソンの関係に近い印象を受けました。
ホームズとワトソンとの大きな違いは、探偵役に対するリスペクトと言うか、敬意があるかどうか…でしょうか。ワトソンはホームズに厳しい態度を取ったり、辛口のコメントをしたりしませんが、お凛はします。この辺り、お凛は常識人の代表であり、ちゃらんぽらんな仙之助に世間一般の意見を述べる事で、「読者と事件」や「読者と仙之助」の結び付きを深める役割もあるのではないか…そう、私は受け止めています。
いずれにしても、お凛と仙之助の掛け合いは大変面白く、すいすい作品を読ませる見事なバディだと感じました。
そして「怪奇現象と謎解きの見事な融合」
いよいよ、ちょっとネタバレな部分…「怪奇現象と謎解きの見事な融合」についてです。
『深川あやかし屋敷奇譚』は「たたり振袖」、「生き人形」、「化け猫こわい」、「百物語」の4つの短編で構成されています。この4つの短編、どれも事件を引き起こしているのは人間です。ですから、仙之助が行う謎解きは、誰が、何の為に、どの様に事件を引き起こしたか…を明らかにしていく事になります。中には、「ガリレオ」シリーズみたいに、人間が行ったトリックによって、怪奇現象が発生した事件もあり、仙之助によってトリックが暴かれる訳です。
これはこれで面白いんです。「ガリレオ」シリーズでも描かれていましたが、誰が、何の為に、その様に事件を引き起こしたか…を明らかにしていく事で、人物像が深まったり、様々な心の動きが伝わったりするからです。
しかし、『深川あやかし屋敷奇譚』は…それだけじゃあない!
事件に関わる怪奇現象には、何らかの超常の力が働いていたり、人外や怪異などが関わっていたりするのです。もちろん、人外や怪異が事件を発生させているとなると、ただの普通の人間である仙之助やお凛では対応できません。何の霊能力ももってませんから。
少し横道に逸れますが、他の物語では、普通の人間が、自分たちの力だけで人外や怪異と対決する話もあります。スティーブン・キングの作品は基本的にその展開です…が、対決する為に支払う代償が必ず必要となります。『IT』でも『クリスティーン』でも『呪われた街』でも、高い代償を支払った末に、人外なり怪異なりを倒す事が出来るのです。それは、明るく楽しく少々怖い『深川あやかし屋敷奇譚』には似合わない展開だ…と、私は思いました。
おそらく、笹目先生も同じ様に考えたのではないでしょうか。『深川あやかし屋敷奇譚』に出てくる超常の力や人外や怪異は、怪奇現象に関わってはいても、事件を発生させている訳では…ないです。1つ以外は(その1つについては、結果として、仙之助やお凛に力を貸す存在が出てくる…とだけ述べておきます)。
話を戻します。
超常の力や人外や怪異が怪奇現象に関わる事で、『深川あやかし屋敷奇譚』の物語は広がりや深まりが出ています。人知を越えた存在が関与する…それは何故か? それを考える事で謎解きのヒントを得る事もありますし、登場人物の心を大きく変化させる事もあります。あるいは、何とも言えない余韻を残す事も…。
それは、私の大好きな「怪奇大作戦」に通じるものがあります。正に、「怪奇現象と謎解きの見事な融合」! お江戸版「怪奇大作戦」と言っても間違いではないのでは…そう、私は考えています。
おわりに
何だかマニアックな話を延々と書いてしまって…申し訳ありません。この、最後の章まで読んでくださった方には、心から感謝申し上げます。どうも、ありがとうございました。
因みに、ネットでは4つの短編以外の短編もアップされている様です。ならば、「怪奇大作戦ミステリー・ファイル」の様に、第2シーズンならぬ続編も大いに期待したいところです。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。