従姉の家には同居人がいて、名前は「ハナちゃん」
ストレートしっぽの白黒ブチ。 ハナちゃんといっても雄。
小さい頃にメスかも?と言われていたために、女の子の名前をつけてしまったのだそうです。
内臓疾患があるので定期的に通院(1泊入院)するのだそうです。
通常は病猫食なのですが、新鮮な葉っぱには目がないらしく
夕食の支度をしていると従姉に「頂戴~頂戴~♪」と足にしがみつくくらいせがんでいます。
普段お客さんが来ると2階に上がったまま出てこないというシャイなハナちゃんですが、3女と私には最初からなついてくれました。
S子にはスカートの中まで入ってしまうくらい!
もしかしたらスカートの中は暖かかったのかしら?
父の第1の目的は長兄T雄伯父さんの功績明細書(軍歴証明書)を確認することでした。
彼は昭和18年に電信員として配属された際に連絡が取れなくなったとありました。
戦時中のこともあり、T伯父さんの実親でもある私の祖父母にも詳細は知らされずにいましたが
行方不明になった場所まで地図で示されており、父も「そんな場所で・・・知らなかったなぁ」と一言。
これらは家族でないと申請できないため
従姉が「今じゃないともう、申請できないかもしれない!」と考えてくれたものです。
戦後69年と言われ、私も随分遠い過去の出来事だとばかり考えていました。
近しい人達は戦死していたり、また戦地の話はしてくれなかったり
私にとっては別世界の絵空事のように思えていました。
でも、よくよく計算すると、私、戦後20年も経たずに生まれてるんだー!
親族の詳しい軍歴証明書とかを見てしまうと、一気に戦争が身近に思えて来てとても不思議な体験でした。
父の母(祖母)の形見も初めて見せてもらいました。
前述した通り父は婿養子でしたので、父の持っている祖母の形見は自分が撮影した写真だけ。
従姉は両親と離れて祖母に育ててもらっていたため、帯の祖母にまつわる話を教えてくれました。
これは祖母が亡くなるまで大事に何度も締めていた帯だそうです。
「源如」「金陵」「胡」「蝶」他にも織りで幾つかの文字が並んでいます。
調べると、実はこれは「如源(にょげん)」と読むそうで、中国産の黒繻子の織元のブランドのロゴなのだそうです。
帯の垂れの織り出し部分に大きく「如源」、その右には「金」の文字を波模様で囲んだデザイン。
明治から昭和にかけて「昼夜帯」というリバーシブルの如源の帯が流行ったそうで
祖母は昼夜帯の黒い側だけを半幅帯に仕立て直してずっと使っていたようです。
如源の帯は、百年以上昔に織られた物が多いみたいですが
繻子は摩擦に弱いらしく、祖母の帯も角の部分は大体擦り切れていました。
長く大切に使っていたのだと分かって、しみじみ撫でてしまいました。
T雄伯父さんの話や祖母の話などで花が咲き夜もすっかり更けました。
明日は父の第二の目的、墓参りです。
ハナちゃんも眠たくなったようです。