サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

柏の葉エコクラブに学ぶ~環境未来都市におけるコミュニティづくり

2012年05月05日 | 気候変動緩和・低炭素社会

 環境に配慮した都市づくりでは、住民コミュニティが重要な基盤となる。地域問題の解決を解決したり、近所づきあいの中での安全や安心、暮らしの充実のために、コミュニティはなくてはならないものである。

 また、住民の環境配慮意識や行動の程度は、コミュニティの強さと関係することがわかっています。近隣関係が強いと、環境配慮に関する情報も伝わりやすくかったり、近所づきあいの中で社会的責任感を高く持ち、環境配慮にも心を配るということだと考えられる。

省エネナビ+ソーシャルネットワーキング、エコクラブ

 環境未来都市に選ばれた柏の葉では、マンションの2番館の全戸に「エコリンコ」と名づけられた省エネナビを設置している。また、最初にできた1番館にも希望世帯に後付けでは省エネナビを設置している。

 ここの省エネナビは先進的なもので、インターフォンのモニターに電気、ガス、水道による二酸化炭素排出量が表示される。省エネチャンピオンを決める競争もやっていて、モニターには順位も表示される。省エネナビ設置者が参加するSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)もあり、省エネのための工夫などについて、情報交換がされる。

 さらに、柏の葉キャンパスシティの住民を対象とした「柏の葉エコクラブ」が設立されている。この事業を計画したコンサルタントが事業運営も担い、節電のための研修会といった危機意識をもった取組みから、楽しみながら多くの人が参加できるようなエコな料理教室やキャンドルナイトのようなイベントを開催している。

 このように、柏の葉では、省エネナビという装置だけでなく、SNSといったオンライのコミュニティ、エコクラブといったオフラインのコミュニティを組み合わせて、コミュニティを基盤としたエコライフの普及や強化に努めている。ここまで徹底したエコライフ活動を実施している環境都市は他にはなく、サステナブルシティを目指す多くの都市が見習うべき点だと考えられる。秘訣は、オンラインとオフラインを組み合わせること、運営コーディネイターを仕事として確立させることにある。

 節電のもりあがりを如何に活かすか

  楽しいエコにこだわっている柏の葉エコクラブだが、平成23年度は計画停電があったことから危機感をもった節電研修を行った。その研修は盛り上がり、シフトチェンジのチャンスになっているが、今年はその危機意識が続かないという。

楽しく継続するだけはマンネリもありし、一定以上省エネをするとそれ以上は「乾いた雑巾」になりがちである。エコのステップアップの工夫が求められるところである。

 それを打開する一つの方法として、住民が活動に参加するだけでなく、段階的に運営スタッフに昇格してもらう仕組みをつくることも考えられる。住民側が主体的にコミュニティ活動を企画、運営するなかで、当事者意識が芽生え、さらに活動の幅が広がっていくことが期待される。

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